2026年用 年賀はがき販売開始 ― 全国で7.5億枚、前年比約3割減 少子高齢化とデジタル化の波の中で
年末の風物詩、2026年用年賀はがきが全国一斉販売スタート
2025年10月30日、全国の郵便局で2026年用年賀はがきの販売が一斉に始まりました。今年も日本中の郵便局で、記念イベントやセレモニーが開催され、多くの人々が新年への想いを込めてはがきを手に取る姿が見られました。
福岡の郵便局では、地元の幼稚園児たちが可愛らしい踊りでPRを担当し、札幌中央郵便局では、地域限定デザイン「シマエナガ」年賀はがきの登場も話題となりました。長崎では、JリーグV・ファーレン長崎のマスコット「ヴィヴィくん」が一日郵便局長を務め、販売開始を盛り上げました。
販売枚数は過去最低水準 ― 前年比3割減の約7.5億枚、その背景
- 販売開始日:2025年10月30日(木)午前9時
- 発行枚数:7億5,000万枚(前年の10億7,000万枚から約3割減)
- 販売期間:2025年10月30日~2026年1月9日
- 価格:1枚85円
- 受付期間:2025年12月15日~12月25日に投函で元旦配達対象
- 特徴:全券種でFSC認証紙を採用し、環境に配慮
今年の発行枚数は約7億5,000万枚となり、これは前年から3億枚以上、実に約30%の大幅減となります。年賀はがきの発行数が前年から減少するのはこれで15年連続であり、販売枚数は昭和期と比べても大きく減少しています。
その主な要因は、スマートフォンやSNSなどのデジタルコミュニケーションの普及による年賀状離れ、少子高齢化による家族・友人間の繋がりの変化、また昨今の環境意識の高まりと相まって、無駄な資源消費への配慮などが挙げられます。
今年だけの特別なデザイン・限定商品も話題に
- 全国共通デザインには来年の干支「馬」や地元の歴史・文化を反映した図案が採用
- 郵便局限定でムーミン、スヌーピー、サンリオといった人気キャラクター年賀状も販売開始
- 北海道限定「シマエナガ」年賀はがきなど、地域色豊かなラインナップ
- 特別な寄付金付きデザインや環境配慮型のFSC認証紙の採用
デザインの多様化も今年の大きな特徴です。全国版として来年の干支「馬」のほか、地域ごとの歴史的建造物や文化が年賀はがきにあしらわれ、受け取った方が楽しめる内容となっています。
また郵便局限定で、ムーミン・スヌーピー・サンリオなどのキャラクターものや、ご当地限定デザインなど、コレクション性の高い紙面も一層充実。
北海道では「シマエナガ」デザインが好評で、地元だけの特別感も人気を呼んでいます。
手書き年賀状の価値と、続く文化転換
年賀状は古くから「年始の挨拶」として日本の正月文化に根ざしています。手書きで近況や感謝を伝え合うこの文化は、高齢世代からは「家族の団らんのきっかけ」「届いた年賀状を楽しみにする習慣」として今も大切にされています。
若年層の間では年賀状離れが加速していますが、一方で「手書きならではの温かみ」「紙でしか伝わらない気持ち」「お年玉くじなどの楽しみ」など、デジタル時代にも根強い支持があり、毎年新しい工夫や試みによって文化の継承が行われています。
環境配慮への新たな一歩
今年の年賀はがきでは、日本郵便が全券種でFSC認証紙を採用しました。これは森林の適切な管理を証明する国際的な認証で、年賀状文化を守りつつ持続可能な社会の実現を目指す新しい試みです。
また、特殊印刷やインク使用量など、環境負荷低減への技術革新も続いています。
年賀状の送り方・受付スケジュールと注意点
- 販売開始:2025年10月30日から全国の郵便局・オンラインで購入可能
- 年賀はがきの受付開始:2025年12月15日(月)
- 元日に届かせたい場合:12月25日(木)までの投函が目安
- 記入時は郵便番号・住所・氏名は正確かつはっきり記載
- お年玉付き年賀はがき:2026年1月中旬に抽選
年賀はがきの正式受付は2025年12月15日から始まります。
「元日に必ず届けたい」場合は、12月25日までの投函が推奨されています。
年末は混雑するため、できるだけ余裕をもった準備ご投函が安心です。
現場の声:PRイベントやインタビューを通じて
販売開始イベントでは、地元の名士や有名人、園児たちが郵便局を盛り上げました。「年賀状が届くのが家族の楽しみ」「手書きで近況を報告できる機会」「ポストに取りに行くのが新年の喜び」といった声が多く寄せられています。
また、V・ファーレン長崎の「ヴィヴィくん」が一日局長を務めるなど、郵便局の取り組みも多彩です。
各地の郵便局では、地域限定デザインや記念品、イベント開催など、年賀はがきを巡る地域の新しい交流も広がっています。
デジタル時代のなかで見直される年賀状の意義
LINEやメール、SNSで新年の挨拶が一般化する中、「手書きの年賀状」ならではの良さが再評価されつつあります。毎年減少傾向にあるとはいえ「大切な人には特別な一枚を届けたい」「親世代から子へ、手書き文化の大切さを伝えたい」―そんな声は根強く残っています。
郵便局でも「想いをカタチにして届けて」というスローガンで、手紙文化継承への新しいキャンペーン活動にも力を入れています。
今後の見通しと課題
- 販売枚数・利用者数の減少傾向が今後も続く見通し
- 時代に合わせた新商品の開発や、デジタル×紙ハイブリッドの模索
- 高齢者や外国人を含む幅広い利用層への配慮・サービス強化
- 持続可能な紙文化と環境配慮を両立する新しい年賀状のあり方
日本独特の習慣として、今なお多くの利用者がいる年賀はがきですが、デジタル時代における新たな役割や運営方法、そして持続可能な文化の継承が今後の課題となっています。
毎年販売が減少する一方で、家族や友人に「手書きで伝える喜び」を大切にしたいと考える人々にとって、年賀はがきは新しい価値観を生み続けています。
まとめ ― 今年の年賀はがき、その魅力と未来
- 2026年用年賀はがきは10月30日から全国発売(オンライン含む)
- 発行枚数は過去最低、前年比約3割減の7億5,000万枚
- 多彩なデザイン・地域限定・キャラクター年賀状など新商品も充実
- FSC認証紙を全券種採用し、時代に応じた環境配慮型の取り組みも推進
- 投函は12月25日までが元旦配達の目安
- 紙で想いを届ける文化は、形を変えながら続いていく
新しい年のはじまりに、あなたも大切な人へ、心を込めて手書きの一枚を送ってみませんか。時代が移ろう中にあっても、年賀はがきには「紙でしか伝えられない想い」が詰まっています。不易流行を体現する日本の年賀はがき―その温もりを、2026年もぜひ味わってください。



