34歳ベテラン筒香嘉智、6年ぶりのキャプテン復帰で「ベイスターズ改革」を宣言

新監督就任のタイミングで選ばれた使命

横浜DeNAベイスターズの2026年シーズンは、大きな転機を迎えている。昨秋に就任した相川亮二新監督の下、今季からチームのキャプテンマークを胸に戻すのは、34歳のベテラン・筒香嘉智外野手だ。筒香が再びキャプテンを務めるのは、2015年から渡米前年までの5年間以来、実に6年ぶりのことである。

この人事は、筒香にとって想定外の決断だった。昨年12月半ばのことである。相川監督から直接電話を受けた筒香は、キャプテンを引き受けてほしいという申し出を受けた。「昨年の内野を守っているときの試合中の立ち振る舞いを見て、必ずベイスターズに必要なところだから」という理由だ。前キャプテンの牧秀悟内野手(27)から任された職を、筒香が受け継ぐことになった。

「今年変わらないと、またずっとこのままでいく」

驚きはあったが、迷いはなかった。筒香が決断を下した背景には、明確な問題意識があった。昨年8月に一軍に復帰してからチームを引っ張った経験の中で、筒香はこのチームが優勝できない理由を見抜いていたのだという。

「今年は監督が代わったタイミングなので、この年に変わらないと、また数年、ずっとベイスターズはこのままでいくなというイメージはあった。だから変えるなら今年だと。そうしないとこれから数年、またベイスターズは一緒かなという思いがあった」と、筒香は振り返る。新しい指揮官を迎えた今シーズンこそが、チームを変えるラストチャンスだという認識が、キャプテン就任への決断を後押しした。

若返っていくチームの中で、34歳の自分が再びリーダーシップを発揮する必要性を感じた筒香は、「自分が伝えられるものをしっかり伝えて、チームを変えていきたい」という強い思いでキャプテンマークを受け取った。

春季キャンプで研ぎ澄まされた「内側の感覚」

2026年シーズンは、筒香にとって「自分のキャリアの頂点に立つシーズン」にするという覚悟で臨まれている。昨シーズンまでの試行錯誤を経て、筒香は今、プレーヤーとしての状態が「一番いい」と確信している。

昨年7月のファーム落ち時代、筒香は打撃練習の中である重要な発見をした。それまでのスイングでは、左の股関節がきちんと入らず、かかと体重になってしまっていたのだ。しかし、その課題に気づいた筒香は、股関節の使い方を改善することで、しっかり踏み込んで打つフォームを取り戻した。昨年8月の復帰後、11試合で打率3割5分5厘、8本塁打という爆発的な成績を残した背景には、この身体的な改善があったのである。

春季キャンプで筒香が語る現在の状態は、さらに進化を遂げているという。「身体の中身がだいぶ詰まってきた感じがある。アメリカから戻ってきて、プレーヤーとしていまが一番いい状態だと思います」と、独特の言い回しで自分の調子を説明する筒香。キャンプでの東洋系の運動を取り入れることで、この「内側に詰まってきている」という確かな手応えが生まれてきたのだという。

チームの意識改革を主導するキャプテンマーク

筒香のキャプテン就任を象徴するように、新しいキャプテンマークも同時に発表された。光輝く星と躍動感のあるCマークが特徴の新デザインは、チームの新しい時代を象徴する存在だ。2月6日から販売が開始されたこのマークは、ファンの間でも大きな話題を呼んでいる。

キャンプ前夜のミーティングで、筒香がチームに伝えたメッセージは、何か。それは「ベイスターズは変わらないと」という、シンプルかつ強力なメッセージだったに違いない。一昨年の下克上での日本一達成、昨季の4年連続Aクラス入り。ベイスターズは着実に歩みを進めてきた。しかし、筒香には「このチームが優勝できない理由」が見えていたのだ。

相川野球を支える矜持と責任

相川亮二新監督の下、28年ぶりのリーグ制覇を目指すベイスターズ。その野球を支えるキャプテンとして、筒香は何を変えようとしているのか。春季キャンプでのプレーを見る限り、その答えは明確だ。

昨年8月の一軍復帰以降、筒香は試合中の投手への声かけなど、リーダーとしてチームを引っ張る姿勢を見せてきた。宮﨑敏郎内野手の離脱時には三塁手として先発し、好守を連発しながらグラウンド上でのリーダーシップを発揮した。その姿に注目した相川監督だったからこそ、筒香の人事を決断したのである。

春季キャンプでのスプリングゲームでは、筒香がチームトップとなる15本の本塁打を放ち、2年ぶりの日本一に向けた快音を響かせている。プレーヤーとしての完全復活と、キャプテンとしての統率力。この二つを兼ね備えた筒香の存在は、若返るベイスターズチームにとって、どれほど重要であることか。

「意識は選手の中でもかなり浸透しているのでは」という筒香の言葉が、キャンプで発せられている。変わることの怖さを感じながらも、変わることの必要性を感じ取っているベイスターズの選手たち。その意識をさらに深掘りし、チーム全体を一つの目標に向かわせるのが、新キャプテン・筒香の使命である。

体力は「普通の34歳よりある方」と、自信を持って語る筒香。日本球界復帰3年目、ベイスターズキャプテン復帰6年ぶりのこのシーズンが、筒香にとって、そしてベイスターズにとって、どのような1年になるのか。春季キャンプでの確かな手応えが、それを物語っている。

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