『リーグ・オブ・レジェンド』2026年シーズンが大幅改革へ――ランク戦とゲームプレイが新たなステージへ

Riot Gamesは2025年12月2日、『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の開発ブログ「Dev Update」を公開し、2026年シーズンに向けた大規模なゲームプレイ変更とランク戦の刷新予定を明かしました。今回のアップデートは、ゲームのバランス調整から競技環境の改善まで、プレイヤーの体験を根本から変えるものになります。

ロールクエストシステムの導入で、各ロールがより個性的に

注目される大きな変更の一つが「ロールクエスト」システムの導入です。これは各ロールに対して固有のクエストを用意し、プレイスタイルをより多様化させるための施策です。

トップレーナーには特にレベル19到達という新した目標が設定されます。これまでの最大レベルである18を超える領域が開放されることで、トップレーナーの成長過程がこれまで以上に長くなり、ゲーム内での影響力がより大きくなることが期待されています。

一方、ADC(アタックダメージキャリー)プレイヤーに対しては、7番目のアイテムスロットが追加されます。これにより、ADCの装備構成の自由度が飛躍的に高まり、より戦略的なアイテムビルドが可能になります。従来は6つのアイテムスロットに限定されていたため、この変更はゲームの後半戦をより深い戦略性のある展開にするでしょう。

ランク戦の大型アップデート――より公平で透明性のある環境へ

ランク戦に関しては、マッチメイキング、オートフィル対策、キュー時間短縮、そしてスキル分布の再調整という多岐にわたる変更が予定されています。これらの改革は、プレイヤーコミュニティからの長年の要望に応えるものです。

オートフィルプレイヤーへの新しい報酬体系

特に注目されるのは「武勇のイージス」という新たな報酬システムの導入です。オートフィル(どこでもオプション)でプレイするプレイヤーに対して、専用の報酬を提供することで、自分の希望ロール以外でのプレイへのモチベーションを高めます。これまでオートフィルは避けられやすい要素でしたが、新システムによってゲーム体験がより良くなることが期待されます。

同時にドッジ(試合回避)のペナルティが強化されます。プレイヤーがオートフィルを避けるためにゲームを中止することが増えると、キューシステム全体が機能しなくなるため、この厳罰化は環境の安定化に不可欠な措置です。

ゲーム開始までの時間を短縮――ストレス軽減を実現

味方のホバーBAN廃止も重要な変更です。これまで味方がプレイを希望しているチャンピオンを他のプレイヤーがBANする機能がありましたが、これが削除されます。この機能は単なるイタズラや嫌がらせに使われることが多かったため、廃止によってロビー内の雰囲気が改善されるでしょう。

さらに、ロビー時間の短縮も実施されます。アニメーションやタイマーが削減されることで、チャンピオン選択にかかる時間が約30秒短縮されます。この変更はパッチ16.1で全世界に適用される予定です。毎ゲーム30秒の短縮は、長時間プレイするプレイヤーにとって大きなストレス軽減になります。

ランク評価基準の再調整――インフレではなく適正配置を目指す

プレイヤーの平均的なスキルレベルが向上するに伴い、低ランク帯(ブロンズなど)のスキル評価基準が再調整されます。これはランクのインフレーションではなく、現在のプレイヤーの実力に見合った適正なランク配置を実現するための調整です。多くのプレイヤーがより自分の実力を正確に反映したランクに配置されることになります。

チャレンジャー帯でのデュオキュー復活も大きなニュースです。以前はランク操作への懸念から廃止されていた最高ランク帯でのデュオでのインキューが、ほとんどの地域で再開されます。不正検出とマッチメイキングの改善により、安全な状態でこの機能を復活させることが可能になったということです。また、フレックスとソロキューのランク乖離を防ぐ調整も導入される予定です。

競技シーンも大きく変わる――LCPの新ルール

ランク戦だけでなく、競技シーンも大きな変化を迎えます。League of Legends Championship Pacific(LCP)2026では、複数の形式変更が実施されます。

最も大きな変更は、全プレイオフマッチがBO5(ベストオブファイブ)に統一されるということです。これまではクオーターファイナルとセミファイナルでBO3が使用されていましたが、2026年からはすべてのプレイオフマッチが3ゲーム先取のBO5になります。この変更によりプレイオフの期間が延長され、LCPマッチの緊張感が高まり、より見ごたえのある試合をファンが楽しめるようになります。

また、サイド選択権をめぐる戦いが1v1から2v2に変更されます。2v2のバトルではテンポが良く、ノンストップのアクションが展開されることになるでしょう。これにより観戦体験がより動的で面白くなると期待されています。

さらに、Split 3にスイスステージが導入されます。これはより多くのチームが競争する機会を得られるシステムであり、大会全体がよりダイナミックになることが見込まれています。

Worlds出場権がより公平に――チャンピオンシップポイント制導入

競技シーンのもう一つの大きな変更が、世界選手権「Worlds」出場権の決定方法です。これまではSplit 3の戦績がほぼすべてを決めていましたが、2026年からはチャンピオンシップポイント制が導入されます。

この新システムでは、年間を通した戦績が加味されるようになります。初期スプリットの成績も含めた総合的な評価により、Worlds出場権が確定するようになるのです。これにより、あるスプリットが不調だったとしても、別のスプリットで復調できるチームに道が開かれます。つまり、年間を通じた成長と戦術が報われるルールになったということです。

これからのLoLはどう変わるのか

2026年シーズンに向けた今回の大規模な変更は、Riot Gamesがプレイヤーとファンのフィードバックを真摯に受け止めた結果です。ランク戦環境の改善、ゲームプレイの多様化、そして競技シーンのより公平で面白い形式への進化――これらすべてが、『リーグ・オブ・レジェンド』をさらに素晴らしいゲームにするための施策です。

プレイヤーにとってはより公平で透明性のあるランク戦環境が、ファンにとってはより面白くダイナミックな競技シーンが待っています。2026年シーズンの開幕は、『リーグ・オブ・レジェンド』の新しい時代の始まりとなるのです。

参考元