士別で開催!総料理長が伝授する「食品ロスを減らす調理法」講座レポート

2025年11月11日、北海道士別市にて「家庭でできる食品ロス削減調理法」講座が開催されました。本イベントは、地域のホテル総料理長が講師となり、今すぐ家庭で実践できる食品ロスの減らし方や料理術を伝授するもので、食材の無駄を減らしたいと考える多くの市民が参加しました。この記事では、当日の様子と家庭で簡単に始められる食品ロス削減のコツを丁寧にご紹介します。

食品ロスとは?~私たちの暮らしに密接する課題

日本国内で発生する「食品ロス」は、2023年度推計で年間約464万トン。その約半分が、外食や流通ではなく「家庭」から出ていることが大きな特徴です。賞味・消費期限内に食べることができずに捨ててしまう食品や、買い過ぎ・使い切れなかった食材、間違った保存による腐敗などが主な原因です。「もったいない」という気持ちだけでなく、食費やごみ処理コスト、環境への負担(CO₂排出増)にも直結するため、全国的にも関心が高まっています。

講座の内容~ホテル総料理長のコツ満載!

  • 冷蔵庫の在庫確認を習慣にする

    参加者から最も関心を集めたのは「冷蔵庫の在庫管理」。講師の総料理長からは「週に1度は冷蔵庫を一掃する日を作りましょう」とアドバイスがありました。特に、冷蔵庫の奥で忘れられている食材や、少量だけ余った野菜こそ、創作料理の大きなチャンスになるとのこと。実際に、冷蔵庫に残りがちな食材同士を組み合わせた簡単レシピも紹介されました。

  • 「捨てる部分」を調理に活用

    例えば、大根やにんじんの皮、ブロッコリーの茎、ねぎの青い部分など、普段なら捨ててしまうことの多い部位も、きんぴらやスープの具、ふりかけなどに活用できるアイデアを披露。ペットボトルの水少量と一緒に密封袋に入れて冷蔵保存すれば、鮮度も長持ちする工夫なども紹介され、参加者も目から鱗の表情でした。

  • 「余らせない」ための買い物術

    講師は「買い物リストを作成し、冷蔵庫にあるものを優先的に使うことが大切」と強調。特売品やまとめ買いに頼るのではなく、既にある食材を無駄なく使い切ることがフードロス削減の第一歩です。また、一度に多く作ることで保存食やアレンジ料理にも展開できる「作り置きレシピ」の重要性も語られました。

参加者の声と実践例

参加者の多くは「日々の忙しさで、つい食材を余らせてしまいがち。講座で習った在庫管理を実践してみたい」という感想を寄せていました。中には、家族で役割分担を決めて、冷蔵庫一掃メニューを毎週作ることにするという前向きな意見も。「食材が足りなければ何でも買い足す」から「今あるもので何か作る」に意識が変わることで、家計の節約にもつながるといいます。

家庭で今日から始めたい食品ロス削減テクニック

  • 冷蔵庫には見える化シートを!

    冷蔵庫の扉に「在庫管理シート」を貼り、今あるもの・そろそろ使い切りたいものを家族で共有すると「うっかり忘れ」の防止に効果的です。

  • 余りがちな野菜を「冷凍保存」して有効活用

    使い切れない/食べきれない野菜や果物は、下ごしらえをして冷凍庫へ。冷凍すると食感や栄養もキープできるものが多く、必要な時に無駄なく使えます。冷凍野菜は副菜、スープ、弁当のおかずにおすすめです。

  • 皮やヘタもアイデア料理に

    例えば、ブロッコリーの茎で「きんぴら」や、にんじんの皮で「かき揚げ」など、普段捨てがちな部分も工夫次第で主役級のおかずに変身します。

  • リメイクと作り置きのススメ

    残ったカレーはドリアやパスタソースに、余ったごはんはチャーハンや雑炊にリメイク。まとめて調理→保存することで、忙しい時も食品ロスを意識した時短対応が可能です。

子どもと一緒に楽しむ「使い切りクッキング」も人気

秋田市など各地で開催されている「親子クッキング」イベントでは、捨てずに使い切るアイデアを親子で学ぶ活動も広がっています。使い切るのが難しい複数の食材を組み合わせ、ネット検索なしで自由に料理を作るなど、創造力と工夫を育む取り組みが好評です。食材の無駄をなくしながら、家族で楽しく食卓を囲む習慣作りにもつながっています。

家庭で食品ロスを減らして、地球にやさしい未来へ

食品ロスはわたしたちの毎日の「少しの工夫」で減らせる問題です。冷蔵庫の在庫確認、捨てる部分の活用、上手な冷凍保存に加え、買い物ルールや作り置きなど、気軽に始められる手段がたくさんあります。2025年10月からは「食品ロス削減月間」が定められました。この機会に、“食べ物を大切にする心”を家族みんなで見直し、美味しく・楽しく・無駄なく食卓を囲む日々を大切にしましょう。

  • 「捨てない・余らせない・腐らせない」暮らしを心がけて、食品ロスを減らしましょう。
  • 在庫管理や冷凍保存など、できることから実践してみましょう。
  • 子どもといっしょに食材を使い切る習慣作りもおすすめです。

参考:よくある食品ロス削減レシピや保存法

  • 野菜の皮や茎で作るきんぴら・スープ・だし
  • 余ったパンで作るフレンチトーストやパン粉
  • 冷凍野菜と組み合わせたカレーやシチュー、炒め物
  • 常備菜や作り置きで食材を計画的に消費
  • 食材ごとの正しい保存方法と期限の見極め

まとめ

食品ロス削減は、家庭のちょっとした工夫の積み重ねから。冷蔵庫の管理や余り物の活用など、日々の暮らしに役立つ知識やアイデアを取り入れて、楽しく「もったいない」を減らしていきましょう。地域や家庭でのこうした実践こそが、未来の地球環境や暮らしの豊かさを守る一歩になります。

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