ドナルド・トランプ米大統領、日本訪問を終え韓国へ:歴史的なアジア外交の最前線
トランプ大統領、3日間の日本滞在を終え韓国へ出発
2025年10月29日、ドナルド・トランプ米大統領は3日間にわたる日本滞在を経て、次なる訪問国である韓国へと出発しました。専用機エアフォース・ワンは朝、羽田空港から離陸し、韓国で開催される「APEC・アジア太平洋経済協力会議」に出席するため慶州へ向かう日程となっています 。
日本滞在中の主な動き
- 10月27日:天皇陛下との会見を実施。
- 10月28日:高市早苗首相との日米首脳会談、迎賓館での栄誉礼及び儀じょう。日米ワーキングランチ後、マリーン・ワンにて米海軍横須賀基地を訪問し、空母ジョージ・ワシントン艦内で両首脳が演説。
- 10月29日:韓国へ移動、大統領専用機で羽田から離陸。
この間、両首脳は日米同盟のさらなる強化とアジア地域の安定に向けた協力を確認しています。高市首相は「日本の防衛力を抜本的に強化し、平和と安定へ積極的に貢献」と述べ、トランプ大統領は「日米同盟は強固なもの。日本に必要な時には助けになる」との決意を示しました 。
出発前、話題となった「高市首相と腕組み歩く写真」
トランプ大統領は日本滞在終盤に、首相官邸前で高市早苗首相と腕を組み歩く写真を自身のSNSに投稿。親密な連携や日米関係の強固さを象徴するショットとして、国内外の話題となりました。この行動は、両国首脳間の信頼関係をアピールする狙いがあったとみられます 。
韓国到着後の動き:米韓・米中首脳会談の行方
羽田空港を出発したトランプ大統領は、すぐに韓国・慶州で開催されるAPEC 首脳会議への出席とともに、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領との首脳会談に臨みます。今回の訪韓は、2019年以来となり、両国関係の強化やアジア地域の課題解決へ向けた外交が注目されています 。
- 29日午後:李在明大統領との米韓首脳会談(2回目)。
- 30日:中国の習近平国家主席との米中首脳会談。主な議題は貿易、違法薬物対策、北朝鮮問題など多岐にわたり、アジア太平洋の安定化を目指す取り組みが展開される予定です 。
韓国側の受け入れ準備と警備体制
トランプ大統領の来韓に合わせて、韓国国内では厳重な警備体制が敷かれています。慶州市では全国から警察官が動員され、要人滞在ホテル周辺や湖では特殊機動艇による警戒・水中監視が実施されています。APEC開催前から厳戒態勢となることで、主要首脳の安全確保に最大限の配慮がなされています 。
米韓首脳会談の焦点
慶州で行われる米韓首脳会談では、次のようなテーマが話し合われる見通しです。
- 関税交渉:3500億ドル規模の対米投資金運用、収益配分などを巡り意見交換。
- 韓米同盟の現代化:軍事・経済の両面から連携を強化するための具体策が検討されます。
- 北朝鮮非核化問題:朝鮮半島の平和実現に向けた協調、南北関係の進展においてアメリカの関与と支援の在り方が協議されます 。
この2カ月間で米韓首脳が相互に訪問するという異例の頻度からも、両国が地域安定や経済連携を最優先課題としている様子がうかがえます。
アジア太平洋外交の今後
10月30日には米中首脳会談が控え、APEC首脳会議の場を活用した多国間交渉の行方が注目されています。トランプ大統領と習近平主席の会談は、関税や通商問題に加え、違法薬物対策、環境問題など幅広い分野での進展が期待されています。
一方、韓国大統領は朝鮮半島の平和的統一に向けて「ピースメイカー」としてトランプ大統領の積極的な外交主導を要請しており、米韓両国が北朝鮮政策においてどのような役割分担を果たすのか注目が集まります 。
日本・韓国・米国をめぐる東アジア外交の意義
今回のトランプ大統領アジア歴訪は、日米・米韓の連携強化と同時に、北東アジアの安全保障や経済連携が新たなステージに入る象徴的な一幕と言えるでしょう。高市首相との厚い信頼関係、李在明大統領との活発な対話、中国との外交的な駆け引きなど、東アジアの平和と安定に向けた外交の最前線が展開されています。
また、日本での滞在時に見られた首脳同士の親密な交流や、防衛・経済協力に関する明確な意思表示は、今後の国際政治の方向性を示唆するものです。韓国での首脳会談や多国間協議でも、トランプ大統領がどのようなイニシアティブを発揮するか、各国政府・国際社会はその一挙手一投足に鋭く注目しています。
まとめ:トランプ大統領のアジア歴訪がもたらす波紋
2025年10月のトランプ大統領による東アジア歴訪は、日米・米韓・米中の首脳外交を活性化させ、東アジアの国際秩序や地域安全保障、経済連携に新たな一歩を刻みました。日本滞在中に築かれた高市首相との厚い絆、韓国訪問で見せる外交的手腕。そして中国との交渉によって、アメリカのリーダーシップが今この地域でどのような影響力を持つか、その全容が明らかになろうとしています。
今後もトランプ大統領のアジアでの動向、各国首脳との協議の成果、そして安全保障・経済の各分野でどのような変化がもたらされるのか、引き続き注視していく必要があります。



