NFLがミュンヘン再上陸へ 2026年と2028年にレギュラーシーズン戦開催決定
NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)は、ドイツ・ミュンヘンで2026年と2028年にレギュラーシーズンゲームを開催することを正式発表しました。
会場となるのは、サッカークラブ・バイエルン・ミュンヘンの本拠地として知られるFCバイエルン・ミュンヘン・スタジアム(アリアンツ・アレーナ)です。
この決定により、NFLは再びミュンヘンの地で公式戦を行い、アメリカンフットボール人気が高まるドイツ市場での存在感をさらに強めることになります。
ミュンヘン開催の概要
- 開催年:2026年、2028年の2シーズン
- 試合形式:NFLレギュラーシーズンゲーム(公式戦)
- 開催地:ドイツ・ミュンヘン
- スタジアム:FCバイエルン・ミュンヘン・スタジアム(アリアンツ・アレーナ)
- 主催枠:NFLインターナショナルゲームの一環
今回の発表は、NFLとミュンヘン市、そしてFCバイエルン・ミュンヘンとの複数年にわたるパートナーシップの一部として行われたもので、アリアンツ・アレーナでのNFL公式戦開催が今後も継続されることを意味します。
これまでのミュンヘン開催実績
ミュンヘンはすでに、NFLのドイツ展開における重要な舞台として実績を積んできました。
- 2022年:アリアンツ・アレーナでNFL初のドイツ開催試合が実施。
- 2024年:同スタジアムで2度目のNFLレギュラーシーズンゲームを開催。
2022年の試合は、いわゆる「NFLミュンヘンゲーム」として大きな注目を集め、スタジアムは満員となり、世界中のNFLファンから高い評価を受けました。
この成功が、今回の2026年・2028年の再開催決定につながったとされています。
アリアンツ・アレーナが選ばれる理由
アリアンツ・アレーナを運営するアリアンツ・アレーナ GmbHのマネージングディレクター、ユルゲン・ムート氏は、NFL再開催について次のようにコメントしています。
「アリアンツ・アレーナがドイツで3回目のNFL開催地となることは、我々のスタジアムがアメリカンフットボールにも“ホーム”を提供できることを示しています」
同氏は、スタジアムの近代的なインフラや特有の雰囲気、そしてミュンヘンのファンの熱狂が、世界のスポーツマップにおけるアリアンツ・アレーナの存在感を高めていると強調しています。
実際、アリアンツ・アレーナはサッカーだけでなく、NFLの国際戦においてもトップクラスの会場として評価されており、2022年と2024年の試合を通じて、ドイツ国内はもちろん、ヨーロッパ中から多くの観客を引き付けてきました。
ミュンヘン市にとっての意義
ミュンヘン市のヴェレナ・ディートル副市長も、この契約延長についてミュンヘンがスポーツ都市として持つ重要性と強さを示すものだと語っています。
ディートル氏は、これまでのNFLミュンヘンゲームが
- ファンの心をつかんだこと
- NFLとの協力関係を強めたこと
- アメリカンフットボールの普及に貢献したこと
などを挙げながら、2026年と2028年の試合が、ミュンヘン市とそのファンにとって世界最高峰のスポーツと忘れがたい興奮をもたらすと期待を寄せています。
ドイツはNFLにとって「戦略的な重要市場」
NFLのドイツ・オーストリア・スイス地域(DACH)担当ゼネラルマネージャーであるアレクサンダー・シュタインフォース氏は、ドイツ市場の重要性を繰り返し強調しています。
シュタインフォース氏によると、ドイツはヨーロッパで2,000万人以上のNFLファンを抱える最大のファンベースを持つ国であり、リーグにとって非常に大きな戦略的価値があるとのことです。
その中でもミュンヘンは、ドイツで最初にNFLレギュラーシーズン戦を開催した都市として、ファンにとって特別な存在になっています。
同氏は、2026年と2028年の試合を通じて、ミュンヘンおよびドイツ全体で年間を通じたNFLのプレゼンスをさらに高めていきたいと述べています。
ベルリンや他都市との位置づけ
