金曜ロードショーで名作『おおかみこどもの雨と雪』が登場!細田守監督作品、4週連続放送の第1弾
2025年11月7日金曜日、日本テレビ系「金曜ロードショー」にて、細田守監督の代表的長編アニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』が本編ノーカットで放送されました。本作は、2012年の公開以来、家族の絆や親子の成長を描く感動作として広く愛されてきた名作です。今回の放送は、細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』の公開(2025年11月21日予定)を記念した4週連続特集の第1弾と位置付けられています。
『おおかみこどもの雨と雪』とは?
『おおかみこどもの雨と雪』は、大学生の花が、人間とおおかみの姿を持つ男性との間に「おおかみこども」の姉弟(雪と雨)を授かり、その成長と自立を見守る13年間を描いたアニメーション映画です。人間とおおかみという異なる二つの世界に生きる子どもたちが、それぞれ自分の居場所を求めて悩み、成長していく姿が、緻密で優しい視点から描かれています。
- 監督:細田守
- 脚本:奥寺佐渡子
- キャラクターデザイン:貞本義行(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ)
- 声優陣:宮﨑あおい(花役)、大沢たかお(おおかみおとこ役)、黒木華・大野百花(雪役)、西井幸人・加部亜門(雨役)、菅原文太(韮崎役)、染谷将太(田辺先生役)、林原めぐみ(草平の母役)など
この秋だけのスペシャルな“細田守月間”
11月は“細田守月間”として、金曜ロードショーで4週連続で細田守監督作品が放送されます。第1週は『おおかみこどもの雨と雪』、以降は『バケモノの子』、『竜とそばかすの姫』、『時をかける少女』と続きます。本編放送中には最新作『果てしなきスカーレット』の特別映像や新情報も公開され、スタジオ地図によるスペシャルバージョンのオープニングも放送されました。
話題を呼ぶ“母親像”をめぐる論争
今回の放送で特に注目されたのが、主人公・花の子育てを巡る議論です。「ダメな母」「毒親」論争として、SNSや映画評論記事では、花の「母親像」に賛否両論が巻き起こっています。
花は“ダメな母”なのか?
物語の主人公花は、都会から自然豊かな田舎へと子どもたちを連れて移住し、手探りで子育てに奮闘します。おおかみとしての特性を持つ子どもたちを誰にも知られないよう守りながら、時に厳しく、時に優しく子どもたちを見つめます。しかし一部では、花の育児方法や子どもへの「選択の自由」の与え方について、
「母親として過度に干渉しているのではないか」「自己犠牲に美化が過ぎるのでは」「子どもたちに本当の“自由”を与えていないのでは」といった指摘が上がりました。
賛否両論
- 肯定派:「花は困難な状況下でも最善を尽くした」「誰にも経験できない母性と孤独を描いた傑作」「現実離れした設定だが、リアルな感情が伝わる」との意見。
- 批判派:「母親として子どもの意思を尊重していない」「花の行動は時に“毒親”的に映る」「家庭の枠に子どもを閉じ込めていないか」との声も。
この論争は、「親とは何か」「子どもの自立とは何か」という普遍的なテーマを社会に問いかけています。多様な意見が飛び交う中で、見る人それぞれの子育てや家族観が映し出されるのも、この作品の魅力です。
監督・細田守氏と花役・宮﨑あおいのコメント
金曜ロードショー放送当日に合わせて監督・細田守氏と花役・宮﨑あおいさんからコメントが寄せられています。「人間として、そして親として生きることの難しさや素晴らしさを改めて感じてほしい」「家族の愛のかたちに、少しでも勇気や希望をもらえるよう願っています」というメッセージが視聴者に伝えられました。
映画レビュー:『おおかみこどもの雨と雪』と「アドルフに告ぐ」との意外なつながり
放送後、ネットでは『おおかみこどもの雨と雪』のレビューも賑わいました。「アサシン5」氏による映画レビューでは、花の苦悩や成長、子ども達が“自分の生き方”を選び取るエンディングが高く評価されています。また、「親子の選択」というテーマが、手塚治虫の『アドルフに告ぐ』に通じるものとして話題に。親から受け継いだ“運命”をどう乗り越えていくか、それぞれのキャラクターの在り方と重ねて語られています。
視聴者が捉える『おおかみこどもの雨と雪』の魅力
- 豊かな自然描写と人生の機微:山奥の古民家で成長する子どもたちと母の姿が、生きることの素晴らしさと苦悩を鮮やかに描く。
- 人間とおおかみの二面性:社会の目と本能の狭間で揺れる子どもたちの葛藤が、現代社会にも通じるものとして共感を呼ぶ。
- 家族で観たい珠玉の一作:幅広い年代が楽しめ、何度も観返したくなる普遍的なテーマが魅力。
また、アニメーションからファッション、美術にわたる制作陣の工夫も高く評価されています。特に貞本義行氏によるキャラクターデザインや、伊賀大介氏担当の衣装、大野広司氏による美術など、細田組の強力な制作陣による美しい映像が感動をさらに深めています。
今後の金曜ロードショー放送予定
- 11月14日:バケモノの子
- 11月21日:竜とそばかすの姫
- 11月28日:時をかける少女
細田守監督が描き出す“家族”と“成長”の物語は、まさに現代人が忘れかけていた温もりと、自分らしさへの問いかけを与えてくれます。今回の『おおかみこどもの雨と雪』放送をきっかけに、多くの視聴者が自分自身の家族や生き方について改めて考える機会となったのではないでしょうか。今後放送される細田作品も見逃せません。
まとめ:新たな視点で家族と自分自身を見つめ直す名作
『おおかみこどもの雨と雪』は、“親と子”、“自分らしさ”、“勇気や愛情とは何か”について考えさせられる作品です。今回の放送では、母親像や子育て観への議論、作品の普遍的なテーマに対する多様な視点が話題となり、ますます多くの人に愛される名作としてその存在感を示しました。細田守監督の最新作、そして金曜ロードショーの秋のラインナップにも期待が高まります。



