東映「仮面ライダーゼッツ」撮影中、スーツアクター転落事故 ― 安全管理への課題とファンの衝撃
2025年11月6日、東映が製作を手がける人気特撮ドラマ『仮面ライダーゼッツ』の撮影現場で、スーツアクターがアクションのリハーサル中に高さ約2〜2.5メートルから転落し、頭蓋骨骨折などの重傷を負う事故が発生しました。この事故は早朝、群馬県前橋市のスポーツ施設内で起こり、事故当時は作品の要ともいえる大切なアクションシーンの準備が進められていました。特撮ファンや関係者に大きな衝撃を与える出来事となり、改めて現場の安全管理体制の重要性が問われています。
事故の詳細―現場に何が起きたのか
事故が起こったのは2025年11月6日午前8時頃、群馬県前橋市のスポーツ施設内です。同日、東映の公式発表によると、スーツアクターの鍜治洸太朗さん(30歳)は、ワイヤーで吊られた状態から壁を蹴るなどのアクション演技のリハーサルに臨んでいました。しかし、何らかの理由で安全装置が外れた結果、2〜2.5メートルの高さから転落し、頭部を強打しました。すぐに救急搬送されましたが、診断の結果は「頭蓋骨骨折」を含む重傷で、現在も入院治療を受けており、およそ2週間の加療が必要とされています。
現場の安全管理体制への波紋
今回の事故を受け、東映は撮影を直ちに中断し、事故発生時の状況把握と原因究明を本格的に開始しました。さらに、安全管理体制や撮影手順の全般的な再点検を行うことを発表しました。今後同様の事故を防ぐために、再発防止策の徹底を図ると強調しています。
東映は「負傷された鍜治洸太朗さんにお見舞い申し上げるとともに、関係者・視聴者の皆様にご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」とする謝罪コメントを発表しました。また、これまでにも度々話題となった特撮作品現場のアクションシーンにおけるリスクや安全への取り組みが、改めて議論を呼んでいます。
『仮面ライダーゼッツ』とは
『仮面ライダーゼッツ』は、令和仮面ライダーシリーズ第7作目にあたる特撮ドラマであり、テレビ朝日系列で毎週日曜朝9時30分に放送されています。作品は、「普通の青年が夢の中で“無敵のエージェント”となり、悪夢の怪人“ナイトメア”から人類を守る」という斬新な設定で、放送開始直後から高い注目を浴びています。特に、仮面ライダー史上初となる胸部に装着する変身ベルト“ゼッツドライバー”は、ファンの間でも大きな話題となっています。
今回事故に遭った鍜治洸太朗さんは、劇中で主人公の変身後キャラクターを演じる主要なスーツアクターの1人であり、体を張ったアクションや繊細な演技がこれまでも高い評価を受けてきました。
特撮現場のリスクと安全対策
特撮やアクションが魅力の番組制作には、危険をともなうスタントワークが欠かせません。ワイヤーアクションや高所からのジャンプ・飛び降りなど、身体的なリスクは常に隣り合わせです。現場では、厳格な安全管理体制や事前のリハーサル、安全装置のチェックが徹底されていますが、わずかな不具合や人的ミスが重大な事故へ直結しうるという現実も改めて浮き彫りになりました。
今回の事故では、「なぜ安全装置が外れたのか」「どのような手順でリハーサルが行われていたのか」など、今後の原因究明と対策に向けた詳細な検証が不可欠です。特撮業界全体にとっても、安全対策の再点検と技術・知識のアップデートが強く求められています。
ファンや業界への影響
事故のニュースが伝わるや否や、全国の特撮ファンや関係者、出演者の家族・知人から心配の声や励ましのメッセージがSNS・各種メディアで相次ぎました。近年スーパー戦隊シリーズの終了など、業界内で人員と安全面の問題が重なっていたこともあり、ショックとともに大きな波紋が広がっています。
- ファン:「アクションの凄さも大好きだけど、何よりも出演者とスタッフの安全が一番大切。養生して無事復帰してほしい」
- 業界関係者:「現場は常にギリギリのスケジュールと予算で動いている。業界全体で安全にコストと時間をかけることが今後の課題です」
なお、東映は事故による放送予定への影響はないと現時点で発表していますが、スーツアクターの負傷や現場環境の検証次第では、制作体制などに何らかの変更が生じる可能性も否定できません。
今後への視点と再発防止策
今回の事故を受け、今後東映のみならず日本のエンターテイメント業界全体で、安全管理のあり方が改めて見直される必要があります。スタントやアクションシーンは作品の魅力と切っても切り離せない存在ですが、現場全体の安全教育と最新技術の導入、安全装置の定期点検、そして現場スタッフ全員の徹底した意識づけが求められます。
視聴者の皆さまにおかれても、作品の裏側に潜む俳優やスタッフの努力と危険を理解し、労いと感謝の気持ちを持ち続けていただければ、現場にとって何よりの支えとなるでしょう。また、東映による今後の原因究明報告や対策の進展にも、是非とも注目していただきたいと思います。
まとめ
- 2025年11月6日、前橋市の撮影現場でスーツアクターが約2〜2.5メートルから転落し頭蓋骨骨折の重傷。
- 事故発生を受け、東映は謝罪とともに安全管理体制の徹底・再発防止策を発表。
- 作品および業界への影響、ファンや関係者の反響も大きい。
- 今後、特撮業界全体の安全対策強化が重要な課題となる。
『仮面ライダーゼッツ』は引き続き放送予定ですが、今後も関係者の皆様が安全に、そして作品の素晴らしさを安心して届けられる現場づくりがなされることを期待します。



