ドジャース世界一!直後にナイキが“トロント挑発”新CMを公開 賛否巻き起こるケンドリック・ラマー楽曲起用の衝撃
2025年11月1日、北米最大の野球の祭典、ワールドシリーズ(WS)第7戦がトロントで開催され、ロサンゼルス・ドジャースが劇的な逆転勝利を収め、2年連続9度目の世界一に輝きました。日本人メジャーリーガーとして注目された大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)、佐々木朗希投手(23)が所属するドジャースは、延長11回の末にトロント・ブルージェイズを5-4で下し、歓喜の瞬間を迎えました。
この熱狂冷めやらぬ直後、世界的スポーツブランド・ナイキが公開した一本の新CMが大きな波紋を広げています。CMのテーマは「I Love LA」。ロサンゼルスの誇り、勝利の喜びを描く華やかな映像の中で流れるのは、カリフォルニア出身のラッパー ケンドリック・ラマーの楽曲「Squabble Up」。しかし、この選曲こそが、単なる祝勝ムードにとどまらない“意味”を持っていました。
ドジャース快進撃と日本人選手たち
- ドジャースはブルージェイズとの激戦を制し、2年連続9度目のワールドシリーズ制覇。
 - 大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希といった日本を代表する投手陣が中心的な役割を果たし、日本国内外からも大きな注目を集める結果となった。
 - 試合はトロントで開催され、地元ブルージェイズおよびカナダのファンにとっては惜敗となった一方、ドジャースサイドは祝福のムード一色に包まれた。
 
ナイキが公開した新CM「I Love LA」―映像と楽曲の意味
- 試合終了直後、ナイキは公式SNS(X/旧Twitter)で新CM「I Love LA」を公開。
 - 映像では、山本、佐々木など活躍するドジャース選手のプレーが立て続けに映し出されている。
 - 前年の優勝時には、ロサンゼルスに縁深いシンガーソングライター、ランディ・ニューマンの定番曲「I Love LA」が使用されていたが、今回はケンドリック・ラマーの「Squabble Up」をフィーチャーしたリメイク版となった。
 
なぜケンドリック・ラマーなのか―“対ドレイク”の裏事情
今回のCMで使用された「Squabble Up」のアーティスト、ケンドリック・ラマー(38)は、アメリカを代表するヒップホップスター。彼はここ最近、カナダ出身で世界的な人気を誇るドレイク(39)と激しい“ビーフ”(対立/舌戦)を展開し、ヒップホップ界の最大の話題となっていました。
そのドレイクこそ、トロント出身で、ブルージェイズの熱狂的ファンであることでも有名。アーティスト同士の因縁の構図が、「ロサンゼルス対トロント」という図式に奇妙な形でリンクすることとなり、アメリカ・カナダ両メディアやSNSでは「野球のラマー対ドレイク」とも揶揄される騒ぎになっています。
「クラッチ・ポインツ」など米スポーツメディアは、「ナイキとドジャースはワールドシリーズ終了後、ケンドリック・ラマーをテーマにしたこのCMで、トロント(=ドレイクの本拠地)に矛先を向けた」と意図的な“挑発”の可能性を指摘しました。
CM公開の狙いと反響
- ナイキは「ロサンゼルスの街とドジャースの勝利を祝福するメッセージ」としてCMを制作・公開したと説明。
 - しかし、選曲・タイミングを踏まえ「ロサンゼルス対トロント」「ラマー対ドレイク」と、ダブルミーニング的に語り継がれることとなった。
 - アメリカだけでなくカナダや日本でも、この「トロント挑発的」なCMは一気に話題となり、SNS上では様々な意見が拡散。
 - 「野球ファンとラップファンが同時に盛り上がる今年最高の瞬間」「野球の伝統と現代カルチャーの融合だ」など肯定的な声もあれば、「対立や挑発をCMで強調する必要はないのでは?」という冷静なコメントも見られた。
 
ケンドリック・ラマー×ドレイクの“ビーフ”とは
ここで、より理解を深めるために“ビーフ”の経緯を簡単におさらいします。ケンドリック・ラマーとドレイクは、双方が世界トップクラスのラッパーとして音楽ランキングでしのぎを削る間柄。ここ数年、楽曲やSNS等を通じて互いを揶揄する歌詞やコメントを繰り返し、ファンやヒップホップカルチャーの中で「ケンドリック派」「ドレイク派」と熱狂的な支持層を生み出してきました。
ナイキがトロントでドジャース世界一の祝賀CMをあえてケンドリック・ラマーの曲で流したことは、この“音楽界の頂上決戦”がスポーツの舞台、その中でも因縁浅からぬ「トロント」で、新たな文脈として話題となる理由となりました。
ナイキとカルチャー戦略、ブランドイメージの今後
ナイキはこれまでも、時代ごとのスター、話題の人々を起用することでブランドイメージを強化してきました。今回は人気絶頂のケンドリック・ラマーを起用したことに加え、「トロント=ドレイク」という相関図を見越しつつ、ドジャース勝利というタイミングで“話題性最優先”の戦略を実行したと考えられます。
- ドジャース優勝とダイレクトなリンクで大きな話題化に成功。
 - 賛否両論の“挑発的”CMによる意図的バズを生み出し、若年ファン層への訴求やブランド認知向上を狙った。
 - 一方で、ナイキブランドとしての「フェアプレー」「中立性」「スポーツマンシップ」など、本来大切にしてきた価値観とのバランスも議論されている。
 
ファン・メディア・業界の反応
- ドジャースファン、ロサンゼルス市民は「LAの誇り」「米音楽界・スポーツ界の最強コラボ」と絶賛。
 - ブルージェイズファンやトロント現地メディア、カナダの一部ファンからは「少々刺激的すぎる」「自国への挑発」との受け止めも。
 - 「ラップ▲野球」「東西スター対決」という切り口から、エンタメ総合、音楽専門誌、スポーツメディアまで幅広く特集。
 - 「ブランド宣伝として完璧」「炎上商法でなく、時代の共感を狙った戦略」との評価も見られる。
 
スポーツと音楽カルチャー、偶然の“同期”が生んだ熱狂の行方
2025年秋、スポーツと音楽カルチャーが歴史的に交錯し、多くの人々を熱狂させたワールドシリーズ後のナイキCM騒動。アメリカとカナダ、MLBとヒップホップ、そしてケンドリック・ラマーとドレイクという異なる文脈が重なった特異な瞬間は、今後のスポーツ×カルチャー広告における一つの転機となりそうです。
今後も、スポーツの大舞台でどんなカルチャー的仕掛けやサプライズが繰り広げられるのか、多くのファンが注目し続けることは間違いありません。
まとめ:今回の出来事が意味するもの
- ドジャースの連覇と日本人選手たちの活躍、ナイキCMによる新たな話題の創出。
 - ケンドリック・ラマーの選曲によるドレイク=トロントへの挑発的な演出がファンの論争を呼ぶ。
 - スポーツ×音楽のコラボによる広告展開の拡がり、今後の広告・カルチャー戦略に一石を投じる出来事となった。
 

            
