竹部さゆり女流四段、不適切発言で公務自粛を発表―将棋界に波紋広がる

波紋を呼んだJT杯での発言

2025年8月16日に行われた将棋のJTプロ公式戦で、聞き手を務めていた竹部さゆり女流四段(47)が、対局者のプライベートに関わる情報を公の場で発言し、その内容が大きな波紋を広げています。今回の発言は、竹部女流四段が「A八段がバツイチである」などと、個人のプライバシーに深く関わる情報を突然明かしたことで、場の空気が凍りつき、会場やネットでは強い批判が相次ぎました。

X(旧Twitter)での謝罪と公務自粛の表明

竹部女流四段は、対局終了後、自身のX(旧Twitter)アカウントを通して以下のように謝罪しました。

  • 「私の軽率な発言により、ご本人ならびに関係者、そして将棋ファンの皆様に多大なご迷惑とご不快な思いをおかけし、深くお詫びいたします」
  • 「今後1年間は対局以外の将棋関連公務(イベント出演、聞き手、解説、講義等)を自粛し、より一層自らを律して参ります」

この発表後にも反響は収まらず、将棋ファンだけでなく関係者からもさまざまな意見が寄せられています。

一連の出来事の詳細

問題が起きたのは、8月16日の夕刻より開催されたJTプロ公式戦(一般に「JT杯」)。竹部女流四段は聞き手として大会に臨んでいました。対局解説の最中に突然、対局者の私生活に関する話題(具体的には「離婚歴」等)に言及。その場にいた解説者の中村九段が「さすがにやめましょう」と制止したものの、竹部女流四段はしばし話を続けてしまいました。

会場にいた観客やオンライン視聴者からは、「場違い」「不快」「プロとしての自覚に欠ける」といった厳しい声が殺到。SNSでは瞬く間にトレンド入りし、竹部女流四段の発言に対する批判が相次ぎました。

竹部さゆり女流四段のこれまで

竹部女流四段は1990年代から活躍するベテランの女流棋士であり、魅力的なキャラクターと率直な発言でファンの多い存在として知られていました。解説やイベント等でも親しみやすさが人気でしたが、一方でこれまでにも「爆弾発言」や「毒舌」で炎上することが数回ありました。

  • 2010年代:ニコニコ生放送での「アバズレ」発言
    他の女流棋士を指して「アバズレ」という、差別的な言葉を用いたことがあり、当時もやはり批判が殺到しました。この言葉は、現代日本において強い侮蔑や攻撃の意味を持ち、公の場での使用が厳しく禁じられています。
  • イベントでの問題行動
    子ども将棋教室で「おら指せよ」と発言し、参加者や保護者から苦情が寄せられたこともありました。

こうした経緯から、今般の出来事は「またか」と受け止められ、世論の批判が一層大きくなった面があります。

将棋界・ファンの反応

竹部女流四段の公務自粛発表を受け、将棋界やファンの間では賛否両論が巻き起こっています。

  • 厳しい声
    「何度も繰り返される失言はプロ意識の欠如」、「他人のプライバシーを公にする行為は許されない」、「将棋界の品位を損なう」といった厳しい意見が多く寄せられています。
  • 擁護や温かい意見
    一方で、「人柄自体は温かい」「反省している様子なので見守りたい」「公務自粛で十分反省を」との声も見られ、完全に非難一色というわけではありません。

SNS・ネット上の拡大する議論

今回のニュースはX(旧Twitter)や各種SNSで瞬時に拡散され、大きなトピックとなりました。特に「女性棋士」「プライバシー」「SNS時代の炎上」といった観点からも多くの議論が展開中です。これまでの失言履歴とあいまって、「たび重なる炎上」を問題視する声も強まっています。

プロ棋士に求められる言動とは

将棋界は伝統と礼儀を重んじる世界として知られています。その中で、棋士や女流棋士には、対局中だけでなく、解説やイベント対応、SNSでの発信など、公の場での言動にも高い倫理観と慎重さが求められます。

竹部女流四段のように解説や聞き手としてメディアに登場する棋士は、ファンとの距離が近い分、ひとつの発言が世間に与える影響も大きいのです。今回の件を機に、より一層「プロ棋士としての自覚」が求められることは間違いありません。

自粛期間中の行動と今後の将棋界

竹部女流四段は今後1年間、公務を自粛し、対局以外のイベントや講座などへの出演を控えると発表しました。これを受け、日本将棋連盟内外での再発防止やハラスメント防止研修などの必要性も指摘されています。

今後、将棋界全体で情報リテラシーや倫理観向上のための研修・教育、またSNS時代に即したネット炎上対策などの施策が求められるでしょう。

竹部さゆり四段、再起への道筋

今回の騒動は多くの批判を集めましたが、一方で彼女のこれまでの指導実績・将棋普及活動も多くのファンや子どもたちに愛されてきたことも事実です。自粛期間中にしっかりと自己反省と成長を重ね、1年後にはまた明るい笑顔で将棋界に戻ってくる姿を期待したいという、温かい意見もあります。

SNS等では「バーサーカー(逆境に燃えて成績が上がること)」化を期待する声や、将棋の成績向上に励んでほしいという応援メッセージも見られます。

まとめ:情報発信の責任と将棋界の未来

今やスポーツや伝統文化の世界でも、一つのミスが瞬時に拡散され炎上に発展する時代となりました。発信力のある女流棋士だからこそ、一言一言に細心の注意が必要です。竹部女流四段の今回の自粛発表は、改めてプロ棋士に求められる倫理観と自己管理の重要性を強く示す出来事となりました。

将棋界全体がこの出来事を教訓とし、プレーヤー・関係者・ファンが安心して楽しめる風土を築くことが望まれます。

参考元