佐賀県アマゴルフ選手権が熱戦開幕 「県一」目指す600人の挑戦とベテラン達の偉業
2025年8月24日、佐賀県各地の名門ゴルフ場を舞台に、県内アマチュアゴルファーの頂点を決める恒例の佐賀県アマチュアゴルフ選手権大会が盛大に開催されました。今年で第31回目を迎えた本大会には、幅広い年代や部門から約600名もの選手が集結し、真夏のグリーンで熱い戦いを繰り広げました。
バラエティ豊かな10部門、世代ごとの頂点を目指して
佐賀県アマチュアゴルフ選手権は、その名の通り多様な年代・カテゴリのゴルファーに門戸を開いた大会です。一般の部からスタートし、50歳以上、60歳以上、70歳以上、80歳以上と年代ごとの部門、さらには女子部門に至るまで、合計10部門での競技となります。各部門で「佐賀県一」を目指すプレーヤー達によって、毎年多くのドラマが生まれています。
<男子70歳以上> 青木英樹選手(唐津市)が逆転優勝、王者の復活劇
今年の注目は、70歳以上男子の部で栄冠を勝ち取った青木英樹選手(唐津市)の活躍です。かつて同部門の頂点に立った経験を持つ青木選手でしたが、近年は惜しくも王座を譲っていました。しかし今大会では、序盤のスコアで苦しみながらも後半に怒涛の巻き返しを見せ、最後まで諦めずにスコアをまとめる粘りで見事な逆転優勝を果たしました。
青木選手はラウンド後、インタビューで「いつかまたこのタイトルを取り返したいと練習してきました。仲間や家族の支え、そしてこの年齢でも切磋琢磨できる大会への感謝を胸にプレーしました」と笑顔で語りました。
<男子80歳以上> 藤本隆選手、驚異の14回目の優勝
さらに会場の注目を集めたのが、男子80歳以上の部で14度目の栄冠に輝いた藤本隆選手です。藤本選手はこの部門の草創期から常に上位争いを繰り広げてきたベテラン。80歳を越えてなおショットの切れやパットの精度は衰えを知らず、今回も安定したラウンド運びでライバルに大差をつけての圧巻の優勝となりました。
藤本選手は「これで14回目となり、年齢に負けず楽しみ続けている自分を誉めてあげたいです。まだまだ記録を伸ばしたい」と新たな目標を語り、周囲の選手や観客達から惜しみない拍手が送られました。
予選を勝ち抜いた精鋭たち 部門ごとの競争激化
- 一般の部では、若手や社会人ゴルファーがハイレベルな技術を競い合い、手に汗握る接戦を展開。
- 50歳以上、60歳以上の部門でもベテラン同士のプライドを賭けた戦いが見られ、毎年下剋上のドラマが生まれています。
- 予選を通過できるのは各部門ごくわずか。たとえば男子一般の部は23位まで、50歳以上は9位まで、60歳以上は8位までが決勝に進めるなど、厳しい競争を勝ち抜いた選手のみがファイナルステージに駒を進めました。
決勝大会では実力派が勢揃いし、各カテゴリで頂点争いが激化。予選大会から一気にレベルが上がり、観戦する側もハイレベルなゴルフが堪能できるのが魅力です。
男女の垣根を越えた交流と地域スポーツの底力
佐賀県アマチュアゴルフ選手権のもう一つの特長は、男女混合で開催されることや、世代を超えたプレーヤー同士の交流にあります。ゴルフを通じて地域内外の友好が深まり、「生涯スポーツ」としての魅力が再確認される場にもなっています。
また、参加者や観客・ボランティアの多くが地域のゴルフ愛好者で構成されており、地元のゴルフ文化維持・発展にも大いに貢献しています。今大会も多くのゴルフ場スタッフや関係者、地元企業が運営面でサポートし、大会の円滑かつ安全な進行を支えました。
プレーヤーたちの声 ⻑年にわたり蓄積される思い出と次世代への継承
大会終了後、選手達からは
- 「大会で知り合った仲間が自分のゴルフ人生を豊かにしてくれた」
- 「年齢を重ねても目標を持つことの大切さを再認識した」
- 「子どもや孫にも大会の楽しさを伝えていきたい」
といった声が多数聞かれました。参加者の中には親子三世代で競技するファミリーも見受けられ、県内ゴルフ文化がしっかりと次世代へバトンタッチされている様子が伺えました。
今大会の意義と今後の展望
長引くコロナ禍や少子高齢化といった社会課題に直面しつつも、佐賀県アマチュアゴルフ選手権はこれからも多くの競技者に夢や目標を与え、地域コミュニティの絆を育て、ともに支え合う場としての役割を担っていくことが期待されます。
今年の熱戦を糧に、来年以降もさらなるレベルアップを目指す選手たちの挑戦が今から楽しみです。
まとめ:スポーツとしてのゴルフの「生涯現役」を体現
70代、80代であっても年齢に打ち勝ち、限界を超えて新たな夢に向かうベテランゴルファーの姿は、多くの人に勇気や希望を与えてくれました。「生涯現役」を合言葉に、次回の大会でも再び感動のドラマが生まれることでしょう。