2025年箱根駅伝予選会、42校が本戦出場を目指して激突

毎年、多くの陸上ファンが注目する箱根駅伝。その本大会出場をかけた重要な一戦である第102回箱根駅伝予選会が、2025年10月18日(土)に東京都立川市で開催されます。今回は42校が参加し、本大会への切符を獲得できる上位10校を目指して熱い戦いを繰り広げることになります。

予選会の開催概要と実施場所

今年の予選会は、例年通り陸上自衛隊立川駐屯地をスタート地点として、立川市街地を経由し、国営昭和記念公園をゴールとするハーフマラソンコースで実施されます。距離は21.0975kmで、選手たちはこの距離を全力で駆け抜けることになります。

スタート時刻は午前8時30分を予定しており、これは例年より約1時間早い設定となっています。この変更は暑熱対策を考慮したもので、10月とはいえ気温が上昇する前にレースを進行させることで、選手たちのコンディション維持を図る狙いがあります。

ゴール後の結果発表と記念撮影は、午前10時ごろから昭和記念公園内の「みんなの原っぱ」特設会場で実施される予定です。

予選会のルールとシステム

箱根駅伝予選会は、チーム力が問われる特殊な競技システムとなっています。各大学は最大14名の選手をエントリーできますが、当日出場できるのは12名までとなります。そして、この12名のうち上位10名の合計タイムで順位が決定されるという仕組みです。

つまり、エースだけが速くても勝てないのがこの予選会の特徴。チーム全体の底上げが必要とされ、まさに総合力が試される大会といえるでしょう。レースは1時間24分を制限時間としており、この時間を過ぎるとレースは打ち切られます。

参加資格については、2025年度の関東学生陸上競技連盟男子登録者で、予選会と箱根駅伝本大会の出場回数が通算4回未満である選手に限られます。なお、出場回数はエントリーした時点でカウントされることになっています。

スタート順について

スタートの並び順にも明確なルールがあります。前回大会である第101回箱根駅伝での順位上位校が前列に配置され、その他の大学はエントリー者上位10名の10000m合計タイムの順位で並ぶことになります。10000mの有資格記録が10名揃わない大学は最後尾からのスタートとなるため、事前の記録作りも重要な戦略となっています。

本大会出場への道のり

予選会で上位10校に入ることができれば、2026年1月2日・3日に開催される箱根駅伝本大会への出場権を獲得することができます。本大会にはシード校も加わるため、予選会突破は箱根路を走るための重要な関門となっています。

また、今年度から連合チームの編成方法にも変更がありました。予選会で敗退した11位から20位の大学に各1枠ずつ、そしてそれ以外の大学からは予選会個人上位6人(各校1人)が選出されることになっています。

注目の出場校とエントリー選手

2025年の予選会には全42校がエントリーしました。その中には、青山学院大学、中央大学、駒澤大学、明治大学、法政大学、東洋大学、順天堂大学、國學院大學、立教大学、山梨学院大学、筑波大学、東海大学、東京国際大学、創価大学、帝京大学、専修大学、日本大学、中央学院大学など、強豪校が名を連ねています。

順天堂大学のエントリーには、4年生の石岡大侑選手(ハーフマラソン1時間03分10秒)や、3年生の吉岡大翔選手(ハーフマラソン1時間02分25秒)、小林侑世選手(ハーフマラソン1時間02分53秒)といった主力選手が順当に登録されています。2年生の永原颯磨選手も吉岡選手と同じく1時間02分25秒の記録を持っており、チームの厚みを示しています。

予選会の見どころ

予選会の大きな魅力は、何といってもドラマが生まれやすいという点です。本大会とは異なり、個人のタイムレースという形式のため、各選手が自分のペースで走ることができます。しかし、チームとして上位10校に入らなければならないというプレッシャーもあり、選手たちの心理戦も見どころの一つとなっています。

また、例年スタート時刻が遅かったことから気温上昇による影響が懸念されていましたが、今年は1時間早めることで選手たちがより良いコンディションで走れる環境が整えられています。この変更が記録にどのような影響を与えるかも注目ポイントです。

代表者会議と事前準備

大会前の2025年10月15日(水)18時30分からは、オンラインで代表者会議が実施されます。各参加校の代表者は必ず出席し、確認事項の伝達を受けることになっています。この会議で最終的な注意事項や競技運営の詳細が共有されるため、大会を円滑に進めるための重要な機会となっています。

観戦のポイント

予選会は、スタート地点の陸上自衛隊立川駐屯地からゴールの国営昭和記念公園まで、立川市街地を通過するコース設定となっています。沿道からの応援も可能で、多くの市民やファンが選手たちに声援を送る光景が見られます。

特にゴール地点となる昭和記念公園の「みんなの原っぱ」では、選手たちがゴールテープを切る瞬間を間近で見ることができ、大会の熱気を肌で感じることができるでしょう。結果発表の瞬間は、本大会出場が決まったチームにとっては歓喜の瞬間となり、惜しくも届かなかったチームにとっては悔しさが残る瞬間となります。

箱根駅伝への道

箱根駅伝は正式名称を「東京箱根間往復大学駅伝競走」といい、毎年1月2日・3日の2日間にわたって開催される、学生駅伝の最高峰の大会です。予選会を勝ち抜いた10校とシード校を合わせた大学が、箱根路での激闘を繰り広げます。

この予選会は、そんな箱根駅伝本大会への第一関門であり、多くの大学にとって1年間の集大成となる重要な大会です。選手たちは夏の厳しいトレーニングを乗り越え、この日のために調整を重ねてきました。

各大学の戦略と展望

予選会で重要となるのは、チーム全体のバランスです。エースと呼ばれる速い選手が何人かいても、10人目の選手が大きく遅れてしまえば総合タイムで不利になってしまいます。そのため、各大学は夏合宿などで全体のレベルアップを図り、チーム力の向上に努めてきました。

また、当日のコンディション管理も極めて重要です。ハーフマラソンという長距離を走るため、給水のタイミングやペース配分など、細かな戦略が勝敗を分けることになります。経験豊富な上級生がどのようにチームを引っ張るか、若手選手がどこまで力を発揮できるかが、各大学の明暗を分けるポイントとなるでしょう。

まとめ

2025年10月18日に開催される第102回箱根駅伝予選会は、42校が箱根路への切符をかけて激突する重要な一戦です。午前8時30分に立川駐屯地をスタートし、21.0975kmのハーフマラソンコースを走破した各校の上位10名の合計タイムで順位が決まります。

上位10校のみが本大会への出場権を獲得できるという厳しい戦いの中で、どの大学が栄光を掴むのか。選手たちの熱い走りと、チーム一丸となった戦いぶりに注目が集まります。例年より1時間早いスタート時刻という新しい試みの中で、どのような記録やドラマが生まれるのか、10月18日の立川は熱い戦いの舞台となることでしょう。

参考元