イギリスを魅了した34年ぶりの大相撲ロンドン公演――横綱・豊昇龍の全勝優勝と歴史的瞬間
はじめに――待望のロンドン公演と豊昇龍という存在
2025年10月、大相撲は34年ぶりにイギリス・ロンドンで公演を行い、英国社会に大きな反響を巻き起こしました。今年のロンドン公演は特に「国技の原点と未来」を世界に示す舞台となり、横綱・豊昇龍が見事な全勝優勝を達成したことが、相撲ファンだけでなく英国の幅広い層に深い感動を与えました。この記事では、今回のロンドン公演の模様、その中でも中心的な役割を果たした豊昇龍、現地ファンやメディアの声などを幅広くご紹介します。
ロンドン公演の概要――歴史ある会場と世界への挑戦
- 公演日時:2025年10月15日~19日
- 会場:ロイヤル・アルバート・ホール(英国ロンドン)
- 参加力士:横綱・豊昇龍を含む幕内、十両ら計数十名
- 観客動員数:全日程で満員に近い集客を記録
- 公演形式:本場所同様の取組と、多彩なデモンストレーション、相撲文化体験イベント
ロンドン公演は、日本の大相撲が海外で開催される特別な巡業であり、ロイヤル・アルバート・ホールという歴史的な音楽堂で行われました。これは1989年以来、実に34年ぶり。公演期間中には現地ファンや観光客のみならず、メディアも多数詰めかけ、英国社会全体が“相撲一色”に染まったと言っても過言ではありません。
伝説をつくった横綱・豊昇龍――全勝優勝への道
今回ロンドン公演の主役となったのは、なんと言っても横綱・豊昇龍です。彼は全勝で千秋楽まで駒を進め、千秋楽では同じく全勝の横綱・大の里と対戦。壮絶な一番の末、見事「送り出し」で勝利を収め、堂々たる全勝優勝を果たしました。トロフィー授与式では満場の英国ファンから大きな拍手と歓声が送られ、その姿はまさに相撲界の顔であり伝説の瞬間となりました。
豊昇龍はこの優勝について「怪我の心配もあったが、無事優勝できて本当に嬉しい」「イギリスの応援が温かくて感謝しかありません」と笑顔で振り返り、今後の日本での活躍にも意欲を見せました。さらに「相撲がどんどん世界に広がっている。お相撲さんは頑張らないといけない」と、国技の担い手としての覚悟も語っています。
ロンドンが相撲でひとつに――英国のファンと相撲文化の出会い
このロンドン公演は、単なる取組だけでなく、日本の相撲文化そのものを英国社会に伝える大きな役割を果たしました。会場では土俵入や弓取式、子どもたちや家族への相撲体験イベント、伝統的な装束や礼儀作法のデモンストレーションが行われ、そのたびに歓声や拍手が沸き起こりました。イギリス人観客の多くが「日本文化の本当の美しさを知った」と感激し、「また絶対にロンドンで相撲を見たい」と熱望の声も多く寄せられたのです。
ある観客は「私は12歳のとき日本で大相撲を見た。それ以来の夢だった。この勝利が見られて本当に感動した」と話し、強い印象と興奮を口にしました。34年ぶりの“里帰り”とも表現されたこの巡業が、多くのイギリス人の心に残る出来事となったことは間違いありません。
英国メディア・現地報道による「相撲フィーバー」
- 新聞・テレビが連日特集や生中継を実施
- 「伝説だ」「なぜ彼はここに?」と市民・記者も興奮気味に
- 取組後、会場内外でサインや記念撮影求める長蛇の列
- 英国の子どもたちが「相撲ごっこ」で遊ぶ光景も
公演期間中、英国メディアは連日大相撲を大きく報道。「横綱をまさかの場所で発見」「彼はここで何をしているんだ?」という驚きがSNSでも話題となり、豊昇龍はまさに“伝説の人物”となりました。その言動や所作を通じ、日本文化の新しい理解が社会全体に拡がりを見せています。
出演力士たちの交流や「笑顔」も話題に
公演では力士同士の和気あいあいとしたやり取りも随所で見られました。翔猿は取組後「もっともっと応援してもらえるように頑張ります」と英語も交えて観客の笑いを誘い、「Flying Monkey(フライングモンキー)」というニックネームをアピールする場面も。こうしたパフォーマンスが温かい空気を生み、英国ファンの間にも相撲の観戦マナーやユーモアが浸透しつつあります。
また、ステージ裏ではハローキティの着ぐるみと記念写真を撮る力士の姿も撮影され、「日本文化の可愛さ」「伝統と斬新さの融合」が新鮮と大きな話題に。伝統的な相撲の厳しさや武道精神に加え、現代的な親しみやすさ・楽しさもPRできたロンドン公演だったと言えるでしょう。
未来への新たな一歩――パリ公演へ
今回のロンドン公演の大成功を受け、来年6月にはフランス・パリ公演が予定されています。ヨーロッパでの大相撲ファン拡大を目指し、今後も継続的な国際公演が検討されています。豊昇龍は帰国インタビューで「世界中に相撲を広めていく責任がある」と語っており、力士たちもまた「次の挑戦」に胸を躍らせている様子です。
国境・文化を越えた「真の相撲体験」が、世界の人々の心をつなぎ、互いへの理解を深める架け橋になっている――それを証明した、今回のロンドン公演でした。
おわりに――英国と日本をつなげた希望の5日間
昭和、平成、令和と長い歴史を経て、相撲は今や日本を代表する文化から、世界を代表するスポーツ・芸能へ。2025年秋、英国ロンドンに轟いた「豊昇龍全勝優勝」という伝説と、会場内外にあふれた多くの笑顔。そのすべてが、人々の心に灯りをともす希望となりました。
来年のパリも、再来年のどこかの都市も、きっと大相撲は世界の新しい“ホーム”となるでしょう。豊昇龍、そして大相撲界の未来に、今こそ最大の拍手と期待を送りたい――そう思わせてくれる、感動のロンドン公演でした。


