J3からJ2へ、運命の一戦へ挑むテゲバジャーロ宮崎とFC大阪 ― 明治安田J2昇格プレーオフ決勝を前に
明治安田J3リーグのシーズンが終わり、いよいよJ2昇格プレーオフが佳境を迎えています。2025シーズンのJ3で3位から6位に入ったクラブだけに与えられる「最後のJ2切符」を懸けたトーナメントは、12月7日の準決勝を終え、14日(日)の決勝を残すのみとなりました。
決勝で対戦するのは、J2昇格まで「あと1勝」と迫っているテゲバジャーロ宮崎FC大阪です。
明治安田J2昇格プレーオフとは? 基本レギュレーションをおさらい
まず、今回のニュースの舞台となっている「明治安田J2昇格プレーオフ2025」の仕組みをやさしく整理しておきましょう。
- 参加チーム:2025明治安田J3リーグの年間順位3位〜6位の4クラブ
- 大会方式:4クラブによるトーナメント方式(準決勝2試合+決勝1試合の計3試合)
- 準決勝の組み合わせ:3位 vs 6位、4位 vs 5位
- 試合方式:各ラウンド1試合ずつ、90分間で決着をつける(延長戦はなし)
- 引き分け時の扱い:90分で引き分けの場合は、年間順位が上位のクラブが勝者となる
- 会場:リーグ戦での上位クラブのホームスタジアムで開催
- 昇格条件:プレーオフを制して優勝したクラブがJ2昇格
つまり、2025シーズンのJ3で上位に入ったクラブだけが挑める「もうひとつの昇格レース」であり、その頂点に立ったチームだけが、次のシーズンをJ2の舞台で戦えるという非常にシンプルかつシビアな大会です。
J2・J3百年構想リーグともリンクする「プレーオフ」の存在感
Jリーグ全体では、「明治安田J2・J3百年構想リーグ」という形で、Jクラブや地域クラブを含めた新たな大会フォーマットも整備されており、その試合日程発表スケジュールもアナウンスされています。
発表によると、地域ごとに分かれたグループ構成や、その後のプレーオフラウンドの日程などが順次公開される予定で、サッカーを通じた地域活性化や、クラブが長期的に成長していくための「土台づくり」として位置づけられています。
ただし、この百年構想リーグにおける「プレーオフラウンド」は、昇格・降格に直接関わるものではないとされており、「順位決定戦」という意味合いが強い大会です。
一方で、今回取り上げているJ2昇格プレーオフは、J2への昇格がかかる極めて重要な公式戦であり、J3クラブにとってはクラブの将来を左右する大一番となります。この点で、同じ「プレーオフ」という名称でも、役割や重みは大きく異なっていることがわかります。
準決勝の結果:FC大阪とテゲバジャーロ宮崎が決勝へ
2025年12月7日(日)に行われた準決勝
- FC大阪(3位) 1-0 ツエーゲン金沢(6位)
- テゲバジャーロ宮崎(4位) 2-0 鹿児島ユナイテッドFC(5位)
FC大阪は、自身のホームスタジアムであるAxisバードスタジアムにツエーゲン金沢を迎え、1-0で勝利。リーグ戦3位の意地を見せて決勝進出を決めました。
一方のテゲバジャーロ宮崎は、鹿児島ユナイテッドFCとの南九州対決とも言える一戦で、2-0の完封勝利。守備の安定と、チャンスを確実に仕留める攻撃力を兼ね備えた戦いぶりで、クラブ史上初のJ2昇格に向けて、「あと1勝」のところまで駒を進めました。
この準決勝2試合を経て、2025シーズンのJ2昇格を懸けたプレーオフ決勝は、FC大阪 vs テゲバジャーロ宮崎というカードに決定しました。
決勝は12月14日(日)14:00キックオフ 舞台はAxisバードスタジアム
明治安田J2昇格プレーオフ2025の決勝戦は、以下の予定で開催されます。
- 日時:12月14日(日)14:00キックオフ
- 対戦カード:FC大阪 vs テゲバジャーロ宮崎
- 会場:Axisバードスタジアム(FC大阪のホーム)
- 試合方式:90分1試合のみ、引き分けの場合は年間順位上位のFC大阪が昇格
- 放送・配信:テレビ中継は一部地域でNHK宮崎、ネット配信はLeminoで予定
大会レギュレーションにより、決勝もまたリーグ戦上位クラブのホームスタジアムで行われるため、年間3位のFC大阪がホームの利を活かせるシチュエーションになっています。
