レアル・マドリード、宿命のダービーへ スーパーカップ準決勝でアトレティコと激突
スペイン・スーパーカップ準決勝で、レアル・マドリードが同じマドリードを本拠地とするアトレティコ・マドリードと対戦します。試合はサウジアラビア・ジッダのキング・アブドゥッラー・スポーツシティで行われ、今季最初のタイトルを目指す両クラブにとって、非常に重要な一戦となります。
スペイン・スーパーカップとは? レアルとアトレティコの位置づけ
スペイン・スーパーカップは、かつてはリーガ王者と国王杯優勝チームがホーム&アウェイで戦う形式でしたが、現在は4クラブによる「ファイナルフォー形式」で開催されています。準決勝2試合と決勝の一発勝負で王者を決めるスタイルとなり、トーナメント性が増したことで、よりドラマチックな大会になっています。
今大会に出場しているのは、リーガや国王杯の成績に基づいて選ばれた4クラブで、その中でもレアル・マドリードは昨季のリーガと国王杯でいずれも準優勝となり、スーパーカップ出場権を得ました。一方のアトレティコ・マドリードは、昨季のリーガで3位となり、こちらもファイナルフォーに名を連ねています。
レアル・マドリードはこれまで13回のスーパーカップ優勝を誇り、今大会で14度目のタイトルを目指しています。クラブとしての伝統と実績は、やはり群を抜いていると言えるでしょう。
レアル・マドリード:好調を維持し、シャビ・アロンソ体制で初タイトルへ
レアル・マドリードは、この準決勝を迎えるまでに、公式戦で4連勝中と絶好調です。アルバレス、タラベラ、セビージャ、ベティスに連勝し、4試合で12ゴールと攻撃陣が爆発しているのが大きな特徴です。
特に注目されたのは、リーガでのレアル・ベティス戦での5-1の大勝です。エースのキリアン・ムバッペが負傷で欠場する中でも、チームとして高い決定力と層の厚さを示し、誰が出ても高いレベルで戦えることを証明しました。
指揮を執るのは、今季から監督に就任したシャビ・アロンソ。就任1年目でありながら、すでにリーグ戦でも安定した結果を残しており、このスーパーカップはレアル・マドリード監督としての初タイトル獲得のチャンスとなります。あと2勝で栄冠に届く状況とあって、本人にとっても、チームにとっても非常に大きな意味を持つ大会と言えるでしょう。
アトレティコ・マドリード:リーガで苦しむ中、タイトルでシーズン立て直しを狙う
対するアトレティコ・マドリードは、リーガでやや苦しい状況に立たされています。直近のレアル・ソシエダ戦を1-1の引き分けで終えたことにより、貴重な勝ち点2を取りこぼす形となり、首位バルセロナとの勝ち点差は11ポイントにまで広がりました。
シーズンも折り返しを過ぎ、この差を埋めてリーグ優勝を狙うのは現実的に非常に難しいと見られています。アトレティコが最後にリーガを制したのは2020-21シーズンで、そこからバルセロナやレアル・マドリードの安定感が増す中、再びタイトル争いに割り込むのは簡単ではありません。
こうした背景から、アトレティコにとってこのスーパーカップは、今季を救うための重要なタイトルチャンスとなっています。5年間主要タイトルから遠ざかっている中で、指揮官ディエゴ・シメオネも「目標をカップ戦に切り替える必要性」に迫られている状況です。
スーパーカップでの「マドリード・ダービー」の歴史と因縁
レアルとアトレティコがスーパーカップで顔を合わせるのは今回で5回目です。これまでの戦績は、レアル・マドリードの2勝1分1敗と、わずかにレアルがリードしています。
- 2014年:ホーム&アウェイ形式で行われ、2試合合計2-1でアトレティコがタイトルを獲得
- 2019-20シーズン:ファイナルフォー形式初年度の決勝で対戦し、レアルがPK戦で勝利し優勝
- 2023-24シーズン:準決勝で延長戦までもつれ込む激闘の末、レアルが5-3で勝利
こうした過去の対戦からも分かる通り、スーパーカップでのマドリード・ダービーは、常に激しく、そしてドラマに満ちた試合となってきました。どちらが勝ってもおかしくない展開が続いており、今回もまた、極めて緊張感の高い一戦になると予想されています。
レアル・マドリードの予想スタメンと戦い方のポイント
現地メディアの予想では、レアル・マドリードは現在の好調を支えている主力を中心に、比較的オーソドックスな布陣で臨むと見られています。大会に向けた前日練習も、ジッダで無事に消化しており、コンディション面でも大きな問題は報告されていません。
ムバッペ不在の中では、前線での役割分担が鍵となります。中盤からの飛び出しやサイドアタックを生かし、複数の選手がゴール前に顔を出すことで、アトレティコの堅い守備ブロックをいかに崩せるかがポイントとなるでしょう。
また、レアルは直近4試合で12ゴールと攻撃力が注目されがちですが、一方でスーパーカップでは一発勝負であることから、守備面での集中力も極めて重要になります。アトレティコは少ないチャンスを確実にものにするスタイルを得意としているため、セットプレーやカウンターへのケアも欠かせません。
