今季一番の雨予想の中で迎える、第53回ホノルルマラソン2025

フルマラソンの聖地として世界中のランナーから愛されているホノルルマラソンが、今年も開催されました。
2025年で第53回を迎えるこの大会は、ハワイ・オアフ島最大のイベントといわれ、今年は特に参加者が過去最多となる見込みとして大きな注目を集めています。
一方で、天気予報は「今季一番の雨」とも言われるほどの雨予想。晴天に恵まれた昨年とは対照的なコンディションでの開催となり、「特別なホノルルマラソン」として記憶に残る一日になりそうです。

第53回ホノルルマラソン2025の基本情報

ホノルルマラソン2025は、ハワイ現地時間の12月14日(日)午前5時にスタートしました。
場所は例年どおり、ホノルル市内のアラモアナ公園付近をスタートし、ダイヤモンドヘッドを望む美しい海沿いコースを通って、カピオラニ公園付近でゴールするコースが設定されています。

  • 大会名:JALホノルルマラソン2025
  • 開催日:2025年12月14日(日)
  • スタート時間:午前5時(フルマラソン)
  • 場所:ハワイ州オアフ島 ホノルル(アラモアナ~カピオラニ公園周辺)
  • 種目:
    • フルマラソン(42.195km)
    • フルマラソン車いす部門(午前4時55分スタート予定)
    • 10K ラン&ウォーク「Start to Park 10k」(10km)
    • 前日イベント:カラカウア メリーマイル(約1.6km、12月13日)

ホノルルマラソンは「世界最大級の市民マラソン」として知られ、毎年世界各国から約3万人規模のランナーが参加する大会ですが、今年はランナーと観客を合わせて4万2,000人以上が見込まれ、過去最多となる見通しです。
全米でも4番目に規模が大きいマラソン大会として位置づけられており、その人気の高さがうかがえます。

今季一番の雨予想、「特別なホノルルマラソン」に

今年のホノルルマラソンが「特別」と呼ばれている要因のひとつが、天候です。
昨年は朝焼けとともに青空が広がる絶好のコンディションでしたが、2025年大会は曇りと雨の予報となっており、「今季一番の雨」と表現されるほどの雨量が予想されています。

ホノルルマラソンのジム・バラハルCEOは、雨予報について次のようにコメントしています。

「ハワイのこの時期は雨がつきもの。むしろ軽い雨はランナーにとって好条件で、熱中症のリスクを減らす」

確かに、強い日差しの中での42.195kmは、気温と湿度の高さも相まって体への負担が非常に大きくなります。
一方、適度な雨は体温の上昇を抑え、汗が蒸発しにくい環境でもオーバーヒートを防いでくれるため、多くのランナーにとっては「救いの雨」となる場合もあります。

とはいえ、雨のマラソンは路面のスリップリスクも高まり、長時間濡れた状態で走ることによる体温低下や、靴擦れ・マメなどのトラブルが起こりやすい一面もあります。
今年のホノルルマラソンは、暑さ対策と雨対策の両方が求められる、難しいコンディションのレースとなりました。

安全最優先の運営体制 ― 医療スタッフと交通・安全計画

過去最多規模の参加が見込まれるなかで、運営側は安全対策を一層強化しています。
大会期間中はコース各所に400人以上の医療スタッフが配置され、ゴール地点のカピオラニ公園には大規模な医療拠点が設けられています。体調不良やけがへの迅速な対応を可能にし、初マラソンのランナーでも安心して挑戦できる体制が整えられています。

また、ホノルル警察は、早朝から始まる交通規制に伴う道路の混雑を予想し、市民や観光客に向けて注意を呼びかけています。
交通規制は大会当日の午前0時30分からダイヤモンドヘッド周辺やホノルル東部エリアで段階的に行われる予定です。
大会関係者は、「道路は混雑するので、速度を調整し、アロハの心で安全運転を」とコメントしており、イベントを支える地域全体の協力がうかがえます。

さらに、イベント中のドローン使用は禁止されており、違反者には罰金が科されることも告知されています。
上空からの撮影需要が高まるなか、安全確保の観点から厳格なルールが設けられている点も、今年の大会運営の特徴です。

種目紹介:フルマラソンから10Kラン&ウォークまで

ホノルルマラソンは、フルマラソンだけでなく、さまざまなレベルのランナーや家族連れが楽しめる種目が用意されています。

フルマラソン(42.195km)

メインとなるフルマラソンは、午前5時スタート予定。
まだ暗い時間帯にスタートし、走っているうちに東の空が明るくなり、ワイキキのビーチやダイヤモンドヘッドに朝日が差し込んでくるという、ホノルルならではのドラマチックな景色を味わえます。

ホノルルマラソンの最大の特徴は、制限時間が設けられていないことです。
記録を狙うトップランナーはもちろん、マイペースで完走を目指す市民ランナーや、歩きながら42.195kmを踏破する参加者まで、幅広いスタイルが認められている点が、多くのリピーターを生んでいます。

