令和7年秋の全国交通安全運動が全国でスタート ― 石垣・宮崎・埼玉など各地で出発式、夜間事故抑止や反射材の活用を呼びかけ

2025年9月21日(日)から30日(火)までの10日間、全国各地で「秋の全国交通安全運動」が一斉にスタートしました。この運動は、季節の変わり目で事故が増えやすい秋に合わせて毎年春と秋の2回実施され、交通ルールや正しい交通マナーの普及・徹底を図り、「交通事故ゼロ社会」を目指す全国的な取組です。9月30日(火)は特に「交通事故死ゼロを目指す日」とされています

全国一斉に出発式開催―石垣・宮崎・岡山・埼玉など地域色豊かな啓発活動

  • 沖縄県石垣市:

    「秋の全国交通安全運動」の出発式が催され、地域住民や行政、警察関係者が集まり夜間の事故防止を中心に呼びかけが行われました。石垣市では車通行量や観光客が多いこともあり、歩行者への注意や夜間の反射材着用が特に強調されました。

  • 宮崎県庁:

    宮崎県庁でも「秋の交通安全運動開始式」が実施され、県内各所で地域住民・関係団体が合同で交通安全啓発に努めました。運転中のスマートフォン使用や飲酒運転の撲滅、高齢者を含む歩行者の安全確保が主要テーマでした。

  • 岡山・香川県:

    香川県庁では県知事や警察本部長、関係者約70人が出席して出発式を実施。県内の交通事故による死亡者において夜間の発生件数が多いことや、高齢者の事故死が目立つことが報告されました。「飲酒運転根絶」「高齢者の事故防止」「交差点での確実な停止」など、県民に基本の徹底を呼びかけています。

  • 埼玉県:

    目立つLEDバンドを使った「見せる意識」運動も展開され、反射材を推進する啓発活動が行われました。夕暮れ時や夜間の事故が全国的に課題となる中、LEDや目立つ服装で早めにドライバーに自分の存在を示すことが強調されました。

令和7年の重点目標と実施内容

今回の全国運動の重点項目は、全国共通3つに絞られています。

  • 1. 歩行者の安全な横断、反射材や明るい服装の着用推進

    特に夕方以降や夜間は車の運転者から歩行者が見えにくくなります。反射材やLEDバンド、明るい色の服を身につけ、自分の存在をドライバーにしっかりアピールすることが奨励されています。小学生や高齢者など、歩行者の事故が多い層への啓発も強化されています。

  • 2. ながらスマホ・飲酒運転の根絶、早めのライト点灯・ハイビーム活用

    運転しながらのスマートフォン操作や飲酒運転は、重大事故の原因となるため、厳しく取り締まりと意識啓発が行われます。また、事故の多い夕暮れ時には「早めのライト点灯」「ハイビームの積極的な利用」が呼びかけられています。

  • 3. 自転車・小型原動機付自転車のルール順守とヘルメット着用

    各地で自転車事故、高齢者の事故も問題視されています。自転車や電動キックボードなど新しい移動手段にも適切なルール順守とヘルメット着用を徹底することが重要視されています。

地域ごとの特有の啓発活動事例

  • 反射材・LEDバンド普及啓発(埼玉)

    埼玉県では「見せる意識」をテーマとした啓発活動が展開され、老人会や小学校、企業と協力してLEDバンドや反射材を配布。一目で目立つ小物を活用し、歩行者自らが安全対策を行う大切さを呼びかけました。

  • 高齢者・子供への交通教育(宮崎、香川など)

    交通事故死者の高齢化や小学生の通学時事故防止のため、地域のボランティアや自治体が巡回指導や啓発チラシ配布を実施。夜間の買い物や通院帰りは必ず反射材を使い、暗い道では運転者がより注意するよう促しています。

  • 「飲酒運転ゼロ」キャンペーン(香川など)

    飲酒運転による悲惨な事故を減らすため、居酒屋や飲食店団体と警察が連携し、店内ポスター掲示や店舗前啓発活動を展開。特に「飲んだら乗らない」意識の徹底が重視されました。

なぜ今、秋の交通安全運動が必要なのか

自動車・バイク・歩行者を取り巻く交通環境は年々変化しています。2025年に入ってからも全国で夜間や夕暮れ時の交通死亡事故が多発しており、特に高齢者が被害に遭う割合が高まっています。これらの背景として、日没が早まり、車両と歩行者双方が視界不良になりやすいこと、小型モビリティの普及や高齢者社会の到来などが挙げられます。

そのため、一人ひとりの交通安全意識の向上と行動習慣の見直しは、これまで以上に重要になっています。「ちょっとした油断が大きな事故に繋がる」ことを忘れず、大人も子供も基本的なルールとマナーの徹底を目指す取組が求められています。

各地域住民・企業・自治体の役割と今後への期待

  • 地域住民:
    毎日の行動の中で「交通安全」を意識し、反射材の着用、子供や高齢者への声かけ、交差点での一時停止などを心がけること。
  • 企業・学校・団体:
    通勤・通学路の安全点検、啓発活動の実施、事故情報の共有、自転車保険や損害保険の加入推進などを行う役割。
  • 自治体・警察:
    交通量や事故分析に基づいた重点的な取締り・啓発、子供や高齢者向けの交通安全教室、街灯や横断歩道の整備を推進。

今後も「交通事故死ゼロ」を目指し、各人・各団体が連携して日々の習慣を見直し、安心・安全な地域社会づくりに力を合わせていくことが期待されています。

まとめ

2025年の秋の全国交通安全運動は、「歩行者や自転車利用者の安全」「飲酒運転防止」「暗い時間帯の工夫」など、今の社会に求められる重点項目に沿った形式で展開されています。各地で展開される地域ごとの啓発活動とともに、国民一人ひとりの“日々の安全意識”が問われる10日間です。事故のない未来を目指し、目立つ装いと確かなルール遵守、スマートな配慮を心がけましょう。

参考元