柳ヶ浦高校女子サッカー部、史上初の決勝進出 全日本高校女子サッカー選手権で九州対決へ

第34回全日本高等学校女子サッカー選手権大会で、九州の雄・柳ヶ浦高校女子サッカー部が、ついに史上初の決勝進出を果たしました。 決勝の相手は、同じく九州代表で強豪として知られる神村学園高等部。大会の頂点をかけて争う顔合わせは、「九州対決」として大きな注目を集めています。

全日本高校女子サッカー選手権とはどんな大会?

全日本高等学校女子サッカー選手権大会は、全国各地の代表32校が集い、日本一の座を争う高校女子サッカーの頂点とも言える大会です。 年末から年始にかけて行われ、未来のなでしこジャパン候補たちが躍動する舞台としても知られています。

第34回大会も、各地区予選を勝ち抜いた学校が兵庫県に集結し、トーナメント方式で熱い試合を繰り広げてきました。 その中で、これまで全国の大舞台では決勝進出がなかった柳ヶ浦高校が、見事に勝ち上がり決勝へと駒を進めたことは、大きな話題となっています。

柳ヶ浦高校、PK戦を乗り越えながらつかんだ決勝への道

大分県代表の柳ヶ浦高校は、今大会で粘り強さと成長した攻撃力を見せながら決勝まで勝ち上がってきました。

  • 2回戦 vs 尚志高校 0-0(PK 5-3)
  • 3回戦 vs 作陽高校 0-0(PK 6-5)
  • 準々決勝 vs 聖和学園高校 4-0
  • 準決勝 vs 暁星国際高校 3-1

序盤の2試合ではいずれもスコアレスドローながら、PK戦を連続で制する勝負強さを発揮しました。 特に守備陣とゴールキーパーの安定感は光り、強豪相手にも最後まで集中力を切らさず戦い抜いています。

準々決勝では、仙台の強豪・聖和学園を4-0と圧倒。 攻撃陣がついに爆発し、これまで守備中心だった流れから一転、攻撃面でも高いポテンシャルを示しました。

準決勝・暁星国際戦で見せた「初の決勝進出」への執念

運命の準決勝で柳ヶ浦が対戦したのは、千葉代表の暁星国際高校でした。 試合は互いに球際で激しくぶつかり合いながら進む、緊張感の高い展開になりました。

前半13分、柳ヶ浦は積極的なプレッシングからチャンスを作り出します。ゴールキーパーへの寄せからこぼれたボールに松田吏真選手が反応し、シュートに持ち込みますが、これは惜しくもゴールならず。 それでも柳ヶ浦はここで流れをつかみ、その2分後に待望の先制点が生まれました。

ゴール左からのフリーキックでペナルティエリア内が混戦となり、最後は田淵聖那選手がボールを蹴り込んでゴールネットを揺らします。 この先制点で柳ヶ浦は勢いに乗りました。

40分には、左サイドを攻め上がった横山愛葵選手が中央へカットインし、そのまま思い切りよくシュート。 この一撃が決まり、横山選手は2試合連続ゴールとなる貴重な追加点をマークしました。 前半のうちにスコアは2-0となり、柳ヶ浦が優位に立ちます。

後半に入っても柳ヶ浦は集中した守備を続け、暁星国際のロングボールやサイド攻撃をしっかりとはね返していきました。 終盤73分には3点目も奪い、試合の主導権を完全に握ります。 暁星国際も終盤にミドルシュートで1点を返しましたが、反撃はそこまで。 柳ヶ浦が3-1で勝利し、ついに学校史上初の決勝進出を決めました。

神村学園、鹿島学園を3-0で下し男女アベック優勝へ前進

一方の神村学園高等部は、鹿児島県代表として今大会に臨みました。 準決勝の相手は、関東屈指の実力校である鹿島学園高校(茨城)。この試合で神村学園は、高い攻撃力と試合運びの上手さを存分に発揮しました。

試合開始早々の8分、鹿島学園のゴールキーパーへのバックパスに素早く詰めた原口鈴音選手がボールを奪い、そのままゴールに流し込んで先制。 この積極的な守備からのゴールで神村学園は一気に試合を優位に進めます。

続く18分にも原口選手が魅せます。一度はドリブルを止められながらも、こぼれ球を再び自ら奪い返し、冷静にシュートを決めて2点目。 さらに36分には山野蒼空選手が前線へ持ち上がり、そのままシュートを叩き込んで3点目を奪いました。 前半だけで3点をリードする展開となります。

3点を追う鹿島学園は、後半にフォーメーションを3バックから4-3-3へ変更し、より攻撃的な布陣で反撃を試みました。 しかし神村学園も、相手エース宿野部夏澄選手へのマークを強化するためにセンターバックを1人増やし、3バックにシフトチェンジするなど、柔軟な戦術で対応します。

