ソフトバンクが狙う世界基準の新星、エミール・セラーノ・プレンサ――プロ野球ドラフト2025が注目される理由
2025年10月23日、都内で開催されたプロ野球ドラフト会議において、福岡ソフトバンクホークスが、栃木県・幸福の科学学園のエミール・セラーノ・プレンサ外野手(18)の指名方針を固めていたことが報じられ、大きな話題となっています。エミール選手は卓越した身体能力と規格外のパワーで評価を急上昇させた注目の逸材。今「世界水準」の選手がNPBの舞台に現れようとしています。
エミール・セラーノ・プレンサとは――ドミニカンの血を引く大型外野手
- 出身: ドミニカ共和国生まれ。父はNPBでも活躍した強豪右腕、ドミンゴ・グスマン氏(元楽天・横浜・中日)で、NPB通算30勝、108試合に登板した実績をもちます。
- 身体能力: 身長189cm、体重105kgの恵まれた体躯。パワー・スピード・守備と三拍子揃い、右打ちの外野手として活躍が期待されています。
- 高校通算本塁打: 22本塁打(高校3年間)。並外れた飛距離を誇る「ロマン砲」とも呼ばれる存在です。
- 登板経験: 投手としても150km/hに迫る速球を投げる二刀流の素質も持つ逸材(背番号1で投手兼任の場合もあり)。
幸福の科学学園での活躍――地方大会での圧倒的な存在感
エミール選手は2025年夏の栃木大会で一気に評価を高めます。4番中堅手・投手としてベスト8進出の原動力となりました。特に小山西との3回戦では、9回裏に同点ソロ、延長11回にサヨナラ満塁弾。2打席連続のホームランという両チームの運命を分ける大活躍を見せました。この大会、3試合で12打数7安打(打率.583)、2本塁打、9打点という凄まじい成績を残しています。
「世界水準」へのこだわり――ソフトバンクのドラフト戦略
ソフトバンクは創設時から「世界一」を目指し続け、国際色豊かな逸材の発掘・獲得を徹底してきました。その方針のもと、エミール選手のような規格外の才能に期待を寄せています。永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長も「変わらず一芸に秀でている選手は、うちのドラフト戦略として獲っていきたい」と語り、独自路線の選手獲得を強調しています。
- 2017年ドラフト:リチャード(現・巨人)を育成3位指名
- 2020年ドラフト:笹川を2位指名
- 2022年ドラフト:イヒネを1位指名
過去にも身体能力に優れた野手を指名してきた流れがあり、今年もその矛先が「世界基準のスケール」を兼ね備えるエミール選手に向けられた形です。
ライバルと比較されるポテンシャル――高校野球からNPB、そしてその先
担当スカウトは、日本ハム・レイエス選手(同じくドミニカ出身で2025シーズン本塁打・打点王の二冠獲得)のような、NPBでもトップクラスの長距離砲への成長を期待しています。エミール選手は、その圧倒的な飛距離とパワーだけでなく、「走攻守」すべての面で一線級との評価を受けています。
また、「規格外枠」として注目されたのは、岩手・花巻東で高校通算140本塁打を記録し、現在米・スタンフォード大の佐々木麟太郎選手(20)も指名候補として残されています。しかし、佐々木選手は来年のMLBドラフトでも指名対象となるため、交渉が難航するリスクがあります。その点、エミール選手にはそうした心配がないとの見方が強いです。
ドミニカンデュオが描く大きな夢――幸福の科学学園のエミール&ユニオール
幸福の科学学園高校には、捕手のユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス選手も在籍しており、エミール選手と「ドミニカンデュオ」としてNPB入りを夢見る話題もあります。ともに異国の地で切磋琢磨し、日本の高校野球で上をめざす日々を過ごしてきた両選手。エミール選手のドラフト指名は、彼だけでなく全国でプレーする外国人ルーツの球児たちの希望の星となります。
プロ野球界における指名の意味――多様性と世界基準
今回の指名には、純粋な戦力補強としての意味だけでなく、多様性やグローバル化が進む日本野球界の象徴という側面もあります。NPBでは、アメリカや韓国からの助っ人だけでなく、近年はドミニカや中南米ルーツの選手が増えており、彼らの活躍がリーグ全体のレベルアップにも繋がっています。ソフトバンクは「強さ」だけでなく「多様性」を推進する存在として、彼らの躍動に期待を寄せています。
プロ入り後の期待と課題――高い「打球飛距離」と「総合力」
エミール選手は現時点でも打球速度・飛距離に定評がありますが、NPBの一軍の壁は高いものです。より高度なピッチャーを攻略するバッティング技術、守備力、走塁面ではまだ改善の余地も。今後の育成・成長次第で、同じドミニカ出身の大砲たちと肩を並べる大型選手となれるだけのポテンシャルを持つと言えるでしょう。
- 打撃面: 圧倒的飛距離と一発の魅力。プロでのパワーヒッターとしての成長に注目が集まる。
- 守備・走塁: 外野手としてのスピードと判断力を持ち、走攻守の三拍子を高く評価される。
- 精神面: 異国での厳しい環境下でも自身を磨き、チームに貢献する献身性が光る。
高校野球選手に与える影響――次世代へのロールモデル
エミール選手の台頭は、国内外問わず次世代の高校球児への大きな刺激となります。「世界水準」「グローバル」「多様性」などの言葉は、これまでどこか遠い存在でしたが、彼のような実力と夢を両立した新時代の選手が増えていけば、日本野球の未来もさらに明るくなることでしょう。
まとめ:ソフトバンクとエミールの出会いがもたらす日本球界の未来
2025年ドラフト会議でのエミール・セラーノ・プレンサ外野手の指名は、プロ野球界に新たな風を送り込む出来事といえます。福岡ソフトバンクホークスの世界を見据えた抜擢が、球界のこれからの国際化や多様性推進に一石を投じる――エミール選手の今後の成長と活躍に期待は膨らむばかりです。