岡山大学「大学院修学支援制度(2025年度後期)」認定式が挙行―職員の高度化を目指す制度の現状と展望
国立大学法人岡山大学(学長:那須保友)は、2025年10月16日、本学津島キャンパス本部棟で「大学院修学支援制度(2025年度後期)」認定式を盛大に開催しました。この制度は、大学職員の高度化・多様化を目的とし、国内外でも注目を集めている新しい取り組みです。
岡山大学の長期ビジョン2050と職員高度化の背景
岡山大学では、「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」への進化を目指して長期ビジョン2050を策定しました。この基本方針のもと、文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として、大学職員の研究力向上・多様なキャリアパス形成を強力に後押しする仕組みとして「大学院修学支援制度」が2024年度後期からスタートしました。
制度の目的と拡大された支援対象
初年度(2024年度後期)は教育研究系技術職員から博士号取得を目指す者を対象としていましたが、本年度(2025年度)より対象が大幅に拡大されました。従来の技術職員に加え、事務職員・施設系技術職員・図書職員も申請可能となり、取得を目指す学位も博士に限らず修士も対象とされています。
この制度によって、職員一人ひとりの専門性がさらに磨かれ、大学全体の知的資本や多様性が高まることが期待されています。
認定者と審査の流れ
- 審査は厳格であり、申請者の中から、学長を審査主査とする理事、副学長らの選考会によって審査が行われます。
- 2025年度後期(第3回目)の認定者としては、修士号取得を目指す総合技術部・機器分析・動植物資源技術課の北條優子技術専門職員が選ばれました。
- これまでに認定された職員は合計7名(博士4名・修士3名)、そのうち1名は2025年3月に博士(医学)の学位を取得し、制度の成果の一例となっています。
認定式の様子と参加者の声
認定式は報道各社も取材し、厳粛かつ温かな雰囲気で執り行われました。
認定された職員からは「現場の業務と大学院での新しい学びを両立できることに大きなやりがいを感じる」といった声が寄せられています。修学支援を受けることで、日常業務の中に学術研究の視点や高度な専門知識を持ち込めることが大きな強みとなり、大学職員の新しい可能性を感じさせます。
制度の具体的な支援内容
- 修学時間の確保:大学院での学修をより円滑に進めるための勤務調整や柔軟な時間管理のサポート。
- 経済的支援:必要に応じて授業料免除申請や奨学金制度の情報提供(一部学部学生向けも含む)。
- キャリア支援:学位取得後のキャリアパス開拓や組織内での活躍を継続的にサポート。
職員高度化の意義と社会的インパクト
大学職員が修士・博士号を取得することで、教育・研究の現場に最先端の知識や技能が還元されます。加えて、職員自らが研究者視点や学問的思考を持つことで、学内外の多様なプロジェクトや地域社会との連携にも広がりが生まれます。
大学院修学支援制度は、ナレッジワーカーの育成を通じ、大学の知的資本の革新・強化に大きく寄与しています。また職員のパーソナルな成長は、組織全体の活力へと転換され、学生へのサービスや研究の質向上にも直結します。
過去の認定と制度の歩み
- 2024年後期:博士号取得を目指す教育研究系技術職2名が認定され、制度の試行が始まりました。
- 2025年前期:事務職員・施設系技術職員・図書職員にも対象が拡大。博士号に加え、修士号取得を目指す職員も認定。
- 2025年後期:制度の社会的認知がさらに高まり、参加職員も多様化。
各期の認定式には、大学を支える多彩な職員の姿が見られ、組織全体への活力向上に大きく貢献しています。
今後の展望と課題
この制度は今後、さらなるスケールアップや職員の活躍の幅拡大が期待されています。岡山大学は制度を継続的に改善し、職員一人ひとりの専門能力をより高度に引き上げていく方針です。
また、制度活用者の増加に伴い、支援メニューの拡充、職場・家庭・大学院の両立支援、認定後のキャリア形成のサポート充実など、より丁寧なフォロー体制の構築が求められています。
制度への問い合わせ先
- 岡山大学 総務部人事課人材活用グループ(TEL:086-251-7029/E-mail:abg7029◎adm.okayama-u.ac.jp ※◎は@に置き換え)
まとめ:岡山大学の未来を支える職員高度化への道
岡山大学の「大学院修学支援制度」は、職員自らが研究と実務を両立し、多様な専門性を身につけて活躍できる環境づくりに力を入れています。高度な学位取得を目指す職員が増えることで、大学全体の知的資本や組織力も着実に高まりつつあります。今後も「研究大学」としての岡山大学の飛躍と、地域・社会への幅広い貢献が強く期待されています。