ヴィニシウス・ジュニオールが語る「お気に入りのスーパーカップの記憶」
今回のスーパーカップ準決勝を前に、ヴィニシウス・ジュニオールが自身の「スーパーカップでの一番のお気に入りの思い出」について語っています。具体的な内容は各国メディアで紹介されていますが、彼にとってスーパーカップは、チームとしても個人としても成長を証明してきた舞台であることが伝わってきます。
2019-20シーズンの決勝では、PK戦の末にアトレティコを破ってタイトルを獲得しましたが、この一戦はクラブにとっても、若き選手たちにとっても特別な経験となりました。ヴィニシウスは、そのような過去の成功体験を胸に、今回のダービーに向けても強いモチベーションを持っていると見られています。
彼にとって、スーパーカップは単なるタイトル争いの場ではなく、「ビッグマッチで自分を証明する場」であり、その記憶が今回のアトレティコ戦に向けた自信にもつながっていると言えるでしょう。
アトレティコ側の雰囲気と、シメオネ監督の姿勢
一方のアトレティコは、直前のレアル・ソシエダ戦後、シメオネ監督が「まずはリーグ戦での勝ち点の積み上げが重要だった」とコメントしており、当時の段階ではスーパーカップについてはあまり多くを語っていませんでした。しかしリーガでの優勝争いが厳しくなっている現状を考えると、このスーパーカップが持つ意味は時間とともに増していると考えられます。
大会の形式が4チーム制になってから、アトレティコは準決勝に3回進出しているものの、そこでの勝利はわずか1度のみ。唯一の勝利は、2020年のバルセロナ戦(3-2)で、その後決勝でレアルにPK戦の末敗れています。この「あと一歩届かない」歴史を断ち切りたいという思いは、クラブ全体に共有されているはずです。
メトロポリターノの屋外スケートリンクでもダービー観戦
今回のスーパーカップ準決勝はサウジアラビアで開催されますが、マドリード市内でもダービーに向けた盛り上がりが広がっています。その一つが、アトレティコのホームスタジアムであるシビタス・メトロポリターノ周辺に設置された屋外スケートリンクです。
クラブは、リンクを訪れた人々が大型スクリーンでダービーを観戦できる企画を用意しており、スタジアムに足を運べないファンでも一体感を味わえる場を提供しています。スケートを楽しみながら、お気に入りのクラブを応援できるという、家族連れにも嬉しいイベントとなっており、地域密着型クラブとしてのアトレティコらしい取り組みと言えるでしょう。
こうしたイベントは、試合会場が海外となるスーパーカップならではの工夫でもあります。マドリードの街にとって、ダービーは単なるサッカーの試合以上の意味を持つ「街のイベント」であり、その雰囲気が市内各地で共有されている様子がうかがえます。
試合の見どころ:攻撃的なレアル vs. 執念のアトレティコ
この準決勝の最大の見どころは、勢いに乗るレアルの攻撃力と、タイトルに飢えるアトレティコの執念がどのようにぶつかり合うかという点です。
- レアル・マドリード:4連勝中、12得点と攻撃陣が好調。ムバッペ不在でも、複数の選手がゴールを奪えるバランスの良さが強み。
- アトレティコ・マドリード:リーガでの苦戦により、シーズンを変えるタイトルが喉から手が出るほど欲しい状況。守備的な組織とカウンターで勝機を狙う。
ブックメーカーや海外メディアの多くは、明確な「大本命」は存在しないと見ており、どちらに転んでもおかしくない一戦と評価しています。名前や直近のフォームだけを見ればレアルがやや優位とも言えますが、ダービーマッチは往々にして「理屈を超えた」展開になりがちです。
レアルとしては、試合の主導権を握りつつも、アトレティコのカウンターとセットプレーに細心の注意を払うことが重要になります。アトレティコ側は、長い時間ボールを持たれたとしても、集中力を切らさず、一瞬のチャンスを逃さないことが勝利の条件となるでしょう。
ファンにとっての楽しみ方:深夜キックオフでも「特別な一夜」に
日本時間でのキックオフは早朝に設定されており、生中継で観るにはややハードルの高い時間帯かもしれません。とはいえ、マドリード・ダービー、しかもタイトルが懸かった準決勝ということを考えると、多くのファンにとって「早起きしてでも観たい一戦」になっているのではないでしょうか。
また、ハイライトや録画観戦でも十分に楽しめるカードです。戦術的な駆け引きに注目するもよし、ヴィニシウスをはじめとしたレアルのアタッカー陣のプレーに集中するもよし、あるいはアトレティコの粘り強い守備を味わうのもサッカーファンの醍醐味です。
いずれにせよ、この準決勝は、シャビ・アロンソ体制のレアルが初タイトルへ前進できるのか、そしてアトレティコがシーズンの流れを変えるきっかけをつかめるのかを占う大一番となります。マドリードの街全体が熱を帯びる中、ジッダで繰り広げられるダービーの行方に注目が集まります。