90分で勝敗がつかない場合でも、引き分けであれば年間順位上位のFC大阪がJ2昇格を手にするルールのため、テゲバジャーロ宮崎にとっては「勝つしかない決勝戦」となります。
テゲバジャーロ宮崎、悲願のJ2昇格へ「あと1勝」
テゲバジャーロ宮崎にとって、今回のJ2昇格プレーオフはクラブの歴史を塗り替える大きなチャンスです。クラブ公式のお知らせでも、「クラブ史上初の『明治安田J2昇格プレーオフ2025』出場」であることが強調されており、サポーターや地域にとっても特別な大会となっています。
準決勝で鹿児島ユナイテッドFCを下し、決勝進出を決めたことで、J2昇格までは残すところ「あと1勝」。メディアのインタビューなどでは、「走り回って先制点を奪いたい」「最後まで走り切って昇格をつかみたい」といった意気込みが語られており、チーム全体としても、攻守にアグレッシブな姿勢で決勝に臨む姿勢がうかがえます。
ただし、先述の通り、引き分けではFC大阪が昇格というレギュレーションのため、宮崎は守り合いではなく、どこかのタイミングでリスクを取ってでも得点を奪いにいく必要があります。
FC大阪はホームで運命の決戦 サポーターとともにJ2の扉を叩く
対するFC大阪は、2025シーズンのJ3リーグを年間3位で終え、J2昇格プレーオフへの出場権を獲得しました。
クラブの公式発表では、最終節の結果によって3位が確定し、準決勝でツエーゲン金沢をホームのAxisバードスタジアムに迎えることが決まったことが伝えられています。この準決勝を1-0で制したことで、そのまま決勝もホーム開催という、大きなアドバンテージを得た形となりました。
決勝では、「負ければ終わり」はもちろんですが、「引き分けでも昇格」というルールがFC大阪側に働きます。試合の入り方、ゲームプラン、リスク管理など、ホームで戦う心理的な余裕も含めて、どのような戦い方を選択するのかが注目されます。
J2昇格プレーオフとJリーグ全体の日程の関係
2025シーズンのJリーグでは、J1、J2、J3それぞれで昇格プレーオフや入れ替え戦が組まれており、その日程は一覧で整理されています。
その中で、J2昇格プレーオフ2025は、
- 12月7日(日)に準決勝2試合
- 12月14日(日)に決勝1試合
という構成となっており、Jリーグ全体の「昇格・降格決定イベント」の中でも、シーズン終盤の大きな見どころのひとつと位置づけられています。
また、同じく12月14日(日)には、J3とJFLの入れ替え戦も組まれており、Jリーグとアマチュアカテゴリーをまたぐ昇降格争いも同日に行われます。これにより、Jリーグ全体として「シーズンの区切り」としての盛り上がりが生まれる構成になっています。
観戦方法:スタジアム観戦と配信・中継
決勝戦を観戦したいファンの方にとっては、スタジアムに行く方法と、配信・中継で視聴する方法の2つがあります。
- スタジアム観戦:Axisバードスタジアムで開催される決勝戦のチケット販売情報は、Jリーグおよび各クラブの公式サイトで案内されています。
- テレビ中継:一部地域ではNHK宮崎で放送予定。
- ネット配信:LeminoがJ2昇格プレーオフ全3試合を配信。
特に、遠方のサポーターや、気軽に観戦を楽しみたい方にとっては、スマートフォンやパソコンから視聴できるネット配信は心強い手段です。配信スケジュールは変更・中止となる場合もあるため、試合当日までに最新の情報を確認しておくと安心です。
まとめ:J3からJ2へ、クラブの未来を懸けた一発勝負
2025シーズンの明治安田J2昇格プレーオフは、J3で上位に食い込んだクラブにとって、最後のJ2昇格チャンスとなる非常に重要な大会です。
テゲバジャーロ宮崎は準決勝の勝利によって、クラブ史上初となるJ2昇格まで「あと1勝」と迫り、その歴史的瞬間に多くの注目が集まっています。
一方、FC大阪はリーグ3位の実力とホームの利、そして引き分けでも昇格を手にできるレギュレーションを武器に、クラブの悲願達成に挑みます。
90分の一発勝負、その先に待つのは、J2という新たなステージ。どちらのクラブがその扉を開くのか、多くのサッカーファンが固唾を飲んで見守ることになりそうです。


