第4回現役ドラフト2025が開幕 規定一部変更で「2巡目」活性化に期待

プロ野球の第4回現役ドラフト2025が、12球団参加のオンライン会議形式で開催されました。
現役ドラフトは、出場機会に恵まれていない選手に新たな活躍の場を与えることを目的とした制度で、今年はその仕組みの一部が見直され、「2巡目指名の活性化」が大きなテーマとなっています。

会議自体は非公開で行われ、詳細な指名結果は日本野球機構(NPB)の公式サイトなどで順次公表される予定です。
X(旧ツイッター)上では「現役ドラフト」「現ドラ」などの関連ワードがトレンド上位に入り、ファンの注目度の高さがうかがえます。

現役ドラフトとは?制度の基本ルールをおさらい

まず、今回のニュースのベースとなる「現役ドラフト」の仕組みを、やさしく整理しておきます。

  • 対象:12球団すべてが参加
    各球団は、自チームの所属選手の中から「現役ドラフトの対象リスト」を作成して提出します。
  • 必ず「1人は出て、1人は入る」仕組み
    全球団から最低1人は他球団へ移籍し、逆に他球団から最低1人は自球団に加わる形になります。これにより、どの球団も「出るだけ」「取るだけ」にはならないのが特徴です。
  • 会議はオンライン・非公開で実施
    ドラフト会議と異なり、ファンやメディアにはリアルタイムでの様子は公開されません。結果のみが、のちに公式に発表されるスタイルです。
  • 目的は「出場機会の活性化」
    戦力外直前の選手だけではなく、「力はあるがポジションがかぶっている」「一軍に食い込めていない」といった選手にも、新天地でのチャンスを与えることが狙いです。

2025年の変更点:2巡目指名ルールが大きく変化

今年の第4回現役ドラフトで最も大きなトピックとなっているのが、「2巡目指名」に関するルール変更です。

これまでの3回の現役ドラフトでは、2巡目で指名されるケースは「1例のみ」と非常に少なく、制度の本来の狙いである「移籍の活性化」という点で課題が指摘されていました。

そこで今年は、2巡目の指名数を増やすことを目的に、規定の一部が見直されました

  • 1巡目:
    各球団がリストに掲載した対象選手の中から、他球団が指名を希望。もっとも多くの希望を集めた球団から順に指名権が与えられ、必ず「1人出て1人入る」形で進行します。
  • 2巡目:
    今年からは、各球団が「指名意思あり」「指名意思なし」「不参加」のいずれかを選択して議長に通知する方式が導入されました。
    これにより、「獲得の意思はないが、放出のみで参加する」ことも可能となり、結果として追加の移籍が増えやすい構造になっています。

このルール変更により、2巡目指名のハードルが下がり、「もう一押しで出場機会を得られそうな選手」「環境が変わればブレークしそうな選手」が、より多く新天地を求めて動く可能性があります。

過去の現役ドラフトから生まれた“成功例”たち

現役ドラフトはまだ始まって4年目の新しい制度ですが、その中からすでに複数の成功事例が生まれています。

  • 阪神・大竹耕太郎投手(元ソフトバンク)
    2022年(第1回)の現役ドラフトで阪神へ移籍。
    先発ローテーションの一角として活躍し、勝ち星を重ねたことで、現役ドラフトの「代表的成功例」として名前が挙がる投手です。
  • 中日・細川成也外野手(元DeNA)
    同じく2022年の現役ドラフトで中日へ移籍。
    本塁打を量産する長距離砲として才能を一気に開花させ、2023年以降はチームの中軸打者として存在感を高めました。
    推定年俸は移籍後に大きくアップし、「現役ドラフト出身選手で初の年俸1億円突破」という節目も達成しています。
  • 日本ハム・水谷瞬外野手(元ソフトバンク)
    2023年に現役ドラフトで日本ハムへ加入。
    新天地で出場機会を得ると、パンチ力のある打撃で活躍し、大幅昇給を勝ち取りました。
  • 日本ハム・田中瑛斗投手(元2024年現役ドラフト組)
    2024年の現役ドラフトで日本ハムに加わると、強力リリーフ陣の一角として62試合に登板、防御率2.13とブレーク。
    推定年俸は750万円から4650万円へと一気にアップし、昇給率520%という、現役ドラフト組として過去最高の伸びを記録しました。
  • ロッテ・細川成也、中日・水谷瞬らの「500%昇給組」
    高校野球情報サイトなどでは、「現役ドラフトで500%以上の昇給を勝ち取った選手」として、大竹耕太郎、細川成也、水谷瞬ら4選手を特集。
    新天地で結果を残せば、年俸面でも大きなリターンがあることを象徴する事例になっています。

