【DeNA】元パドレスの長身右腕ショーン・レイノルズ獲得合意報道 ダルビッシュ&松井裕樹の元同僚が横浜へ
横浜DeNAベイスターズが、米大リーグ・サンディエゴ・パドレスからフリーエージェント(FA)となっていたショーン・レイノルズ投手と契約合意に達したと、米メディアが報じました。
報道によれば、米紙「ニューヨーク・ポスト」の記者ジョン・ヘイマン氏が9日(日本時間10日)、自身のSNSでDeNAとレイノルズ投手の合意を伝えたとのことです。
正式発表は球団から出ていない段階ですが、すでに複数の日本メディアもこのニュースを紹介しており、日本球界でも大きな注目を集めています。
203センチの超長身、最速159キロの大型右腕
ショーン・レイノルズ投手は、身長203センチ、体重113キロの恵まれた体格を誇る大型右腕です。
27歳(来年4月で28歳)と、今後の成長も期待できる年齢で、2024年にメジャーデビューして以来、主にリリーフとして起用されてきました。
球速はメジャーでもトップクラスで、直球の最速は約159キロ(100.3マイル)を計測。 今季の直球は配球全体の約半分を占め、平均球速も154キロ台と、高い水準を保っています。
変化球は、スライダーやスイーパー、チェンジアップなどを投げ分けます。スライダーは平均140キロ前後、チェンジアップも140キロ台前半という、パワー型らしい球速帯が特徴です。
ダルビッシュ有&松井裕樹の元同僚
レイノルズ投手は、パドレス時代にダルビッシュ有投手や松井裕樹投手と同じブルペンを支えた「元同僚」でもあります。
パドレスは近年、ダルビッシュ投手を中心に先発陣が注目されてきましたが、後ろを支えるリリーフ陣も強化が図られていました。その中でレイノルズ投手は、将来のブルペンの一角として期待されていた存在です。
日本球界でも知名度の高いダルビッシュ投手、さらに楽天からMLBに挑戦した松井裕樹投手の元チームメイトという肩書きは、レイノルズ投手への関心を一層高めています。
2024年メジャーデビュー、2025年は19試合登板
レイノルズ投手は、2024年7月にパドレスでメジャーデビューしました。
デビューイヤーの2024年は、メジャーで9試合に登板し、11イニングを投げて防御率0.82、21奪三振という圧巻の成績をマーク。将来の勝ちパターン候補として大きな期待を集めました。
迎えた2025年シーズンは、右足のケガもあって開幕から出遅れたものの、パドレスで19試合に登板。リリーフとして0勝1敗、防御率5.33という結果を残しています。
メジャー通算では28試合に登板しており、まだ経験は少ないものの、ポテンシャルの高さは十分に示してきたと言えます。
驚きの奪三振率「17.18」 圧倒的な三振能力
レイノルズ投手の最大の武器は、その圧倒的な奪三振能力です。
昨季(2024年)、メジャーで投げた11イニングでは、驚異的な奪三振率17.18を記録しました。 これは、9イニングあたり約17個の三振を奪うペースで、MLB全体で見てもトップクラスの数字です。
今季(2025年)は制球難などもあって同じレベルの支配力は見せられなかったものの、それでも直球とスライダーの組み合わせはデータ上も高い評価を受けており、「うまくハマれば一気にブレイクする可能性を秘めた投手」と分析されています。
制球に課題、四死球の多さが今後のカギ
一方で、明確な課題は「コントロール(制球)」です。
2025年のメジャーでは、27イニングを投げて25奪三振を記録した一方で、20個の四死球を与えています。 「三振は多いがフォアボールも多い」という、典型的な荒削りタイプと言えるでしょう。
傘下3Aでも27試合・28回1/3で22奪三振、24四死球と、ここでも四球の多さが目立ちました。 投球の「荒さ」は、アメリカでも指摘されてきたポイントです。
ただし、スライダーの球質そのものは高く評価されており、アメリカの指標では「stuff+」120という数字も紹介されています。これは球威や変化量に優れたボールを持っていることを示しており、「制球さえ整えば大化けの可能性がある」とも言われています。
異色のキャリア 元外野手から投手転向
レイノルズ投手の経歴でもう1つ大きな話題となっているのが、「元二刀流」「元外野手」からの転向という異例の道のりです。
2016年のMLBドラフトで、レイノルズ投手はマイアミ・マーリンズから外野手として指名され、プロ入りしました。
マイナー時代には通算35本塁打を放っており、打者としても高いパワーを見せていました。 その後、2021年に本格的に投手へ転向。ここから、わずか数年でメジャーのマウンドに立つまでに成長しています。
投手転向後は、1Aからスタートし、制球に苦しみながらも三振を量産。徐々に球速を伸ばし、2022年には2A、2023年には3Aへとステップアップしました。
2023年8月にはパドレスへトレードされ、2024年に念願のメジャーデビューを果たしています。
マイナーでの成績と起用法
パドレス傘下では、レイノルズ投手は基本的にリリーフ投手として起用されてきました。
2024年の3Aでは防御率6点台と苦しい数字もありましたが、それでもメジャー昇格を勝ち取り、実際のMLBの試合で結果を残しています。
2025年の3Aでは、防御率2.86と数字上は改善していますが、四球の多さなどから、指標面ではまだ課題を残していると分析されています。
なお、先発として投げていたのはマイナー初期のみで、近年は一貫してリリーフ起用となっています。
DeNAでの役割は? リリーフ陣強化の切り札候補
現時点では球団からの起用構想は公表されていませんが、これまでの経歴や投球スタイルから、DeNAでもリリーフとしての起用が濃厚と見られています。
150キロ台後半の直球と鋭いスライダーは、日本球界でも武器になる可能性が高く、状況次第では勝ちパターンの一角やクローザー候補に成長するポテンシャルも十分にあります。
一方で、四球の多さという課題をどう克服するかは、日本で成功できるかどうかを左右する重要なポイントです。日本のストライクゾーンやボールの違い、登板間隔など、環境の変化がプラスに働く可能性もありますが、まずは制球改善への取り組みが求められます。
DeNA投手陣への影響とファンの期待
DeNAは近年、打線には迫力がある一方で、投手陣の層の薄さやリリーフの不安定さが課題とされてきました。その中で、メジャー経験を持つ大型右腕の加入は、ブルペン強化の切り札となり得る補強です。
特に、ダルビッシュ投手や松井裕樹投手と同じ環境でプレーしてきた経験は、日本での適応にも活きてくる可能性があります。MLBのハイレベルな打者と対戦してきた実績は、チーム内でも大きな刺激となるはずです。
また、元外野手という異色の経歴も相まって、ファンの間では「どんな投手なのか」「どれだけ三振を奪ってくれるのか」といった期待や興味が高まっています。
今後の焦点は正式発表と来日時期
現時点で報道されているのはあくまで「合意」とされる段階であり、今後、球団からの正式発表や、年俸・契約年数といった詳細が明らかになっていくと見られます。
来日時期やキャンプへの合流タイミングなども、今後の注目ポイントとなるでしょう。春季キャンプから合流できれば、日本のボールやマウンドに慣れる時間も確保でき、シーズン開幕からの戦力として計算しやすくなります。
203センチの長身から投げ下ろす150キロ台後半の直球と、パワフルなスライダーを武器に、レイノルズ投手がどのような投球を見せるのか。DeNAファンだけでなく、プロ野球ファン全体がその一挙手一投足に注目しています。


