U-20W杯グループステージ最終戦直前特集:U-20日本代表対U-20ニュージーランド代表
大会の舞台と両チームの現状
2025年10月4日午前8時(日本時間)、サッカーU-20ワールドカップのグループA第3節がチリのバルパライソ・エリアスフィゲロアスタジアムで行われ、U-20日本代表はオセアニア王者・U-20ニュージーランド代表と激突します。日本は2連勝で既にノックアウトステージ進出を決めていますが、グループ首位通過、そして今後の戦いに向け重要な一戦となります。
U-20日本代表:攻守両面の充実と選手層
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これまでの戦いぶり
日本は第1節でエジプトに2-0、第2節でチリに2-0と、いずれも無失点の快勝。攻撃と守備のバランスが良く、ボール保持からの展開やカウンター、組織的守備が光っています。 -
ターンオーバーの予想
これまで先発メンバーをほぼ固定して戦ってきたため、最終戦ではターンオーバー(主力休養、控え出場)が予想されます。しかし、交代出場の選手たちも短い出場時間ながら高いパフォーマンスを見せており、選手層の厚さを証明しています。 -
注目選手
特に中盤では小倉幸成選手、石渡ネルソン選手が「前へ出る」「刈り取る」といったチームの肝となる特徴を持ち、スタメン起用が有力視されています。FW平賀大空選手や高岡伶颯選手など、前戦の反省を糧に奮起が期待される選手もいます。 -
「超える」への決意
法政大の小倉幸成選手は「超える」という言葉を三度も口にし、恩師が成し遂げられなかったU-20W杯制覇への強い覚悟を示しています。個人・組織ともに前進し続ける姿勢がチームを牽引しています(ゲキサカ)。
ニュージーランドU-20代表:強みと日本への脅威
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シナジーと組織力
ニュージーランド代表は同じクラブ出身の選手が多く、チーム内連携や完成度の高さで日本を上回る部分もあります。 -
高さという明確な武器
セットプレーや空中戦などで「高さ」を生かす戦術が特徴で、日本にとってはセットプレー守備がカギになると予想されます。 -
大会での戦績
今大会、ニュージーランドはグループ初戦でチリに1-2で敗れたものの、第2節ではエジプトに2-1で勝利。日本戦へのモチベーションは非常に高いと見られます。
日本の戦術的キーポイント
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機動力で勝負
機動力の高いハイプレスや相手のビルドアップ潰し、独自のテンポを生かす攻撃が予想されます。中盤での素早いボール奪取と連携がカギを握ります。 -
リバウンドメンタリティー
前節で本来の力を発揮しきれなかった選手たちのリベンジ、競争意識の高さも日本代表の強みです。控え選手含め、どこからでも試合を動かせるのが今大会の日本の特徴です。
注目の若手と「超える」精神――小倉幸成選手の存在感
今回のU-20日本代表の中でも、とりわけ印象深い存在なのが法政大の小倉幸成選手です。小倉選手は、恩師が指導した過去の世代がU-20ワールドカップ準優勝に終わったことへの想いを受け継ぎ、今大会ではその「準優勝」を「超える」=優勝に強い意志を燃やしています(ゲキサカ)。
「仲間のために、そして日本サッカーの未来のために一つでも上の成績を残したい」「恩師が叶えられなかった世界一を自分たちの手で掴む」、そんな精神的支柱がピッチでのプレーにも表れています。
大会を変えるFVS:新映像判定技術の仕組みと意義
今大会で大きな話題となっているのが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)ではなくFVS(Football Video Support)という新たな映像判定サポートシステムが導入された点です。
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VARとの違い
FVSは従来のVARのような自動介入型ではなく、リクエスト方式(チームが審判に判定確認を求める方式)を採用しています。そのため、必要な場面でのみ映像確認が行われ、試合の流れを極力妨げない特徴があります。 -
コスト削減
審判の人員や運用設備が簡素化できるため、コスト面でも優れており「誰もが安心して使える判定支援」を実現しやすいとされています。 -
サッカーへの影響
FVS導入は今後のサッカー界全体の判定透明性向上や、グラスルーツへの普及にも波及効果があると期待されています。
グループAここまでの経過と今後の展望
ここまでのグループA順位は以下の通りです。
順位 | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
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1 | U-20日本 | 6 | 2 | 2 | 0 | 0 | 4 | 0 | +4 |
2 | U-20チリ | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 2 | 3 | -1 |
3 | U-20ニュージーランド | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 3 | 3 | 0 |
4 | U-20エジプト | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 1 | 4 | -3 |
日本は勝てば首位通過が濃厚ですが、引き分け・敗戦の場合でもノックアウトステージ進出は確定です。ただし1位通過することで大会後半での対戦相手に有利になるため、最終戦でも全力を尽くして勝利を目指す姿勢が重要です。
両国U-20代表の歴史と「世界」への挑戦
U-20ワールドカップは将来の日本代表や欧州クラブで活躍するであろうスター選手の登竜門。小倉幸成選手らを中心に、「世界」を肌で感じ、自分たちの成長を証明する絶好の機会です。
ニュージーランドも近年は育成面、組織力、体格差などを活かして堅実に勝ち上がってきており、侮れない存在です。お互いの若き才能のせめぎ合いと、FVSという新技術の下での戦いが新たな歴史を刻む一戦となるでしょう。
試合の行方と日本サッカーへの期待
小倉幸成選手の「超える」決意、チーム全体の機動力と組織力、多様な才能が結集するU-20日本代表。彼らの挑戦が、世代交代、そして日本サッカー界全体のポジティブな刺激となっています。ニュージーランド戦の結果そのものだけでなく、各選手が得る国際経験は日本サッカーの未来に必ず生きていくでしょう。
この大切な一戦を経て、U-20日本代表がどこまで「超えて」いけるのか、今後も熱い視線が注がれます。