Valveが新型ゲーミングPC「Steam Machine」発表 ─ Steam体験を新次元へ

2025年11月13日、世界的人気ゲーム配信プラットフォームSteamを運営するValveは、次世代のゲーミングPC「Steam Machine」および新型「Steam Controller」、「Steam Frame(VRヘッドセット)」の3製品を発表しました。これら新製品は2026年初頭より、日本を含む複数地域で発売が予定されています。発表以来、ゲーム業界内外で大きな話題となっています。

「Steam Machine」とは ─ 小型高性能ゲーミングPCが登場

Steam Machineは、Steamでのゲーム体験に特化した小型のデスクトップPCです。外観は160mmほどの立方体で、洗練されたLEDストリップをあしらうデザインが特徴。重量は約2.6kgと扱いやすく、設置場所にも困りません。
内部には著しい進化が施されています。搭載CPUはセミカスタムAMD Zen 4(6コア12スレッド/最大4.8GHz、TDP30W)、GPUはセミカスタムAMD RDNA3(28CU/最大2.45GHz、TDP110W)という最新世代。
この構成により「Steam Deck」の6倍以上の処理性能を実現し、4K/60fps・レイトレーシング対応など、最新のPCゲームも快適にプレイ可能となっています。

  • メモリ構成:16GB DDR5 + 8GB GDDR6 VRAM(グラフィック専用)
  • ストレージ:512GB/2TBのNVMe SSDモデルから選択可能。どちらのモデルも高速microSDカードスロット搭載で拡張性も抜群
  • ネットワーク:Wi-Fi 6E(2×2)、Bluetooth 5.3
  • OS:SteamOS 3(Arch Linuxベース)
  • 映像出力:DisplayPort 1.4(最大4K@240Hzまたは8K@60Hz)、HDMI2.0(最大4K@120Hz)— HDRやFreeSyncに対応
  • 電源:内蔵型AC電源(100-240V対応)

ゲーム用途に最適化されているため、複数のUSBポートと高品質な冷却設計も特徴です。特筆すべきは、ゲーマーが求める「低遅延」「高信頼性」「安定動作」を追求したハードウェア設計が随所に見られる点です。

新型「Steam Controller」 ─ 多様なデバイスに対応する万能コントローラー

従来のSteam Controllerがパワーアップし、ミニマルながら高度な操作性と汎用性の両立を実現しました。ゲームパッドの基本機能に加え、PCやSteamリンクアプリを介して様々なデバイス(PC、スマホ、タブレットなど)で動作します。35時間以上持続する大容量バッテリーと、ワイヤレス接続(Bluetooth/2.4GHz)により快適なゲーム体験を提供します。

  • 独自機能:2基のトラックパッド搭載で、マウス/キーボード操作型のPCゲームも違和感なくプレイ可能
  • Steam Machineとの連携:内蔵ワイヤレスアダプターで、Puck(専用アダプター)不要の直感的接続
  • バッテリー:8.39Whリチウムイオンバッテリー内蔵(約35時間継続動作)

Steam Frame Controller」はVRと非VRどちらのゲームタイトルにも対応可能なコントローラーで、片側1本の単3電池で約40時間稼働します。IMU(慣性センサー)やハプティクスフィードバック、フィンガートラッキングも搭載されており没入感を高めます。

「Steam Machine」が実現する未来 ─ 4Kゲーム、レイトレーシング標準時代へ

Steam Machineは、4K/60fpsでのゲームプレイや高品位レイトレーシング描画を基本性能として備えています。昨今のXbox Series XやPlayStation 5と並び立つスペックで、据え置き型ゲーム専用PCがいよいよ本格的に家庭市場へ参入します。Steamならではの膨大なライブラリ、セール、コミュニティ機能も健在です。

  • 4K/240Hz・8K/60Hzなど多様な映像出力に対応
  • FSR(AMDのアップスケーリング技術)で高画質・高FPSを両立
  • 最新世代パーツで「PC gamingの自由度」を確保

従来型コンシューマー機(Xbox/PlayStation)との垣根を超えた挑戦的な製品として、Steam Machineはゲーマー層・PCユーザー層双方から関心が集まっています。

SteamにAndroidゲームが参入 ─ マルチプラットフォームへ拡大

今回の発表ではAndroidゲームのSteamライブラリへの正式受け入れも発表されました。これによりスマートフォンで親しまれてきた人気タイトルが、PCの巨大なディスプレイ・高性能環境でも遊べるようになります。

  • 主要なAndroidゲームをSteam上で配信開始
  • 統一されたSteamOS環境でモバイルゲームも快適に動作
  • クロスプラットフォームでのコミュニティ参加・フレンド機能拡充

Steam Machineを軸に、スマートフォンユーザーやカジュアルゲーマーも巻き込んだ「ゲーム市場全体のボーダレス化」が進みそうです。

注目の新作タイトル ─ Steam Machineで遊べる期待作一覧

  • 「CODE VEIN II」 ─ 2026年1月29日発売予定
  • 「オクトパストラベラー0」 ─ 2025年12月4日発売予定(PC/PS5/Xbox対応)
  • 「Call of Duty: Black Ops 7」 ─ 2025年11月14日発売(Xbox、PC対象)

Steam Machineは、発売直後から人口の多いグローバルタイトルや話題作をカバー。そのため、従来のデスクトップPCユーザーはもちろん、家庭用ゲーム機からSteamに移行を考えているユーザーにも最適な選択肢となるでしょう。

「Steam Machine」と既存ゲーミング環境の違い

  • 圧倒的な処理性能(Steam Deck比6倍以上)
  • 4K/60fps、レイトレーシング標準搭載
  • コンパクトデザインで設置性向上
  • PCとしてのカスタマイズ性とゲームコンソール並の取り回し
  • ワイヤレス対応コントローラー、VR体験も容易

Steam Machineの登場によって、「家庭用ゲーム機 vs PC」の境界が、過去以上に曖昧となり、Steamというエコシステムの中で多様な遊び方が広がっていくことが期待されています。

発売日・価格と展望

Steam Machine、Steam Controller、Steam Frameは、2026年初頭に出荷開始予定ですが、執筆時点では正確な発売日は未定です。価格も現段階では未発表ですが、Valveは幅広いゲーマー層に「手の届く価格」を意識しているとされています。

日本国内での販売は、正規代理店Komodoを通じて提供予定と明言されており、ローカライズやサポートも強化される見込みです。

まとめ ─ Steam Machineがもたらすゲーム体験の進化

今回のValveによる次世代Steamハードウェア発表は、PCゲームの新しい「標準」を打ち立てるものであり、「PCの自由度」×「コンシューマ機の手軽さ」をどちらも叶える挑戦的なプロダクトとなっています。
Steam Machine、Steam Controller、Steam Frameは、ゲームプレイヤーの可能性を広げ、世界中のゲーマーコミュニティをさらに活性化させるはずです。今後の詳細情報や発売日追って注目が高まる中、2026年が“ゲーム体験に革命が起きる年”として語られることになるでしょう。

参考元