こうした成功例が積み重なったことで、球界全体でも「現役ドラフトは選手にとってチャンスになりうる」という認識が広がり、今年の第4回にも注目が集まっています。

退団は限定的、「キャリア再生」の場として機能

現役ドラフトで指名された選手のその後を見ていくと、「移籍=その後すぐに戦力外」というケースは決して多くありません。

報道によると、過去3年間で現役ドラフト指名された37人のうち、退団となったのは16人にとどまっています。
半数以上の選手が、新しい球団で一定期間プレーを続けている計算となり、「キャリア再生の場」として機能している側面がうかがえます。

もちろん、すべての選手がブレークしているわけではありませんが、「試合に出られないまま年数だけ重ねていく」という状況を避けられる点は、選手にとってもメリットと言えます。

2025年の現役ドラフトはどう進む?結果発表のタイミング

第4回となる2025年現役ドラフトも、これまでと同様にオンライン・非公開で会議が行われています。

現時点では、NPB公式サイト上のページには「2025年現役ドラフト結果は、準備ができ次第このページで発表いたします」と記載されており、結果の公表待ちの状態です。

例年の流れを振り返ると、

  • 会議は午後1時頃から開始
  • 結果は夕方17時過ぎにNPB公式ホームページで発表されるパターンが多い

とされています。
今年の第4回も、おおむね同様の時間帯での発表となるとみられ、ファンや関係者は公式サイトの更新を待っている状況です。

Xでも大きな話題に 「今年のブレーク候補は誰だ?」

今回の現役ドラフトは、会議の中身こそ非公開ですが、X(旧ツイッター)上ではすでに大きな盛り上がりを見せています。

  • 「現役ドラフト」「第4回現役ドラフト」などのワードがトレンド上位にランクイン
  • 各球団ファンが「誰がリストに入っていそうか」「誰を獲得してほしいか」を議論
  • 過去の成功例である大竹耕太郎、細川成也、水谷瞬らの名前を挙げ、「今年の“第2の細川”は誰か」といった投稿も多数

一部メディアでは、中日ドラゴンズの「現ドラ候補」について、「6打数6安打男」「右の長距離砲」といった特徴で候補を分析する記事も掲載され、ファンの想像をかき立てています。

このように、「誰が出るのか」「誰が新天地でブレークするのか」という点が、現役ドラフトの大きな見どころとなっています。

今年の制度変更がもたらすもの

今回の第4回現役ドラフトで導入された「2巡目の新ルール」は、今後のプロ野球の選手起用や編成にも影響を与えていきそうです。

  • 2巡目指名が増えることで、移籍選手の数が増加する可能性
    これまで「動かしづらかった層」の選手に、新たな活躍の場が与えられる余地が広がります。
  • 球団側のリスト戦略の変化
    「出すつもりはなかったが、2巡目の仕組みによって移籍の可能性が出てきた」というケースも考えられ、各球団のリスト作成や育成プランにも、より戦略性が求められるようになります。
  • 選手にとっての意識変化
    「試合に出られない=行き場がない」ではなく、「現役ドラフトで環境を変える」という選択肢が現実味を帯びることで、キャリア設計の幅も広がります。

特に、過去に500%超の昇給を勝ち取った大竹、細川、水谷、田中らの存在は、選手にとっての「成功モデル」となっています。
「今は控えでも、現役ドラフトをきっかけにスタメンや主力をつかむことができる」という希望を与える制度になりつつあると言えるでしょう。

今後の注目ポイント

今後、公式に2025年現役ドラフトの結果が発表されれば、

  • どの球団が、どのポジションの選手を重視して指名したか
  • 2巡目での指名が前年までと比べてどれだけ増えたか
  • 移籍した選手が、来季どの程度の出場機会を得られるか

といった点が、大きな分析対象となります。

特に、過去には中日の細川成也、日本ハムの水谷瞬らが、新天地で一気に才能を花開かせました。
今年の第4回からも、数年後に「現役ドラフトからスターが生まれた」と語られる選手が出てくるのか、多くのファンが期待を寄せています。

なお、最新の指名結果の一覧や、各選手の移籍先などの詳しい情報は、NPB公式サイトの「2025年度現役ドラフト結果」ページや、各メディアの速報記事で順次確認できる見込みです。

参考元