NFLはドイツ国内で複数都市を会場とする戦略をとっており、ミュンヘンだけが特別扱いされているわけではありません。2023年にはフランクフルトで2試合が行われ、2025シーズンにはベルリンで初のNFLレギュラーシーズン戦が開催されています。
さらに、NFLはすでにベルリンでのレギュラーシーズンゲームを2027年と2029年にも実施する計画を公表しており、ドイツ全体を視野に入れた長期的な取り組みが進められています。
その中で、
- 2026年・2028年:ミュンヘン(アリアンツ・アレーナ)
- 2027年・2029年:ベルリン(予定)
というスケジュールが組まれており、ミュンヘンとベルリンがドイツ国内の主要開催地として並び立つ形になっています。
フラッグフットボール普及への取り組み
今回のパートナーシップは、単にNFLの試合を開催するだけでなく、ドイツにおけるフラッグフットボールの普及・育成にも重点を置いています。
フラッグフットボールは、タックルの代わりに腰に付けたフラッグを取ることでプレーを止める、非接触型のアメリカンフットボールです。2028年ロサンゼルス五輪(LA28)で正式種目に採用されることもあり、世界的に注目が高まっています。
NFLはミュンヘン市と連携し、
- 地元のスポーツ育成プログラムとの協働
- NFL FLAGプログラムの拡大
- 学校や地域クラブを通じた子ども向け普及活動
などを通して、次世代のプレーヤーやファンを育てることを目指しています。
2020年にドイツでスタートしたNFL FLAGは、すでに4万人以上の若いアスリートにリーチしており、授業や地域リーグを通じて競技人口を広げてきました。
今回の再開催決定により、こうした取り組みもさらに強化される見込みです。
国際展開の中でのミュンヘンの位置
NFLは、ヨーロッパだけでなく世界各地でインターナショナルゲームを拡大しています。
- ロンドン(トッテナム・ホットスパー・スタジアムなど)での複数試合継続
- メルボルン(オーストラリア)、リオデジャネイロ(ブラジル)での試合計画
このような中で、ミュンヘンは
- ドイツ初のNFLレギュラーシーズン開催都市
- 2022年・2024年・2026年・2028年と、継続的に試合を行う拠点
として、NFLのグローバル戦略における中核的な開催地となっています。
具体的な対戦カードや日程は?
現時点で、2026年および2028年のミュンヘンゲームに出場するチームや試合日程はまだ発表されていません。
2026年の試合については、FCバイエルン側も「日付と出場チームはこれから発表される」としており、今後の公式発表が待たれます。
例年通りであれば、シーズン全体のスケジュール発表時期に合わせて、対戦カードやキックオフ時間などの詳細が公開されると見られます。
ファンにとっての楽しみ方
これまでのミュンヘン開催では、スタジアム内外でさまざまなイベントが行われ、試合当日だけでなく、試合前後の数日間を通じて「NFLウィーク」のような盛り上がりを見せてきました。
具体的には、
- NFL関連グッズの販売やファンフェス
- 各チームによるファン向けイベント
- フラッグフットボール体験会
などが行われ、家族連れや初めてアメリカンフットボールに触れる人でも楽しめる構成となっています。
ドイツ国内だけでなく、ヨーロッパ各国からも多くのファンがミュンヘンに集まることが予想され、2026年と2028年の試合も、スポーツイベントと観光が一体となった大きな祭典になるとみられています。
まとめ:ミュンヘンはNFLの「欧州拠点」の一つに
NFLが2026年と2028年に再びミュンヘンでレギュラーシーズンゲームを開催することは、
- ドイツにおけるアメリカンフットボール人気の高さ
- アリアンツ・アレーナの会場としての評価
- ミュンヘン市とNFLの長期的なパートナーシップ
を改めて示すものとなりました。
ドイツ各都市での試合拡大、フラッグフットボールを通じた裾野の拡大、そして世界各地への国際展開の流れの中で、ミュンヘンは今後もNFLにとって欠かせない開催地であり続けることになりそうです。



