メラブ・ドバリシビリ vs コーリー・サンドヘイゲン――UFC320バンタム級タイトル戦の全貌
はじめに――UFC320とメラブ・ドバリシビリの注目戦
2025年10月5日、日本時間朝7時から、ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナにおいて、世界中の格闘技ファンが注目するイベント「UFC 320: Ankalaev vs. Pereira 2」が開催されました。この大会はライトヘビー級とバンタム級のダブルタイトルマッチを含み、そのセミファイナルとして登場したのがバンタム級王者メラブ・ドバリシビリと、挑戦者コーリー・サンドヘイゲンによる世界戦です。両者のこれまでの歩みと、試合内容、その背景にあるストーリーまで深掘りしていきます。
メラブ・ドバリシビリ――無敵の“マシン”
ジョージア出身のメラブ・ドバリシビリ(20勝4敗・UFC13連勝中)は、ここ数年のUFCバンタム級において支配的な強さを見せてきました。卓越したテイクダウン能力、手数を惜しまないファイトスタイル、そして「マシン」の異名にふさわしい超人的なスタミナ。その魅力は“終わらない連打”にとどまらず、その根底には「練習こそがもっとも楽しい時間」という格闘家ならではの精神性があります。
インタビューでも「王者になっていちばん楽しんでいるのは練習だ」と語っており、地道な積み重ねが自信となり、13連勝という快進撃を生み出しています。
コーリー・サンドヘイゲン――理詰めのストライカー、冷静なる挑戦者
対するコーリー・サンドヘイゲン(18勝5敗・UFC11勝4敗)は、独特の間合いと攻撃パターンで知られるストライカー。過去に強豪ウマル・ヌルマゴメドフとも激突し、相手のレスリングを体感したことで、自分の強み・課題を冷静に見つめなおしたと語ります。今回の挑戦にあたって、「ウマルと戦った経験があるので、今回自分のレスリングが世界トップで通用するか疑問を持たず臨める」と語り、メラブ相手にも臆することなく、自分のゲームプランを信じて戦う姿勢が際立ちます。
バンタム級タイトルマッチの見どころ
- メラブの“止まらない圧”:1Rからペースを握り、強烈なプレッシャーで相手を削る。テイクダウン回数は驚異的で、グラウンドでも立ったままでも休むことなく攻撃します。
- サンドヘイゲンの対応力:サウスポー、オーソドックスをスイッチしながら、遠い間合いからヒザ蹴りや打撃のカウンターで状況を覆す可能性があります。メラブの圧に対し、いかに組みを防ぐかがポイント。
- 激しい打撃戦への展開:「打撃の応酬が増える試合になる」と両者が示唆していた通り、MMAならではの総合力のぶつかり合いが最大の見どころです。
技術と心のぶつかり合い――互いに見せる成長と葛藤
ドバリシビリは「強さの源は“楽しむ心”」と語り、一方で「楽しむあまり隙が生まれる可能性も」と一部専門家は指摘します。一方のサンドヘイゲンは、これまでの自身の課題にしっかり向き合い、慎重かつアクティブな戦術に自信があります。両者は試合前の発言でも余裕と闘志を言葉にしています。
大会の開催概要と放送情報
- イベント名: UFC 320: Ankalaev vs. Pereira 2
- 開催日: 日本時間2025年10月5日(日)午前7時開始
- 会場: T-Mobileアリーナ(米国・ラスベガス)
- 主催: Endeavor/UFC
- メインカード: UFC世界ライトヘビー級「マゴメド・アンカラエフ vs アレックス・ペレイラ」
- セミファイナル: UFC世界バンタム級「メラブ・ドバリシビリ vs コーリー・サンドヘイゲン」
- 視聴方法: U-NEXT、UFC Fight Passなどで生中継(アーカイブ配信・見逃し配信あり)
会場となるT-Mobileアリーナには、米国を中心に世界中からトップファイターが集結。UFC公式VIPパッケージも販売され、ファンイベントも盛大に行われました。
両者の戦績・特徴比較
選手名 | 出身 | 通算戦績 | 強み | 最近の傾向 |
---|---|---|---|---|
メラブ・ドバリシビリ | ジョージア | 20勝4敗(UFC 13連勝中) | グラップリング、タフネス、スタミナ | ペースを全く落とさず組み付き続ける |
コーリー・サンドヘイゲン | アメリカ | 18勝5敗(UFC 11勝4敗) | 間合い支配、カウンター、総合力 | 戦術適応力・レスリング警戒 |
ファン・専門家の期待と注目点
国内外のメディアは、「どちらがプレッシャーの主導権を握るか」「メラブの連勝が続くのか、それとも新王者誕生か」に大きな注目を寄せています。また、「戦うことを心から楽しむ」というメラブ独自のマインドセット、そしてサンドヘイゲンの洗練された技術とファイティングIQが、どのように噛み合うかは大きな見所です。
まとめ――バンタム級の“最先端”が表現された一戦
UFC320におけるメラブ・ドバリシビリ vs コーリー・サンドヘイゲンは、単なる王者防衛戦、挑戦者の野望にとどまらず、現代MMAバンタム級の最先端が集結した“技術と心のぶつかり合い”となりました。両者が語る「楽しむこと」「進化し続けること」は、これからのMMA界に大きなヒントを残す一戦となったのです。ファンならずとも、「努力と楽しみの先にこそ、本物の強さがある」と実感できる名勝負だったのではないでしょうか。