いのち会議が「103のアクション」を発表

2025年10月11日、大阪・関西万博会場内にて「いのち会議」が「いのち宣言」および「アクションプラン集」を発表した。この発表は、いのちを「かんじる」ことをテーマにした様々なアクションプランの一環であり、特に「アートを通じていのちを感じ、誰もがもつ慈しむ心を引きだそう」という宣言に基づいている。関心のある方は、ぜひお問い合わせを。

アートが育む創造力と想像力

アートに触れることは、困難な状況を乗り越え未来を切り開く「創造力」と、他者や社会に対する思いやりを育む「想像力」を育てるとされている。人類とアートの関係は、南アフリカのブロンボス洞窟の幾何学文様(約7万3000年前)や各地の洞窟壁画にまで遡ることができる。アートは有史以前から人類の営みに寄り添い続けてきた存在であり、現代においても都市や社会の再生に寄与している。

日本では、瀬戸内海沿岸地域におけるアートによる活性化が注目されている。海外では、オーストリアのリンツが1979年に文化・芸術機関「アルス・エレクトロニカ」を創設したことを契機に、未来志向の創造都市として評価されている。また、スペインのビルバオでは、1997年に開館した「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」が、荒廃した都市を活性化し、観光客を呼び込む成功事例となった。

アートの力を信じて

大阪関西国際芸術祭実行委員会は、「アートの力」を信じ、より良い未来社会の創造に活かすことを目指している。2022年からは「アート×ヒト×社会の関係をStudy する」ことをテーマに「Study:大阪関西国際芸術祭」をプレ芸術祭として3回開催し、2025年には大阪・関西万博と連携し、25の国と地域から100組以上のアーティストが参加する「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」を開催する予定だ。

本芸術祭は、文化振興にとどまらず、クリエイティブ・エコノミーを次代の基幹産業として捉え、スタートアップ向けのビジネスコンテストや支援プログラム「StARTs UPs」を実施し、新たな雇用や事業創出にもつなげている。また、日韓国交正常化60周年を記念し、国際アートフェア「Study × PLAS: Asia Art Fair」を開催し、多様なアートの交流の場を実現した。

未来への展望

いのち会議は、アート、サイエンス、テクノロジー、人類学などの知恵を再統合し、地球規模で未来を構想するシンポジウム「Study× PLAS Meeting」も開催しており、今後は「Study:大阪関西国際芸術祭」を発展的に継続し、大阪を国際芸術都市へと育てることを目指している。琵琶湖から淀川流域、瀬戸内までを「関西アート&バイオリージョン」として世界に発信する構想も掲げている。

終わりに

いのち会議は、自然と調和する持続可能な社会を実現するため、アートが育む創造力と想像力を社会に活かし、様々な芸術祭の推進組織と協働していく方針である。未来に向けて、アートがもたらす可能性に期待し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進むことを願っている。

・Study:大阪関西国際芸術祭 https://osaka-kansai.art
・大阪関西国際芸術祭 実行委員会 https://osaka-kansai.art/pages/summary#organization
・株式会社アートローグ https://www.artlogue.org