ベガルタ仙台、市民後援会主催「ベガゼミ」修了――スポーツを通じた人材育成の新たな潮流

スポーツで人材育成を――ベガゼミの歩みと成果

ベガルタ仙台・市民後援会が主催する「VEGAゼミ(ベガゼミ)イベント企画&シャレン! with U-23」が、2025年10月をもって活動期間を終えました。このゼミは将来有望な大学生や専門学校生を中心に、スポーツビジネスやプロスポーツクラブ運営に関する実践的な知識を身につける場として開催されました。学生たちは、7か月間にわたりセミナーやイベント企画に積極的に参加し、地域貢献の視点やチーム運営のノウハウを多角的に学びました

VEGAゼミ開催概要――熱意あふれる学生たちの参加

  • 活動期間:2025年4月~2025年10月(各月2回の平日夜等)
  • 募集人数:最大40名(うち10名はリモート参加枠)
  • 対象:大学生・大学院生・専門学校生(23歳以下)
  • 参加費:無料
  • 主催:ベガルタ仙台・市民後援会
  • 協力:株式会社ベガルタ仙台/ベガルタ仙台ホームタウン協議会

活動は現地開催とリモート参加を組み合わせ、仙台市内でのセミナーを中心に進められました。参加学生は、ホームゲームの企画や観戦イベントなどへも関わりながら、スポーツを通じた地域活性化や社会貢献の可能性について実地で学ぶ機会を得ました。

地域とクラブ、人材をつなぐ新しい「学び」のかたち

ベガゼミの最大の特長は、サッカークラブ運営の現場に直結した実践的な体験ができる点です。学生たちはイベント企画等を通じて仲間と協働し、地域課題に向き合いながら解決策を模索しました。主催団体の市民後援会は、「ベガルタ仙台を通じて学生自身が地域やクラブへ関心を抱き、将来の働き方や社会との関わり方を考えるきっかけになること」を目標に掲げてきました。

「サカつく」の世界を体感――スポーツビジネス研究の新展開

2025年10月20日には、「サカつく」の世界――すなわちプロサッカークラブの経営やイベント運営、地域との連携などを理論と実践で学ぶ大学生向けのセミナーが開かれました。参加した学生たちは、プロスポーツ運営の実態や独自のアイディアを実際の企画へと落とし込み、その一部は実現に至りました

学生には「スポーツビジネスの現場で何が求められているのか」「クラブと地域が相互にどのような価値を持つのか」が問われ、参加による学びが自らのキャリア観や地元への思いを深める機会となりました。

ベガルタ仙台の人材育成――未来のアスリート・経営者・サポーターへ

ベガルタ仙台は育成部門の強化にも力を入れており、「国内・海外遠征を通じたグローバル人材の育成、地産地消食材を用いた食育および地域連携」を柱として、ユース・ジュニアユース・ジュニアを含むすべての育成組織が一体となって活動しています。日本のみならず世界で活躍できる人材の輩出を目指し、教育・体験・社会貢献を融合させたアプローチが続けられています。

クラウドファンディング「EVER GOLD SPIRIT FUTURES 2025」――競争力あるクラブへ

2025年9月19日~10月28日の期間、ベガルタ仙台は「EVER GOLD SPIRIT FUTURES 2025」クラウドファンディングを実施しました。本プロジェクトはアカデミーからトップチームまで計画的な人材育成を進めるための資金を募る取り組みです。目標額は2,000万円で、資金はアカデミーチームの移動手段やモチベーション向上、クラブへの帰属意識を高めるための車両購入・ラッピング等に充てられます

  • クラウドファンディングを通じて地域のみなさまや企業が支援者として関わる機会も拡大
  • 昨年のトップチームグラウンド・クラブハウス新設支援に続く継続プロジェクト
  • ベガルタ仙台の「強い足腰」――長期目線での競争力強化と育成基盤拡充

本取り組みはメディアやサポーターからも大きな関心を集めており、地域全体でクラブの未来を支えていく姿勢が表れています。

地域社会とベガルタ仙台――共創による持続可能な未来へ

ベガルタ仙台は、自治体や企業、地域住民との連携を深めながら、スポーツクラブが担う「地域活性化」「人材育成」「社会貢献」の新しいかたちを模索しています。クラブの育成組織は、未来のJリーグ選手や日本代表だけを目指すのではなく、さまざまな分野で活躍できる若者を地域から育む役割も担っています。

また、サポーターや地域の声に耳を傾け、多様なイベントやセミナー、アカデミー活動、食育支援・社会貢献事業などを展開しています。「ベガゼミ」での学生たちの学びと挑戦は、クラブと地域、世代を超えた新しい絆づくりにもつながっており、仙台・宮城の未来に向けた希望として期待が寄せられています。

学生たちの「挑戦」と「成長」――プロスポーツ運営の現場から

「ベガゼミ」修了生の多くは、「仲間と一緒に何かを作り上げる体験」「地域社会との関わり」「プロスポーツクラブ運営の醍醐味」を実感し、今後の進路や人生観にも好影響を受けたと話します。ゼミを通じて培ったネットワークやイベント企画力は、スポーツ界のみならず、地域社会や企業活動においても多様な形で生かされていくことでしょう。

ベガルタ仙台の持続的な歩みと将来への展望

ベガルタ仙台は今後も、スポーツを通じた人材育成と地域連携を軸に、変化する社会課題に対応した活動を積極的に進めていく方針です。一方で、クラブ運営には財政面や人材確保、地域とのさらなるパートナーシップ構築など多くの課題も残されています。これからも市民後援会や学生・サポーター・地域社会とともに、新しいモデルによるクラブ運営――「つくる」「育てる」「つなぐ」――の価値を追求していくことが期待されます。

ベガルタ仙台と地域とをつなぐ橋渡し役としての「ベガゼミ」、そして多彩な人材育成・社会貢献活動。これらの取り組みが生み出す新しい絆が、「スポーツを通じた豊かな社会の実現」に向けて、着実な一歩となっています。

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