高知の夏を彩る「よさこい祭り」2025――真夏の熱気と感動が戻る
よさこい祭りとは
よさこい祭りは、高知県高知市を中心に行われる日本屈指の夏祭りです。戦後間もない昭和29年(1949年)、市民を元気づけるために誕生したこのお祭りは、今や全国の人々を惹きつける巨大なイベントとなりました。約20,000人もの踊り子たちが、色とりどりの衣装と鳴子(なるこ)を手に市内の各所で踊りを披露し、街が熱気と歓声に包まれます。
2025年、第72回よさこい祭りのスケジュール
今年2025年は〈第72回〉という歴史ある節目を迎えました。8月9日から12日までの4日間、下記のスケジュールで盛大に開催されました。
- 8月9日(土):前夜祭
- 11:00~15:00 土佐学生よさこい大会(高知城内)
- 17:00~21:30 安全祈願祭・前夜祭(東洋電化中央公園)
- 19:45~21:00 花火大会(鏡川河畔)
- 8月10日(日):本番
- 11:00~22:00 帯屋町演舞場ほか高知市内各演舞場
- 8月11日(月・祝):本番
- 11:00~22:00 各演舞場での演舞継続
- 柳町演舞場はこの日のみ、地元チーム限定
- 8月12日(火):全国大会・後夜祭
- 13:00~18:00 よさこい全国大会(中央公園、追手筋、帯屋町、高知城ほか)
- 18:30~22:00 本番受賞チーム表彰、後夜祭(中央公園)
例年同様、全国から約200のチームが参加し、地元団体や学生チームに加え、「とらっくよさこい」「十人十彩」「帯屋町筋」「旭食品」などの有名チームも登場しました。
今年のハイライト:「よさこいリターンズ」とは
今年の話題の一つが、「よさこいリターンズ」の開催です。これは、真夏の熱気と感動をもう一度味わってもらうために行われる特別企画で、本祭で受賞したチームを中心に、選抜チームが演舞を披露します。開催時期は11月・12月と、本祭が終わった後にも市民や観光客が楽しむことができる新しいスタイルのよさこいイベントです。このイベントは、例年の夏の祭りを見逃した人々や、再びあの熱気を味わいたいというファンの声に応えて行われます。
- 「よさこいリターンズ」では、受賞チームや人気チームの迫力あるパフォーマンスを間近に見ることができる
- 秋から初冬の高知市に活気を呼び戻し、観光客誘致や地域文化の発信に大きな役割を果たしている
- 観客も自由に参加可能な「体験コーナー」や、踊り手とのふれあいタイムも設けられている
こうした新たな取り組みが、コロナ禍後の人々の心を再びつなげ、「よさこい」は*世代や地域を超えて共有される特別な体験*となりつつあります。
主な演舞場・競演場の様子
高知市内には多数の演舞場や競演場が設置され、それぞれが独自の雰囲気と盛り上がりを見せます。帯屋町演舞場や高知大学演舞場、東洋電化中央公園競演場などメイン会場では、昼夜を問わず熱気溢れる演舞が繰り広げられます。
- 観客は間近で踊り子たちの華やかなパフォーマンスを堪能でき、まるで自分も踊りの輪に加わっているかのような一体感を味わえます。
- 子どもから大人まで幅広い世代が参加し、観客も踊り手も一緒になって「よさこい」を楽しめるのが特徴です。
- 特に夜はライトアップされた会場の幻想的な雰囲気が、よさこい祭りならではの熱気と相まって印象的です。
2025年の見どころと特色
2025年のよさこい祭りは、これまで以上に「多様性」と「連帯感」を体現するイベントとなりました。伝統を守りつつも、チームごとにオリジナリティあふれる楽曲や振付、衣装デザインが次々と生み出され、祭り全体の活気を大いに盛り上げました。
- 音楽は伝統の「よさこい鳴子踊り」をベースに、現代的なポップスやロック、和楽器との融合など、バリエーションが豊富
- 衣装も、和風から洋風、アート系までバラエティ豊かで、見た目でも楽しめる
- 子どもからシニアまで幅広い世代がメンバーとして活躍し、チームによってはファミリー総出で参加
- 地域の商店街や企業、学生団体といった幅広い支持母体によるチームの個性が発揮されている
また、祭りの運営やサポートスタッフを担うボランティアの存在も大きく、地域全体が一つになってイベントを支え合っている点も見逃せません。
熱気は秋・冬にも…「よさこいアンコール」「よさこいリターンズ」
今年は例年の本祭に加え、8月18日から24日の「よさこいアンコール」(大橋通商店街)、さらに秋冬には「よさこいリターンズ」といった、新しい催しが実施されるのも特徴的です。
- よさこいアンコール:本祭出場チームの中から人気チームが日替わりで演舞を披露。さらに「正調よさこい鳴子踊り」の無料体験コーナーも設置され、観光客も気軽に踊りに参加できる。
- よさこいリターンズ:11月・12月にも受賞チームや人気チームが市内で躍動し、年中よさこいの熱気が続く。
これらの取り組みにより、高知の文化発信力は一段と強まり、お祭りのオフシーズンにも多くの来訪者を呼び込む効果が期待されています。
参加者・観客の声
「今年のよさこいは、例年以上に感動的でした。踊り子たちの笑顔や情熱に、自然とこちらも元気をもらえます。」「よさこいリターンズにも絶対また行きたい!」という声が多くの来場者から聞かれています。
地元の方々からも「よさこいがあることで地域が一つになる」「子どもたちも自然と踊りに関心を持ち、地域の伝統が引き継がれていくのが嬉しい」という感想が寄せられました。
高知市・地域経済への波及効果
この大規模なイベントが地域経済に与える影響も計り知れません。全国からの観光客による宿泊・飲食・土産といった消費が市内全域に波及し、市民や商店街、宿泊施設など幅広い分野でその恩恵を受けています。
また、メディアによる中継やライブ配信も行われており、日本全国はもちろん海外からも多くのアクセスが寄せられるなど、よさこい祭りは今や高知が誇る「国際的な文化交流の場」へと成長しつつあります。
おわりに――時代を超えるよさこいの魅力
戦後の復興の願いをこめて始まったよさこい祭りは、70年以上の時を経て――大きく姿を変えながらも「人と人をつなぐ力」を失わず進化し続けています。毎年、新しい表現や企画が生まれ、そこに集うすべての人が主人公になれる。それがよさこい祭りの本当の魅力です。
これからも、高知の夏=よさこいという熱い伝統が、未来へと受け継がれていくことでしょう。