サカナAI、Googleとの戦略的パートナーシップを締結 ジェミニ活用で日本のAIエコシステム発展へ
日本の急成長するAIスタートアップ「サカナAI」が、米Googleと戦略的パートナーシップを締結したことが明らかになりました。このパートナーシップにより、サカナAIはGoogleから資金調達を実施し、Googleの最先端のAIモデル「Gemini」や「Gemma」を自社の技術・製品開発に活用することになります。
パートナーシップの背景と評価
サカナAIは、2023年に元Google研究者らによって設立されたAIスタートアップです。共同創業者でCEOのデビッド・ハー氏も元Google研究者であり、今回のパートナーシップについて「またご一緒できることに不思議な縁を感じている。日本のAIエコシステムを発展させるため、共に大きな成果を目指す」とコメントしています。
Googleは、サカナAIについて「技術力の深さと、日本での研究成果を実社会へのインパクトへと繋げるというミッションを高く評価した」と述べています。このパートナーシップは、Googleのインフラ・プロダクトとサカナAIの研究開発力を組み合わせ、日本のAIエコシステムの発展と、信頼性の高いAIの普及と推進を目指すものとなります。
具体的な協業内容
今回の提携により、サカナAIは以下の取り組みを進める予定です。
- 研究開発への活用:GeminiやGemmaを含むGoogleの最先端モデルを自社の技術・製品開発に活用し、科学研究の自動化やAIエージェントの開発を進化させていく
- 製品品質の向上:ユーザーへのサービス提供を通じて得た現場の知見や技術的専門性を活かし、GoogleのAIエコシステムに対する直接的なフィードバックを提供
- 信頼性の高いAI実装:金融機関や政府機関などの領域に対し、Googleのプラットフォームを活用したソリューションを展開し、ミッションクリティカルな領域におけるAI導入を促進
資金調達の実績
サカナAIは、2025年11月にシリーズBラウンドで約200億円(1億3500万ドル)を調達し、企業価値は約4000億円と評価されました。このラウンドでは、三菱UFJフィナンシャル・グループを始めとした既存出資者に加え、マッコーリー・キャピタルなど新規投資家からの出資を受けています。今回のGoogleからの資金調達は、このシリーズBラウンドに続く資金調達となります。
市場での存在感と成長戦略
サカナAIは、日本が「AI競争」で海外に追いつくための重要な存在として注目されています。同社は、参入が極めて困難とされる金融分野に進出し、三菱UFJ銀行や大和証券グループ本社から企業向けAIツール構築の契約を獲得するなど、実績を積み重ねています。
デビッド・ハー氏は、2026年について「多くの成長機会がある」とし、「防衛分野と企業分野の両方で進展があり、成功を収めれば、追加資金が必要になる可能性がある」と述べています。また、同社は今年、日本における企業顧客基盤の拡大と、防衛省を含む日本政府との連携強化を計画しており、海外市場への進出も視野に入れているとのことです。
日本のAIエコシステムへの影響
このパートナーシップは、単なる資金調達にとどまりません。GoogleとサカナAIの協業により、日本市場でのGeminiの普及が加速する可能性があります。特に、金融機関や政府機関といった信頼性が重要視される領域でのAI導入推進は、日本のAIエコシステム全体の発展に大きな影響を与えることが期待されています。
サカナAIのハー氏は「基盤モデルへのアクセス拡大、特にGoogleからのものは当社製品の性能向上につながる」とコメントしており、一方のGoogle側も「サカナAIの研究開発や製品を通じてGeminiの普及を促進できる」とメリットを説明しています。
今後の展望
このパートナーシップにより、サカナAIはGoogleの強力なインフラとAIモデルエコシステムにアクセスできるようになります。これにより、同社の製品開発速度はさらに加速し、日本国内での金融・政府機関への展開がより加速することが予想されます。さらに、海外市場への進出も視野に入れていることから、サカナAIが日本を代表するグローバルなAI企業へと成長する可能性も高まっています。
GoogleとサカナAIの協業は、日本が国際的なAI競争で存在感を示すための重要な一歩となるでしょう。今後、両社がどのような成果を生み出すのか、注目が集まります。



