広島カープ戦力外・松山竜平が現役続行をかけてトライアウトへ挑む
2025年11月、プロ野球界に新たなドラマが生まれようとしています。12日、マツダスタジアムで開催される「エイブルトライアウト2025」には、38名の戦力外通告を受けた実力者たちが新天地を目指して集まります。そのなかには、広島東洋カープで18年もの長きにわたりプレーし、今季限りで球団から戦力外通告を受けた松山竜平外野手(40)の姿もあります。松山選手は、「もう一度輝くために、ここが新たなスタート」と語り、彼の挑戦に熱い注目が集まっています。
プロ野球トライアウト―12球団を目指す38人の戦い
毎年オフシーズンに行われる12球団合同トライアウトは、多くのプロ野球選手たちが現役続行をかけて己をアピールする舞台です。今年も広島・松山竜平のほか、阪神からは元ドラフト1位の森木大智、ソフトバンクからは中継ぎの又吉克樹など、各球団で一時代を築いたベテランや若手が名を連ねています。
- 松山竜平(広島戦力外):18年カープ一筋の功労者、40歳。
- 森木大智(阪神戦力外):かつてのドラ1右腕。
- 又吉克樹(ソフトバンク戦力外):中継ぎとしてNPBを盛り上げた。
- フルプ(巨人戦力外):チェコ出身助っ人、“チェコのジャッジ”として話題に。
- そのほか、元西武・渡部健人、中村健人、宇草孔基(ともに広島戦力外)、高橋礼(巨人戦力外・元新人王)など実績ある選手が数多く参加。
これらの選手たちが全力で己の実力をぶつけ合い、再びNPB、あるいは独立リーグや海外リーグへの道を模索します。観客席やプロ球団スカウトの前で繰り広げられるシートバッティングや守備練習は、単なる「お披露目」ではなく、“生き残り”をかけた真剣勝負そのものです。
松山竜平――再出発への準備と新たな打撃フォーム
松山選手は、カープからの退団決定後も「現役続行」の意志を鮮明にし、毎日大野練習場で汗を流しています。今季8月からは打撃フォームを大胆に変更。「変化球が増えた昨今の投手事情にも柔軟に対応できる打撃」を追求し、努力を重ねてきたのです。室内練習場に響く打球音は、ベテランでありながら「進化し続ける姿勢」を示しています。
松山さん自身、「やっぱりバッティングでどういう反応ができているかとか、簡単に三振しない、長打を打てるところを見せたい」と、力強いコメントを残しています。また、開催地が自身の原点ともいえるマツダスタジアムであることも、現役続行への気持ちを後押ししているのです。
トライアウト当日のスケジュールと観戦について
「エイブルトライアウト2025」は2025年11月12日(水)午前9時開場、10時よりシートノック開始、10時30分からシート打撃が予定されています。会場はマツダスタジアム(広島市)。観戦チケットは事前に販売されており、天候不順の場合は13日が予備日、その日も天候が悪ければ室内練習場での開催(観覧不可)になります。
- 会場:MAZDA Zoom-zoom スタジアム広島
- 日時:2025年11月12日(水)10:00~(開場9時)
- 予備日:11月13日(木)
- 観戦:雨天時は室内開催となり、一般観覧不可。
- チケット:会場の正面ゲートより入場。飲食販売・駐車場利用なし。
当日は公共交通機関の利用が推奨されています。また、球場内への危険物持ち込みやチケットの無断転売は禁止。選手たちの人生がかかった瞬間を、しっかり目に焼き付けることができます。
なぜ松山竜平は現役続行にこだわるのか
松山選手のモチベーションの根底には、「NPBへの未練」だけではなく、「応援してくれたファンへの恩返し」があるといわれます。18年という歳月を一球団一筋で過ごしつつも、自己革新を怠らず、「バット1本でもう一度勝負したい」という強い意志が伝わってきます。
また、現役続行に向けてはNPBだけでなく、独立リーグも視野に入れていると公言。どんな形であれ、野球への情熱が消えない姿勢に、多くの野球ファンが心を打たれることでしょう。
その他、注目のトライアウト参加選手たち
トライアウト2025には松山選手以外にも、多士済々のメンバーが揃っています。
- 森木大智(阪神戦力外):甲子園のスターからプロ入り、ケガや環境に悩まされつつも、まだ22歳と若さが武器。
- 又吉克樹(ソフトバンク戦力外):中日―ソフトバンクと経験豊富。数少ない中継ぎスペシャリスト。
- 高橋礼(巨人戦力外):2019年パ・リーグ新人王。サイドスローの技巧派右腕。
- マイク・フルプ(巨人戦力外):チェコ代表、“チェコのジャッジ”の異名で親しまれる。
- 渡部健人(西武戦力外):パワーヒッターとしてポテンシャル十分。
- 石川直也(日本ハム戦力外):元抑え、怪我を乗り越えてNPB復帰を目指す。
さらに、広島からは中村健人外野手、宇草孔基外野手も打撃練習で猛アピール中。巨人からは鴨打瑛二投手、高橋礼投手に加えフルプ選手が参戦します。
シートバッティングで精神力と技術力が試される
トライアウトでは主に「シートバッティング」と守備力が審査されます。ピッチャーと野手の“ガチンコ勝負”が続くなか、技術だけでなく、緊張感のなかで自分の力を発揮できる精神面も評価ポイント。松山選手は事前の練習で「小林樹斗投手に自分のバットを折られた」というエピソードもありましたが、その悔しさも糧にして本番に臨みます。
新天地を求めるベテランと若手――人生の分岐点
40歳の松山竜平だけでなく、20代前半~半ばの選手たちも多く参加しており、それぞれの世代に人生の大きな分岐点が訪れています。ベテランは経験知を、若手は将来性を武器に、少しでも多くの球団スカウトの目にとまろうと全力を尽くします。
プロ野球トライアウト――ファンにとっての意義と見どころ
毎年開催される合同トライアウトは、ファンにとっても特別なイベントです。普段はなかなか観られない「命運をかけた真剣勝負」「プロとしての誇り」が詰まっており、ひとりひとりのプレーの背景にドラマがあります。松山竜平が再びNPBの舞台で活躍する姿を願うファン、森木大智や又吉克樹、珍しい外国人選手の参加に胸を躍らせるファン、それぞれの「共感」が球場を包みます。
まとめ:松山竜平のバットは再びNPBの舞台で輝くか
元カープの松山竜平は、18年を過ごした広島の本拠地・マツダスタジアムで、もう一度プロとしての自分を証明しようとしています。年齢や実績、経験値では語りつくせない「挑戦心」と「野球愛」が交錯するトライアウト。厳しい現実もありますが、松山選手含む参加選手たちのプレーが、必ずや多くのファンや球団関係者の心を揺さぶることでしょう。新たな出会い、新たな人生の始まりとなるこの1日から、どんな物語が生まれるのか。引退か、現役続行か――その鍵は、わずか数打席、数イニングの勝負の中に託されています。



