英国エディンバラ公爵・エドワード王子が大相撲秋場所を観戦――異文化交流の舞台裏

英国王室からの来訪――エドワード王子夫妻、日本文化を体感

2025年9月19日、エディンバラ公爵・エドワード王子とその妻ソフィ妃が東京・両国国技館に姿を現し、大相撲秋場所6日目の熱戦を観戦しました。
この来日には、「日本文化、とりわけ相撲を実際に感じたい」という王子夫妻の強い希望があったとされ、王室の公務活動の一環として実現しました。日本相撲協会八角理事長(元横綱北勝海)と、十両で戦う朝乃山関が誇り高く出迎え、国技館は普段以上に厳かな雰囲気に包まれました。

緊張の出迎え――「ハロー」と「センキュー」で紡がれた交流

出迎え役となった朝乃山関は、「めったに経験できないことなので、とても緊張した」と心境を語りました。英語を使った交流は初体験で「ハローとセンキューしか言えない」と苦笑いもしつつ、それでも紳士的に笑顔でコミュニケーションを図ったとのことです。
王子夫妻は熱心に取組を観戦し、伝統的な土俵入りや力士たちの気迫に目を輝かせていた様子が印象的でした。異文化への敬意と好奇心が、短い言葉のやりとりを通じて温かなムードを作り出しました。

八角理事長からの感謝と期待――相撲の魅力を世界へ

出迎えた八角理事長は、「忙しい中で来ていただいたのはありがたい。国技である相撲の魅力を、少しでも感じていただきたい」と語り、王室からの訪問を大変名誉であると強調しました。
このエドワード王子夫妻の観戦は、英国王室の国際的な親善活動でもあり、日本相撲協会にとっても重要な機会となりました。

十両・朝乃山の快進撃――英国王室との出会いが与えた刺激

迎えた翌日の取組で十両朝乃山は、5連勝を飾って見事1敗をキープ。「相撲界の顔」として英国王室を迎えた翌日の勝利は、本人にも特別な思い入れがあったようです。いつもとは異なる緊張感と注目の中で、堂々と力強い相撲を見せてくれました。
朝乃山は「少しでも相撲の魅力を知ってほしい」と語り、日本文化の伝承者として力士の誇りを感じながら、海外の注目を浴びることの意義を実感していたことがうかがえます。

相撲の国際発信――ロンドン公演への期待

今回の英国王室の訪問は、相撲界にとって大きな意味を持ちます。2025年10月15日から19日には、約34年ぶりとなるロンドン公演が予定されており、日本の伝統文化としての相撲を海外に発信する絶好の機会となります。
エドワード王子夫妻はその前触れともいえる今回の観戦を通じて、日本の国技の意義や力士たちの矜持に直接触れ、今後の文化交流への期待をさらに高めたことでしょう。
このような国際的な交流の場が、今後も両国の友好や日本文化の魅力発信につながっていくことが期待されます。

英国王室と日本文化――歴史的背景

英国王室による日本伝統文化の体験は、これまでにもたびたび行われてきました。過去にはエリザベス女王やチャールズ英国王なども日本を訪問し、茶道や武道、伝統工芸など様々な文化に触れてきた歴史があります。
今回のエドワード王子夫妻の来訪は、その歴史的な流れを継承するものであり、両国の文化的な結びつきの象徴ともなっています。
世界的に知名度の高い英国王室が日本の相撲を体験することは、国際的に日本文化の認知度向上にも寄与します。

両国の文化交流――「伝える」「つなぐ」日本の誇り

国技館に集まった観客や関係者たちは、英国王室夫妻の登場に沸き、力士たちもいつも以上に気合が入った様子でした。異なる文化同士の出会いは、時に緊張や不安を伴うものですが、その分双方に大きな刺激や学びをもたらします。
八角理事長や朝乃山が示したような誠意や感謝、そして相撲という伝統を守り伝える気持ちは、今後の国際親善の礎となるはずです。

まとめ――これからの相撲と国際交流

  • エドワード王子夫妻の観戦は、相撲界にとっても歴史的な出来事。
  • 十両朝乃山は「相撲界の顔」として英国王室を迎え、翌日は快進撃。
  • 八角理事長は「ありがたい」と感謝し、国技の魅力発信に期待。
  • 10月にはロンドン公演も予定され、相撲の国際的認知度が高まる見通し。
  • 英国王室と日本文化の歴史的交流が再び注目を集めている。

今後も相撲を通じた国際交流、そして日本文化の魅力発信が続いていくことでしょう。
英国王室の来訪は、多くの人々にとって忘れられない思い出となり、日本と英国の絆を一層深めるきっかけとなりました。

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