2025年度大学受験の最新動向:共通テスト対策の実態と過去問演習の早期化

旺文社が「高校生の大学受験実態調査(2025年度版)」を公開

教育出版の旺文社は、2025年9月8日に「高校生の大学受験実態調査(2025年度版)」を公開しました。本調査は、2025年春に大学に合格・進学した大学1年生を対象に、2024年12月から2025年6月まで実施されたアンケート結果をまとめたものです。
有効回答数は4,381名に上り、全国の大学進学者の実態が広く網羅されています。本調査では、共通テスト対策に関する行動や過去問演習の時期、新科目「情報I」の受験状況など、最新の大学受験動向が明らかになりました。

高校生の約8割が共通テスト対策で「過去問を解いた」

調査によると、大学受験対策として「過去問を解いた」と回答した高校生は、なんと79.0%にのぼりました。過去問演習は、大学入学共通テスト(旧センター試験)対策の定番手法として定着しており、ほとんどの受験生が取り組んでいることが数字から明らかです。
この結果は、「過去問を解くことで出題傾向や解法パターンを把握し、有利に受験当日に臨みたい」という受験生の意識を如実に示しています。

過去問演習の開始時期は「高3の6月まで」が多数派

さらに注目すべきは、過去問演習の開始時期が前倒し傾向にあることです。調査によれば、64.2%の受験生が「高3の6月」までに過去問に取り組み始めていることが判明しました。これは前年調査よりもさらに早期化しており、「早くから本番に近い問題へのチャレンジを重ね、対策精度を高めたい」という受験生の戦略の変化を示します。

早期化の背景には、出題傾向の変化や得点戦略の見極め、情報収集力の重要性が高まっていることがあると考えられます。特に新課程初年度の受験では、未知の要素も多く早めの対策が重要視されています。

新科目「情報I」初年度受験の動向:6割超が受験

2025年度は、「新課程入試初年度」として、新科目の「情報I」が共通テストで初めて出題されました。調査では、64.2%の受験生が「情報I」を受験したと回答しており、大学入試センターの本試験実施結果でも受験率は60.6%と高い水準でした。
この科目追加により、受験生は従来科目に加えITリテラシーや情報活用能力も評価される対象となりました。多くの生徒が「情報I」を受験した理由には、出願要件として採用する大学が増加傾向にあること、情報化社会で必要とされる資質への対応意識があると考えられます。

受験生の行動から見える共通テスト対策のトレンド

本調査結果から、2025年度の受験生の対策には以下のトレンドが見られました。

  • 過去問演習の早期着手:多くの受験生が高3春~夏までに過去問に挑戦し始めている。
  • 科目選択の幅広さ:新科目にも積極的に挑戦し、必要に応じて教科を追加選択する傾向。
  • 情報収集・データ活用の重視:SNSや受験サイトを活用し、他者の実体験や直近の動向を参考にする行動が増加。
  • 戦略的学習スタイルの普及:志望校ごとの出題傾向分析と、得点力強化のためのタイムマネジメントにも重点。

受験生へのメッセージ:早期の過去問演習と情報活用が合格の鍵

今回の調査結果は、これから受験に臨む高校生・保護者・教育関係者にとって大きな参考材料となります。まず、焦点となるのは過去問演習を早めに始めることです。出題傾向把握や弱点発見には、できるだけ早期から本番形式の問題に触れることが効果的です。
また、「情報I」をはじめとする新科目など、受験制度に変化がある場合は、最新情報の入手・整理が不可欠です。「大学受験パスナビ」など信頼できるWebサービスを積極的に活用し、志望校や自分の現状に即した戦略作りを進めていきましょう。

調査概要:信頼性の高いデータに基づく分析

本記事のもととなる「高校生の大学受験実態調査(2025年度版)」は、旺文社が運営する「大学受験パスナビ」を通じて実施された規模の大きい調査であり、実際に大学進学を果たした受験生の回答を集計したものです。大学受験は年々多様化・複雑化が進みますが、今回のデータは教育現場・受験生の実際的な動向を具体的に示しています。

まとめ:受験対策は「情報」と「着手の早さ」が重要

2025年度の大学受験では
「過去問を早く解く」「新科目に積極挑戦」「最新情報を収集し戦略的に対策する」ことが、合格への近道として注目されました。特に新課程初年度となった今回の共通テストでは、現役受験生のフレッシュな声から今後の受験準備のヒントが数多く得られます。
これから受験を控える皆さんには、今回の調査データを活用し、自分に合った受験対策を早めに始めていくことをおすすめします。

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