Xbox Game Passの大規模刷新と値上げが話題に
2025年10月1日、Microsoftはゲームサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」の大幅な価格改定とプラン体系の刷新を発表しました。この発表は世界中のゲーマーから大きな反響を呼び、特に最上位プランの大幅値上げには批判的な声も多く上がっています。
最上位プラン「Ultimate」は50%の値上げ
今回の価格改定で最も注目を集めているのが、Xbox Game Pass Ultimateの値上げです。月額料金は従来の19.99ドルから29.99ドルへと、実に50%もの大幅な値上げが実施されました。日本では従来の月額1,450円から2,750円への値上げとなっています。
年間で換算すると359.88ドル(約43,000円相当)となり、この金額はトリプルAタイトルのゲームソフトを5本以上購入できる価格に相当します。競合サービスであるPlayStation Plusプレミアムの年間159.99ドルと比較すると、実に2.25倍もの価格差が生まれることになります。
新規加入者と既存ユーザーで異なる適用時期
価格改定の適用時期については、新規加入者と既存ユーザーで異なるスケジュールが設定されています。新規加入者は10月1日から新価格が適用される一方、既存の契約者については11月4日から新価格に移行することになります。
PCゲームパスも大幅値上げ
値上げの影響はコンソール版だけにとどまりません。PCゲームパスも11.99ドルから16.49ドルへと、約38%の値上げが実施されました。PCゲーマーにとっても大きな負担増となる改定です。
プラン体系の全面刷新
価格改定と同時に、Xbox Game Passのプラン体系も大きく見直されました。従来の3つのプラン名称が変更され、より分かりやすい体系に再編成されています。
新プラン体系の詳細
- Game Pass Essential(旧Game Pass Core):エントリー向けプラン
- Game Pass Premium(旧Game Pass Standard):中級者向けプラン
- Game Pass Ultimate:最上位プラン(名称は据え置き)
この新しいプラン体系により、ユーザーは自分のニーズに合わせてより適切なプランを選びやすくなることが期待されています。Essential、Premium、Ultimateという3段階の名称は、それぞれのプランの位置づけを明確に示しています。
ユーザーからの強い反発
今回の値上げ発表は、ユーザーから強い反発を招いています。特に注目されたのは、発表直後に解約ページへのアクセスが殺到し、サーバーがダウンする事態にまで発展したことです。これは前代未聞の出来事として話題になりました。
タイミングへの批判
批判が強まった背景には、値上げ発表のタイミングも影響しています。Sarah Bond社長が年間50億ドルの売上と収益性を主張した直後の値上げ発表だったため、「サービスが好調なのになぜ値上げするのか」という疑問の声が多く上がりました。
お得な加入方法も存在
一方で、賢くサービスを利用する方法も紹介されています。2025年10月9日時点では、Amazonなどで価格改定前の価格でGame Passのコードが販売されているケースもあり、これらを活用することでお得に加入できる可能性があります。
また、既存のGame Pass CoreからUltimateへの変換方法など、できるだけコストを抑えて上位プランを利用する方法についても、ユーザー間で情報共有が行われています。
新作タイトルのラインナップは充実
値上げの一方で、サービスの魅力を維持するため、Microsoftは新作タイトルのラインナップ充実にも力を入れています。「NINJA GAIDEN 4」や「Keeper」を含む12タイトルのXbox Game Pass解禁スケジュールが発表されるなど、コンテンツ面での強化も図られています。
ハードウェアの価格改定も実施
ソフトウェアサービスだけでなく、2025年9月19日にはハードウェアの価格改定も発表されています。10月3日より、Xbox Series SとSeries Xの推奨小売価格が更新されることになりました。
今後のゲームサブスク市場への影響
今回のXbox Game Passの大幅値上げは、ゲームサブスクリプション市場全体に影響を与える可能性があります。競合サービスとの価格差が広がったことで、ユーザーの選択にどのような変化が生まれるのか、業界関係者も注目しています。
Microsoftとしては、値上げによって得られる追加収益をコンテンツの充実や新サービスの開発に投資することで、長期的な競争力を維持したい考えとみられます。しかし、ユーザーの理解を得られるかどうかは、今後のサービス展開次第といえるでしょう。
まとめ
2025年10月のXbox Game Pass改定は、50%という大幅な値上げとプラン体系の全面刷新という、二つの大きな変更を同時に実施するものとなりました。解約ページのサーバーダウンという前代未聞の事態を招くほどユーザーの反応は激しく、今後のゲームサブスクリプション市場の動向を占う重要な転換点となる可能性があります。
既存ユーザーは11月4日からの新価格適用までに、継続するか他のプランや競合サービスへの移行を検討するか、判断を迫られることになります。一方で、Amazonなどでの割安なコード販売や、プラン変換のテクニックを活用することで、コストを抑えながらサービスを楽しむ方法も存在します。
充実したゲームラインナップという魅力を持つXbox Game Passが、今回の値上げ後もユーザーに選ばれ続けるサービスであり続けられるかどうか、今後の展開が注目されます。