福岡ソフトバンクホークスが「台湾の158キロ精密機械」徐若熙の獲得調査を本格化
福岡ソフトバンクホークスが、台湾プロ野球・味全ドラゴンズのエース右腕・徐若熙(シュー・ルオシー、24歳)投手の獲得調査に乗り出したことが、2025年10月30日付で明らかになりました。徐投手は「158キロの速球」を誇る台湾を代表する先発投手で、2023年には台湾シリーズMVPを受賞するなど、国内外から大きな注目を集めています。3連覇を目指すホークスにとって、今季限りで退団した西武・菊池雄星をはじめとした先発ローテーションの穴を埋める重要な補強候補として、獲得への本格的な動きが注目されています。
徐若熙投手とは?
徐若熙投手は台湾プロ野球界で「竜の子」と呼ばれる右腕投手です。2023年シーズンには台湾シリーズでMVPに選ばれ、その年に158キロの速球を記録。奪三振率が非常に高く、精密なコントロールと多彩な変化球を持つ“精密機械”と評される逸材です。2025年シーズンの成績は5勝7敗ながら、防御率は2.05と安定感のある投球を見せており、台湾プロ野球でもエース格の評価を受けています。
若い頃から海外でのプレーを夢見ていたものの、当初は実力や体格面で自信が持てず、夢を胸の内に留めていたと本人も語っています。しかし、今季は調子が悪い時でも体調を調整する術を身につけ、海外でのプレーを決意。自身の成長を実感したことが、今回の海外移籍申請の大きな理由とされています。
ソフトバンクホークスの獲得戦略
ソフトバンクホークスは、2025年シーズンをもって濱口遥大投手や村田賢一投手、板東湧梧投手など複数の投手が球団を退団する見通しとなっており、ローテーションの再編が急務となっています。こうした中、新たな戦力として期待されているのが徐若熙投手です。ホークスのスカウト陣は、2025年シーズン中にも台湾を訪れ、徐投手の投球やキャラクターを徹底的にリサーチしていたとみられています。台湾プロ野球で複数の球団や選手が日本のポスティング制度を利用して日本球界に挑戦した例があることからも、徐投手の来日は現実味を帯びつつあります。
日本球界ではすでに北海道日本ハムファイターズも徐投手の獲得に強い関心を示しており、今後は複数球団による争奪戦が予想されます。ソフトバンクとしては、昨年までメジャーリーグで活躍していた菊池雄星投手が退団したため、先発投手層の厚みを維持し、3連覇を目指すには徐投手のような左腕右投手問わずに対応できる即戦力型投手の補強が不可欠な状況です。
ポスティング制度とは?
徐若熙投手が申請したのは「日本のポスティング制度(海外移籍制度)」です。この制度は、日本のプロ野球でも馴染み深いもので、海外のプロリーグ選手が日本の球団と契約するための仕組みです。台湾のプロ野球では、過去に王柏融投手(現・台鋼ホークス)、古林睿煬投手らが同制度を利用して日本ハムに移籍した実績があります。今回、徐投手が同制度を通じてどの球団と契約するのか、また契約金など交渉の行方が大きな注目を集めています。
味全ドラゴンズの丁仲緯GMは、徐投手の海外移籍申請を「チームへの貢献に感謝し、本人の夢が叶うことを願っている」とコメント。球団としても徐投手の活躍を応援する姿勢を見せており、円満な移籍環境が整いつつあります。
徐投手のコメント
徐若熙投手は「来季どの球団で投げることになっても、絶対に手を抜かない」と意気込みを語っています。また、「若い頃から夢だった海外でのプレー。今までは自信がなかったが、今シーズンの経験で投球や体調管理のコツを学び、海外でも通用する力があると感じるようになった」と自身の成長を強調しています。この言葉からも、新天地でのさらなる活躍を目指す強い意思が感じられます。
今後の展望
徐若熙投手の来日が実現すれば、日本のプロ野球ファンにとっても大きな話題となるでしょう。ソフトバンクホークスが獲得した場合、千賀滉大や石川柊太に続く「速球派右腕エース」として、3連覇を目指すチームの柱となる可能性が高いです。
一方で、日本ハムなど他球団も獲得に動いており、今後の交渉次第ではどの球団のユニフォームを着るのか不透明な部分もあります。また、徐投手の獲得が決まった場合、台湾プロ野球からの日本人選手の受け入れ拡大や、アジア全体のプロ野球界の活性化にもつながるとの期待も高まっています。
ファン・関係者の声
ソフトバンクホークスのファンからは「速球派右腕の獲得は歓迎」「3連覇に向けて、ぜひ加入してほしい」といった期待の声が多く寄せられています。一方、味全ドラゴンズの監督や関係者からも「長年の努力に感謝。今後も成長を祈っている」と温かいメッセージが届いています。
まとめ
福岡ソフトバンクホークスが、台湾プロ野球随一のエース投手・徐若熙の獲得調査を本格化させています。158キロの速球と精密なコントロール、奪三振率の高さを武器にした“台湾の精密機械”が、日本の舞台でどんな投球を見せてくれるのか。今後の動向から目が離せません。



