高市早苗首相、鳥インフルエンザ拡大防止に緊急指示 ― 最新発生状況と防疫対策の現場
鳥インフルエンザ最新発生状況 ― 北海道で養鶏場・野鳥で確認
2025年10月21日、北海道道内の養鶏場において高病原性鳥インフルエンザの疑い事例が発生しました。採卵鶏約46万羽を飼養する農場で多数の鶏が死亡し、簡易検査でA型インフルエンザの陽性反応が確認されました。判定結果は翌22日午前に確定予定であり、北海道当局は速やかに防疫措置を開始する方針です。加えて、今シーズン初めて野鳥(オオタカ)における高病原性鳥インフルエンザも北海道苫小牧市で確認されています。これら発生事例を受けて環境省は全国の対応レベルを「対応レベル2」に引き上げ、野鳥の監視体制を強化しています。
高市首相の迅速な防疫指示と国の対応
発生情報を受けて高市早苗首相は21日、防疫措置の徹底を関係各省庁に迅速かつ徹底的な対応として強く指示しました。これにより、国・自治体が連携し、感染拡大防止策の即時実施や養鶏場・周辺農場の消毒、感染区域の鶏や卵の移動制限など、被害の抑制を目指しています。
- 発生農場から半径3km以内は移動制限区域とされ、9万羽以上を飼養する農場も同様の措置対象となっています。
- 半径10km圏内は搬出制限区域となり、合計54万羽以上の鶏に感染確認待ちの措置が取られています。
- 環境省は野鳥重点監視区域を設定し、野鳥からの感染拡大リスクに備えています。
このような動きは、昨今の世界的流行が日本にも波及するリスクを踏まえての、政府主導の迅速対応となっています。
自治体・現場での防疫演習 ― 未経験者も加わり有事対応
鳥インフルエンザ流行シーズンを前に、各都道府県では防疫演習が行われています。特に未経験職員も多く参加し、有事に備えた体制整備が進められています。防疫演習では実際に発生した場合を見据え、
- 発生農場の出入り管理と鶏の殺処分シミュレーション
- 消毒作業、感染拡大の抑制方法徹底
- 獣医師や保健衛生所職員による発症鶏検体の採取・搬送訓練
- 野鳥監視活動や住民への迅速な情報提供訓練
など、現場での対応力向上に重きが置かれています。鳥インフルエンザ発生時は初動の遅れが感染拡大につながるケースがあるため、行政・現場職員全てが連携して動ける体制づくりが急務となっています。
養鶏農家への呼びかけ ― 日常管理の徹底と消毒の強化
北海道当局や環境省は、養鶏農家に対し飼養衛生管理基準の遵守を改めて強く呼びかけています。
- 農場内外の消毒作業の徹底
- 野鳥の侵入防止ネット等の設置
- 鶏舎の出入り関係者の健康管理・靴や衣服の消毒
これら基礎管理の徹底によって、感染拡大を防止し生産現場を守る姿勢が強調されています。また、異常が確認された際には速やかな通報と協力体制が不可欠です。
野鳥監視の強化と市民への注意喚起
今シーズンは海外渡り鳥が飛来する9月頃から鳥インフルエンザの侵入リスクが高まっています。環境省は野鳥サーベイランス(監視活動)を強化し、全国の監視重点区域で異常事例の即時報告体制を敷いています。
- 市民に対し、衰弱・死亡した野鳥等には不用意に触れないよう注意喚起
- 外出から帰宅した際の石けんによる手洗いなど、日常的な感染予防措置の励行
- 発生地域に渡航する場合は養鶏場や鳥取引市場などへの接触回避を推奨
感染リスクを軽減するためにも、地域住民・関係者の意識向上が求められます。また、ペットや動物園の飼育鳥類に対しても防疫対応が強化されており、傷病鳥類の受け入れ休止など市民協力への呼びかけも広がっています。
鳥インフルエンザとは ― 感染経路と人体への影響
鳥インフルエンザとは、鳥類が主に感染するウイルス性疾患で、時折高病原性(H5亜型等)のものが発生し、大量死や家禽(飼養鳥類)への甚大な被害が生じます。野鳥を介して感染が拡大することが多く、人間にはまれに感染しますが、基本的には口や鼻、目などの粘膜からウイルスが侵入します。特に死んだ鳥や糞との接触はリスクとなります。
- 現時点で国内の哺乳類(キツネ等)での感染が確認されるケースがありますが、人への感染事例は限定的です。
- 一般市民は発生地域周辺で鳥やその排泄物に触れず、洗手などの衛生管理を徹底することで感染拡大を防げます。
また、家きん業者の感染事例は現状報告されていませんが、世界的にはヒトでの発症例もあり、引き続き警戒が必要です。
防疫体制の今後と市民へのメッセージ
今後も、鳥インフルエンザ発生に迅速対応できるよう、国・自治体が連携した監視体制と初動対応力の向上が重要です。専門家からは「鳥インフルエンザは野鳥や家きんを脅かすだけでなく、経済・社会生活にも影響を及ぼすため、市民一人ひとりの協力が不可欠」との声が上がっています。
- 発生情報があれば正確な情報に触れ、風評やデマに惑わされない冷静な対応を心がけましょう。
- 日常の衛生管理を徹底し、野鳥や家禽の健康管理にも注意を払いましょう。
- 疑わしい状況を発見した場合は、すぐに地域保健所へ連絡するようにしましょう。
高市首相・自治体・現場職員・市民が一丸となって、今後も鳥インフルエンザ拡大防止に努めていくことが求められています。