東京都・日本橋――なぜタワーマンションはこれほど高騰し、人気が集まるのか?

日本橋、東京湾岸エリアで起きている“タワマン高騰”現象とは

2025年現在、東京都内にはタワーマンション(タワマン)が497棟存在し、そのうち全国の3分の1が集中する状況となっています。特に注目を集めているのが中央区の日本橋エリア。ここでは、かつては8000万円台だった価格が今では2億円弱まで跳ね上がった物件も珍しくありません。

なぜこれほどまでに価格が高騰し、それでも買い手が途絶えないのでしょうか。住民・購入者たちが語るその理由、マーケットの最新事情、そして今後の展望をやさしく解説していきます。

タワーマンション集中の実態とマーケットの動き

2025年10月現在、都内のタワマン497棟のうちの多くが、中央区や港区といった「超都心」エリアに建設されています。特に日本橋エリアは、再開発や新規大型計画の集中で一気に注目度が増しました。
新築・中古どちらも異例の高値で取り引きされており、周辺の湾岸エリア(晴海・勝どきなど)とともに、都内の不動産市場を牽引する存在となっています。

  • 中央区・日本橋、湾岸部の相場は新築で1000万円/坪超も(平均730〜970万円/坪)
  • これに対し、都心3区(中央区・港区・千代田区)は従来の住宅購入層でも手の届かない価格帯に
  • 1億円を超える価格帯にも関わらず、需要が集中し続けている

なぜ「高額タワマン」でも需要が根強いのか?

  • 資産性・値上がり期待

    タワマン購入者たちが口をそろえるのは、「買った翌年に2倍近く値上がりした」という声。実際、日本橋一丁目の新築タワマン計画では、販売価格が10億円を超えるのは確実とまで言われています。

  • 都心再開発と立地プレミアム

    再開発が次々進み、駅や生活インフラへのアクセスが格段に良くなったことで、都心タワマンの希少性=「資産価値」がさらに引き上げられています。

  • インバウンド・海外投資マネー流入

    中国を中心とした海外投資家が、1棟まるごとまたは複数戸を一括購入し、それをさらに転売・運用する例も頻出。日本の不動産が世界的に割安とみなされていることも背景にあります。

  • ライフスタイル志向の変化

    タワマン住民の交流会では「東京湾を見下ろしながらの生活」「セキュリティ・設備の充実」「眺望プレミアム」といった居住満足度の高さが語られます。物件の希少性だけでなく、都心で得られる体験・利便性そのものが付加価値となっています。

住民・購入者はどう考えている?――タワマン長者たちの“決断理由”

座談会で語られた内容によれば、価格が急騰する中「もっと早く買っておけばよかった」という後悔や、「買った物件が1年で2倍に」「20戸を中国人投資家に転売」など、ダイナミックなエピソードが相次ぎます。

  • 成功体験:「8000万円→2億円弱」への高騰

    例えば晴海や勝どきの人気物件「パークタワー勝どき」では、3年前なら8000万円で買えた部屋が今や2億近くの相場に達しています。購入経験者はそもそも「都内中心部の地価はもっと上がる」という確信を持って“決断した”といいます。

  • エリア人気:「湾岸の生活価値」

    勝どき・晴海の住民たちは「目の前の東京湾を眺める贅沢」に満足感を抱くだけでなく、都内最先端の再開発による利便性強化、防災力や交通アクセスにも魅力を感じています。

  • 投資・転売の視点

    一部住民は「20戸を中国人に転売」といったケースも語り、今や単なる住居を超えた資産運用・投資ビジネスの主戦場になっていることが伺えます。

最新プロジェクト――日本橋一丁目の“10億超え”マンションとは?

2025年秋、日本橋一丁目エリアに登場予定の超高級タワマンは、「10億円を超えるのは必至」と不動産業界で大きな話題になっています。このプロジェクトには、過去の“値上がり益”から更なる投資リターンを求める富裕層の注目が集まるとともに、日本橋そのもののランドマーク化にも強い期待が寄せられています。

  • 開発地:中央区日本橋一丁目
  • 販売価格:10億円以上(予定)
  • 日本の伝統と先端的都市機能を融合させた新たな都市居住モデル

中央区周辺の新築マンション供給動向

湾岸・中央区では今なお新規物件の供給が続いています。たとえば、都営大江戸線「勝どき」駅最寄りのTHE TOYOMI TOWER MARINE&SKYは2025年10月第2期販売予定。最小6,570万円から最高5億円超という幅広い価格帯が設定され、延べ2,000戸超の巨大プロジェクトです。

  • 発売時期:2025年10月下旬(第2期)
  • 価格帯:6,570万円~50,980万円(32.92㎡~136.86㎡)
  • 総戸数2,046戸のうち、1,509戸が一般分譲対象

このように、巨大物件の大量供給にもかかわらず、高額帯ユニットの売行きが好調なことからも、需要の堅調さがうかがえます。

価格二極化のはじまり――中古市場にも波及

日本橋エリアの中古マンション市場も2025年に入って独自の「ねじれ現象」が起きています。例えば東日本橋では、㎡単価は-2.6%と下がっているのに、成約価格は+8.5%上昇。これは「築古低単価物件」と「高額プレミアム新築・築浅物件」の一極化=“二極化”が進んでいる証左です。

  • 売出物件の顔ぶれ(新旧)が変化:築浅・高級物件の取引増加
  • 全体では価格上昇トレンド継続
  • 長期的視点で都心プレミアム性への評価が定着

つまり、今の日本橋マーケットは、「誰もが手放せる相場ではない」が、「資産として所有すればさらなる値上がりが期待できる」局面ともいえます。

資産形成・投資の観点からの日本橋タワマン

  • もはや「住むため」だけではなく、資産防衛・資産形成の手段として国内外の富裕層・投資家が注目
  • 為替・インフレ対策としての保有動機も拡大
  • 日本橋は都心3区の中でも今後の再開発余地多く、「伸びしろ」に期待する声が多い

将来展望――「いつ買うか」「どこまで上がるか」問題

今後も当面は価格の高止まり・上昇トレンドが続くと専門家・市場プレーヤーは見ています。供給がいずれ頭打ちになるエリアでもあり、「投資タイミング」「所有する価値」への議論はより熱くなりそうです。

  • 再開発進行で価値増(例・日本橋再開発第●街区、2027年商業施設開業予定など)
  • 一部では「高騰しきった」「調整局面近い」との見方も—ただし需給バランスで高値維持がベース
  • 高額帯物件の入居者層は、都心回帰・インバウンドマネーで拡大

タワマンバブル? 不動産のリスクはないのか

これだけ急激に値上がりし、投資マネーが流入すると「バブル崩壊リスクは?」という不安の声も出てきます。現時点では、
「日本橋や湾岸のプレミアム性・利便性」「資産価値の安定性」への評価が堅調の根拠とされており、みずから住む人も投資家も“転売目的”だけでなく長期保有を視野に入れていることから、短期的な暴落を危惧する声は相対的に少数です。

まとめ――日本橋タワマンの未来と住民像

  • 日本橋・湾岸のタワマンは、「高額化」「需給の過熱化」と「長期的な都心価値」に支えられて人気を集めている
  • 価格二極化で、今後も築古/高級新築の“格差”が拡大する可能性あり
  • 住民・購入者はいち早く確信を持って「選択・決断」しており、その中には投資・資産形成視点もあれば、人生のライフスタイルとして都心生活を謳歌したいという思いもある
  • 日本橋エリアの高騰はまだ当面続く見通し。リスクと向き合いながらも新たなタワマン像が形成されつつある

参考元