後半は押し込まれる時間帯もありましたが、神村学園は最後まで集中した守備を貫き、3-0の完封勝利。 今大会2度目の無失点となる堅守を見せ、2大会連続の決勝進出を決めました。 すでに男子の高校選手権でも優勝を果たしている神村学園は、この女子選手権を制すれば史上初の高校選手権・男女アベック優勝という快挙に近づくことになり、その点でも大きな注目を集めています。

決勝は「柳ヶ浦 vs 神村学園」の九州対決に

こうして、第34回大会の決勝カードは柳ヶ浦高校(大分)神村学園高等部(鹿児島)という、九州勢同士の対戦となりました。

決勝戦は、兵庫県の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開催され、キックオフは13時40分に予定されています。 会場は、全国から集まったサッカーファンや各校の関係者で熱気に包まれ、冬の冷え込みを吹き飛ばすような雰囲気になることが予想されます。

決勝戦の模様は、TBS系列の地上波で全国生中継されるほか、TVerでのライブ配信も実施される予定です。 スタジアムに足を運べない方でも、自宅から試合の様子をリアルタイムで見守ることができます。

柳ヶ浦高校にとっての「歴史的な一戦」

柳ヶ浦高校にとって、この決勝の舞台は学校として初めて踏む頂点決戦の場です。 2回戦・3回戦のPK戦、準々決勝の大量得点、そして準決勝での完勝と、勝ち上がる中でチームは大きく成長してきました。

守備面では、粘り強く体を張るディフェンスラインと、安定したゴールキーパーのプレーがチームを支えています。 攻撃面でも、横山選手をはじめとしたサイドアタッカーの突破力や、セットプレーからの得点力が光っており、「守って終わるだけではない」チームへと変化してきている印象です。

また、選手たちにとって全国大会の決勝の舞台は、これまで支えてくれた家族、指導者、仲間たちへの感謝をピッチで表現する場でもあります。公式サイトでも、「史上初の決勝進出」という言葉とともに、多くの方への感謝と応援へのお願いが綴られており、学校全体でこの快挙を喜び、後押ししている様子が伝わってきます。

神村学園は「男女アベック優勝」へ、柳ヶ浦は「初優勝」へ

神村学園は、すでに男子の高校サッカー選手権で優勝を収めていることから、「女子も制して男女揃っての優勝」という前人未到の記録に挑戦する立場にあります。 準決勝で見せたような鋭いプレッシングと決定力、そして相手に応じて柔軟に戦術を変えられる対応力は、決勝でも大きな武器になるでしょう。

一方の柳ヶ浦は、「初の決勝進出」にとどまらず、「初優勝」を目指してピッチに立ちます。 ここまでの試合で見せてきた粘り強さ、そして仲間を信じて最後まで走り切る姿勢は、多くの観客の心をつかんでいます。 下馬評や実績の差を埋めるだけの勢いや結束力を持っており、「大一番で何が起こるかわからない」のが高校サッカーの面白さでもあります。

地上波中継と配信で広がる女子高校サッカーの魅力

今回の決勝戦は、TBS系列での全国中継に加え、TVerでのライブ配信という形で、多くの人が観戦できる環境が整えられています。 これにより、現地に行けない家族やOB・OG、地域の方々も、リアルタイムで選手たちの勇姿を見守ることができます。

女子高校サッカーは、近年、技術・戦術の両面でレベルが大きく向上していると言われています。 今大会の決勝カードである柳ヶ浦と神村学園の対戦は、そのレベルの高さや、女子サッカーならではの魅力を全国に伝える絶好の機会となるでしょう。

特に柳ヶ浦のように、これまで全国の舞台で大きく取り上げられる機会が多くなかった学校が、決勝まで勝ち上がる姿は、多くの地方の高校にとっても大きな希望となります。「自分たちもやれる」という気持ちを、全国の女子サッカー選手に届ける試合になるかもしれません。

最後に

第34回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は、柳ヶ浦高校神村学園高等部という、九州代表同士の顔合わせで決勝を迎えます。 柳ヶ浦にとっては史上初の決勝、神村学園にとっては2大会連続の決勝進出であり、さらに男女アベック優勝という大きな目標がかかる一戦でもあります。

どちらのチームも、ここまでたどり着くまでに数え切れない努力と悔しさを乗り越えてきました。TBS系列の地上波中継やTVerの配信を通じて、多くの方がこの歴史的な試合を見届け、選手たちに温かい声援を送ることができるでしょう。

柳ヶ浦高校が見せる新たな歴史の1ページと、神村学園が挑む偉業達成への戦い。そのどちらも、女子高校サッカーの未来につながる、かけがえのない90分になりそうです。

参考元