10K ラン&ウォーク「Start to Park 10k」

フルマラソンは難しいという人でも参加しやすいのが、10K ラン&ウォーク(Start to Park 10k)です。
同じく12月14日(日)の午前5時にスタートし、アラモアナ公園からフルマラソンコースの10km地点、カピオラニ公園でフィニッシュするコース設定になっています。

走っても歩いてもOKなこの種目は、ファンラン感覚で参加できるのが魅力です。
家族や友人同士で、ハワイの朝の空気を感じながらホノルルマラソンの雰囲気を味わいたい方に、特に人気があるイベントです。

カラカウア メリーマイル(前日イベント)

大会前日の12月13日(土)には、ワイキキビーチ沿いのカラカウア通りで、約1.6kmのショートレース「カラカウア メリーマイル」が開催されます。
午前7時からのウェーブスタートが予定されており、家族での参加や、観光ついでの軽いランニングにぴったりのイベントです。

2025年大会の参加規模とその背景

今年のホノルルマラソンは、ランナーと観客を合わせた参加者数が4万2,000人以上と見込まれており、過去最多となる見通しが報じられています。
世界的なマラソンブームの継続に加え、ハワイ旅行需要の回復や、日本・アジア各国からのツアー商品の充実などが、参加者増加の背景にあると考えられます。

日本からは、JALや旅行会社各社がホノルルマラソンツアーを企画しており、フライト・宿泊に加えて、大会当日のスタート地点までの送迎や、ゴール後のランナーズテントの利用といったサポートが用意されています。
こうした手厚いサポートは、初めて海外マラソンに挑戦するランナーにとって大きな安心材料となり、日本人ランナーの参加を後押ししています。

レース当日のタイムチェック方法

レース当日のタイムチェック方法については、大会公式サイトや日本事務局の案内ページで詳細が公開されています。
一般的には、ランナーひとりひとりに配布される計測チップやゼッケンに組み込まれたICタグにより、スタート・途中計測地点・フィニッシュで自動的にタイムが計測されます。

フィニッシュ後しばらくすると、公式サイトや専用ページから、

  • 自分の公式記録(グロスタイム/ネットタイム)
  • 10kmごとのラップタイム
  • 部門別順位・総合順位

などを確認できるようになります。
家族や友人が日本や他の地域から応援している場合も、ランナー名やゼッケン番号で検索することで、リアルタイムまたは準リアルタイムで経過状況をチェックできる仕組みが用意されています(詳細は大会公式の案内に従ってください)。

雨のホノルルマラソンを楽しむためのポイント

今季一番の雨予想といわれる今年のホノルルマラソンですが、工夫次第でいつも以上に思い出深いレースになります。ここでは、参加経験者や専門家のアドバイスをもとに、雨のレースを前向きに楽しむためのポイントをまとめます。

  • ウェア選びを工夫する
    綿素材のTシャツは雨で重くなりやすいため、速乾性・撥水性のあるランニングウェアが向いています。軽量のウインドブレーカーやポンチョをスタート前に羽織り、走りながら暑くなったら腰に巻くという方法も便利です。
  • 足元のケアを入念に
    雨のフルマラソンでは、靴の中が濡れることでマメや靴擦れが起こりやすくなります。事前にワセリンや専用クリームを足指やかかとに塗っておく、厚手すぎない吸汗速乾ソックスを選ぶなどの対策が有効です。
  • ペースは「慎重に、でも前向きに」
    路面が濡れているときは、カーブや下り坂で特に注意が必要です。タイムを狙うランナーも、安全第一でペース配分をすることで、結果的に最後まで失速せずに完走できるケースが多くなります。
  • 雨だからこそ味わえる景色を楽しむ
    しっとりとした雨のワイキキや、霧がかったダイヤモンドヘッドなど、晴天の日とは違う表情を見せてくれるのもハワイの魅力です。ランニング中にふと顔を上げて、そうした景色を味わう余裕が持てると、レースそのものが特別な思い出になります。

「走る」以上の体験をくれるホノルルマラソン

ホノルルマラソンは、単なるスポーツイベントを超えた「体験型の祭典」ともいえます。
スタート前の高揚感、夜明けの海沿いを走る心地よさ、沿道からの温かい声援、ゴールゲートをくぐった瞬間の達成感――そのすべてが、参加者ひとりひとりの人生の物語の一部となって積み重なっていきます。

今年は、今季一番の雨予想のもとで行われた「特別なホノルルマラソン」。
過去最多となる参加者と、多くのボランティアや地元住民、観光客が一体となり、「走る喜び」と「支え合う温かさ」を体現する一日となりました。

これから参加を検討している方は、公式サイトで公開される大会要項エントリー情報、そしてレース当日のタイムチェック方法などをこまめに確認しつつ、自分なりの目標を持って準備を進めてみてください。
完走を目指す人も、10kmやメリーマイルから始める人も、ホノルルマラソンはきっと、それぞれにとって忘れられない1ページを刻んでくれるはずです。

参考元