東京都が目指す“つながる東京”
スマートシティフェスタ2025とOpenRoaming Wi-Fi整備最前線
2025年10月17日から19日まで、西新宿は先端技術と未来都市の理想が集結する場所となりました。東京都主催「スマートシティフェスタ2025」が開催され、最新のデジタルサービスと市民参加型の体験が大きな注目を集めました。本記事では、なかでも多くの来場者が「自分ゴト」として感動したOpenRoaming対応Wi-Fi整備支援事業、都市を守る新しい防災体験、デジタルサービス局の未来戦略にスポットをあてて、その全貌を解説します。
西新宿で「スマートシティフェスタ2025」開催——東京都の本気
「スマートシティフェスタ2025」は、西新宿エリア一帯を活用して、最新のスマートサービスやIoT技術、デジタル防災、共生社会のためのDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進を現場で体感できる大型イベントです。企業・自治体・市民の交流が生まれ、東京都のデジタル都市づくりに直につながる発表・展示が多数行われました。
- 最先端のデジタル社会の実装を感じられる参加型体験が豊富
- 防災・市民生活・新産業など幅広い領域でデジタル施策を体感
- イベント期間中はデジタルインフラをフル活用した通信や案内技術も大きな話題に
ついに東京都が「マジでつながるWi-Fi都市」に!OpenRoaming対応Wi-Fi整備支援事業とは
感動の声が相次いだのが東京都の「OpenRoaming対応Wi-Fi整備支援事業」です。この取り組みは、従来の「TOKYO FREE Wi-Fi」からさらに進化し、世界基準の安全性・利便性を備えたOpenRoaming規格の公衆Wi-Fiを都内全域に整備するというもの。2025年度末までに東京都有施設で約1300か所への設置を目指しています。
- OpenRoamingとは:利用者が一度設定すれば、対応スポットならID・パスワード不要で誰でも自動的に安全接続できる国際標準のWi-Fi規格。
- メリット:公衆Wi-Fiの接続手続きのわずらわしさや安全性の不安が大幅に軽減。日本国内・海外のどこでもOpenRoaming対応スポットならシームレスにインターネット利用可能。
- 防災やインバウンドにも抜群の効果:災害時には確実な通信インフラとして、多くの住民や訪日外国人にとっても心強い都市基盤となります。
東京都の支援メニューの全貌とスケール
東京都は区市町村を主な対象として技術支援と財政支援を二本柱に、OpenRoaming対応Wi-Fiの普及を一気に加速させています。このため、現地調査・設計など計画策定段階から、公衆Wi-Fiの新規設置や既存インフラのアップデートまで幅広くフォローします。
- 技術支援:専門知識がない市町村にも対応できるよう、現地調査・図面作成などの技術計画サポートを提供。
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財政支援:
- 新規整備:上限300万円/箇所(補助率1/2)
- 既設Wi-Fiの切替:上限200万円/箇所(補助率1/2)
- 島しょ地域:最大675万円/箇所(補助率3/4)特例
区市町村の財政負担を大きく軽減し、迅速な展開を後押しします。
- 都民の反応:「安心して使える」「避難所や防災拠点でも助かる」とアンケートで高評価。
“身近な防災”をデジタルサービスで実現——西新宿で「防災クエスト」体験
スマートシティフェスタ2025では、東京都が推進する“スマートサービスで防災をもっと身近に”する取り組みの一つとして、「防災クエスト」が開催されました。これは東京都デジタルサービス局が開発した、ゲーム感覚で防災行動を身に付けられる参加型イベントです。
- 「防災クエスト」は、スマートフォンやタブレットを使い、クイズと街歩きを組み合わせたリアル体験型。災害時の判断力や避難経路の確認、簡単な防災グッズの使い方などを遊びながら学べます。
- 子どもから高齢者まで参加可能で、西新宿の街を歩きながら、実際の避難所や防災拠点となる場所もめぐる内容。
- 参加者の声:「家族と一緒に考える良い機会になった」「西新宿の知らない防災ポイントを知ることができた」など、実践的な学びと日常への気づきが好評。
お台場で話題“音で遊ぶ”otoiro parkを先行体験——デジタルサービス局の戦略
さらに会場では、来月11月にお台場で正式開催予定の新感覚音響テーマパーク「otoiro park」の先行体験も提供され注目を集めました。リアルとデジタルを融合させた“五感で楽しむ都市体験”は、未来型エンターテインメントの可能性を感じさせるものでした。
- otoiro parkは、来場者がサウンド装置やスマホアプリを使って音楽や効果音と遊び、都市の音環境そのものを楽しむ体験型施設です。
- 体験参加者は「音とテクノロジーが融合し、親子で楽しめた」「普段気づかない都市の音の魅力に気づいた」と語ります。
- デジタルサービス局は「日常体験をアップデートし、市民同士を“音”でつなぐ新たな都市サービス」として、子どもから大人まで幅広い層へアプローチを狙っています。
東京都デジタルサービス局の“戦略”—未来の都市サービスを加速中
これらの取り組みを推進するのは、東京都デジタルサービス局。都市・行政サービスの最新デジタル化政策を牽引し、国際都市東京の競争力をさらに高めるために新戦略を展開しています。
- 都内全域でのOpenRoamingWi-Fi普及により、災害対応力とインバウンドサービスを一気に強化
- 市民生活のQoL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に直結するDX(デジタルトランスフォーメーション)施策を次々と推進
- スマート防災・デジタル防犯など生活インフラのアップデート
- 街歩き・体験型×デジタル技術の新サービスを積極導入
実績として令和6〜8年度の3か年アクションプランのもと、避難所・公園など主要公共施設でOpenRoaming Wi-Fiの新規580か所・既設切替740か所、計約1300か所への整備を進めています。都民と来訪者双方にとって“どこでも安心・便利につながる東京”の実現を着々と前進させているのです。
つながる東京:その先にあるもの
2025年、東京都は「つながる東京」「誰もが安心してデジタルを享受できる都市」の実現に本格的に乗り出しました。OpenRoaming対応Wi-Fi整備を軸としたデジタル都市基盤の強化、防災とエンタメ、体験型サービスの進化は、日常と未来を大きく変えはじめています。スマートシティフェスタでの市民・企業・行政の一体感こそ、都市の強さそのものと言えるでしょう。
この動きがさらに加速することで、東京は「誰もがどこでも安心してつながれる」最先端都市へと、新たな一歩を踏み出しています。今後も東京都の取り組みに大きな注目が集まります。