ナチュラルライズ三冠達成なるか―2025年ジャパンダートクラシック徹底展望

2025年10月8日、大井競馬場を舞台に「第27回ジャパンダートクラシック(JpnI)」が盛大に開催されます。今年の主役はなんと言っても、三冠制覇の偉業に挑む3歳馬ナチュラルライズです。羽田盃、東京ダービーと二冠に輝いたこの才能が、ダート界にどのような新たな歴史を刻むのか、関係者やファンの注目が集まります。

ジャパンダートクラシックとは?

ジャパンダートクラシックは、3歳限定のダート三冠競走の最終関門であり、現行体系となって2年目の最高峰レースです。1999年に「ジャパンダートダービー」として始まり、2024年より新生三冠戦のトリを飾る位置づけになりました。ダート2000mの舞台で、中央・地方を問わず全国の有力馬が集結し、世代王者の称号をかけてしのぎを削ります。

ナチュラルライズ—抜群の成績と課題

  • 今年の成績:ここまで6戦5勝。唯一の敗戦(全日本2歳優駿4着)をのぞけば、羽田盃・東京ダービーと大井コースでの圧勝が光ります。
  • レース内容:東京ダービーではスタートから折り合いを欠きながらも、横山武史騎手が巧みにコントロール。直線では他馬を寄せ付けず、底知れぬスタミナとパワーで逃げ切り勝ちを収めました。
  • 能力評価:気性面での若さや折り合いの難しさは残るものの、「粗削りながらも圧倒的な力強さが持ち味」と多くの専門家が一致して高く評価しています。
  • 陣営のコメント:伊藤圭三調教師は「放牧明けも順調に乗り込めた。外枠でも包まれる心配はない」と仕上がりに自信をのぞかせます。

枠順・出走馬一覧

今年は全国から16頭が出走。主な顔ぶれとそのプロフィールは以下の通りです。

  • 1枠1番 ハグ(川田騎手):安定した末脚が光るJRA勢。
  • 5枠5番 ナルカミ(戸崎騎手):3連勝中の地方新星。
  • 8枠15番 ナチュラルライズ(横山武史騎手):本レースの圧倒的1番人気。
  • 7枠13番 ルクソールカフェ(佐々木騎手):直近のレースで強気の競馬を見せ注目。
  • 3枠4番 ナイトオブファイア(矢野騎手):京浜盃3着、戸塚記念で初タイトル。
  • 8枠16番 カセノタイガー(野畑騎手):地方のダート巧者。
  • 4枠8番 クレーキング(ルメール騎手):JRA期待の上位入線候補。
  • 5枠10番 アドマイヤデイトナ(坂井騎手):ケンタッキーダービー出走歴もある実力馬。

注目馬のプロフィール紹介

  • ナチュラルライズ:昨年の全日本2歳優駿4着から大井に舞台を移し大化け。不安定な気性が課題も、二冠で見せたスケールの大きな走りは唯一無二。三冠制覇の期待がかかる「ダート界の新時代を切り開く可能性」を秘めています。
  • ナイトオブファイア:デビュー後は破竹の4連勝、羽田盃2着・東京ダービー4着と王道路線で存在感。しぶとい末脚に注目。
  • ナルカミ:新馬戦の後は不振も、ここ3戦の連勝で勢い十分。不来方賞で初タイトルの勢いそのまま大井へ。
  • アドマイヤデイトナ:UAEダービー勝ち・ケンタッキーダービー出走など国際経験豊富。末脚勝負なら無視できない存在。
  • ソルジャーフィルド:2歳時はNARグランプリ受賞と安定感抜群。地方三冠馬としての底力を見せるか。

レース展望とポイント

  • 三冠のかかった一戦:大井2000mは一瞬の切れ味よりも、最後までしぶとく粘る持久力とスタミナが問われます。ナチュラルライズにとっては抜群の舞台といえそうです。
  • 展開の鍵は折り合い:ナチュラルライズはここまで折り合い難が目立つものの、それでも逃げ・先行策で他馬を圧倒してきました。今回も自分のリズムを崩さず進めることができれば頂点は近いでしょう。
  • 対抗勢力:海外帰りのアドマイヤデイトナや、一発がありそうな地方馬の突き上げにはやはり要注意。それでも現状ナチュラルライズが一枚も二枚も上と見られます。

関係者・ファンの声

  • 伊藤圭三調教師:「放牧明けも順調に乗り込み、態勢は整いました。外枠ですが包まれる心配はなく良い。」とコメントし、三冠の重圧を感じつつも自信をもって送り出す構え。
  • 騎手・横山武史:「御し切れてはいませんが、馬の力で勝ってくれました」と、東京ダービー時にも語るなど、馬の持つ絶対的な底力への信頼が見て取れます。
  • ファンの期待:「新時代の象徴として、ぜひ三冠を達成してほしい」「粗削りな強さが好き」と、SNSや現地インタビューでも応援の声が多く寄せられています。

過去のジャパンダートクラシックの歴史

長い歴史を持つ本競走ですが、これまで三冠全制覇を果たした馬はいませんでした。2024年からダート三冠の体系が刷新され、地方、中央の垣根を越えた真のチャンピオン決定戦としてさらなる注目度を増しています。第27回の本年は、まさに新時代の到来を象徴するレースといえるでしょう。

今年の見どころと展開予想

  • ハイレベルの先行争い:前半からペースが引き締まる可能性が高く、折り合いを欠きやすい馬にとっては試練です。ただ、その中でナチュラルライズが主導権を握る形となれば押し切る展開も十分に考えられます。
  • 他馬の一発:出遅れや乱ペースなど想定外の事態が起きれば、着順が大きく入れ替わる見込みも。実績馬以外にも大一番での一発が期待されます。
  • 三冠達成の瞬間に立ち会えるか:全ダートファン待望の瞬間となる三冠制覇は果たして実現するのでしょうか。その偉業を見逃さないよう、ぜひ当日のレースに注目を集めてください。

まとめ

ナチュラルライズは、その圧倒的なパワーとスピードでここまで世代の頂点を走り続けてきました。折り合いや気性の課題を乗り越えることができれば、史上初の三冠達成―ダート三冠新時代が現実のものとなるでしょう。日本ダート界の歴史に残る一戦を、ぜひご注目ください。

くわしいレース結果や当日の現地レポートは、レース終了後に改めてお届けいたします。ダート競馬の未来を担う名勝負の行方を、息をのんで見守りましょう。

参考元