ニューオーリンズ・セインツ、2選手のシーズン絶望的な怪我の波紋 ── ケンドレ・ミラー、エリック・マッコイ離脱と今後の行方
はじめに
ニューオーリンズ・セインツは、2025年シーズン中盤に入り、突如としてチームを揺るがす深刻な怪我のニュースに直面しています。若き注目ランニングバックのケンドレ・ミラー選手が前十字靭帯(ACL)断裂により今季絶望となり、さらに攻撃ラインの要であるエリック・マッコイ選手も上腕二頭筋の断裂で戦列を離れることが確定しました。この2つの大きなアクシデントが、セインツのみならずNFL全体に衝撃を与えています。
ケンドレ・ミラー選手のACL断裂が与えるセインツへの激震
ケンドレ・ミラー選手は今季、セインツのランオフェンスで着実に頭角を現していました。シーズン第7週でACLを断裂したことで、今シーズンの残り試合をすべて欠場することが正式に発表され、チームの計算に大きな狂いが生じています。
ミラー選手はデビューから47回のキャリーで193ヤードを獲得し、タッチダウンも記録。徐々に負荷の高い局面でもボールを委ねられるようになっていたため、この離脱は今後のオフェンスの推進力減退につながるとみられています。
ランオフェンスの担い手、アルビン・カマラ選手へ重責がのしかかる
ミラー選手の戦線離脱により、アルビン・カマラ選手への依存度が一気に高まります。今年30歳となるカマラ選手は、今季既に94回のキャリーで342ヤード、レシーブ25回で123ヤードを稼いでいますが、その身体的な衰えも指摘されています。
- 1試合あたり15回前後のタッチが想定され、カマラ選手のパフォーマンスや健康状態が、今後のチーム成績に直結する状況です。
- また、カマラ選手補佐役となるRB2の存在も急務であり、チームはデプス(選手層)補強に奔走しています。
新戦力の台頭と今後の補強動向
セインツは第6巡目指名のデビン・ニール選手など、新戦力の活用を進めています。彼はプレシーズンから実力を示しており、「不測の主力穴」の埋め役として今後出場が大きく増える見込みです。
RBとしてプラクティススクワッドからヴェルス・ジョーンズ・Jr.選手の昇格も検討されており、フリーエージェント市場での補強も選択肢となっています。
攻撃陣のもう一つの柱、エリック・マッコイ選手の離脱
攻撃ラインを支えるエリック・マッコイ選手の上腕二頭筋断裂もまた深刻な打撃です。今季これまで攻守のバランス・安定感を担ってきたマッコイ選手の欠場は、主に「パスプロテクション」と「ランブロック」に悪影響を及ぼします。
- 代役センターとしてはルーク・フォートナー選手が起用される見込みですが、オフェンシブライン連係への影響は予測がつかない状態です。
攻守両面のアクシデントとチーム全体への波及
セインツは今季序盤から怪我人が絶えません。
- バックアップRBのエノ・ベンジャミン選手もアキレス腱断裂で長期離脱中。
- ディフェンスでは主力LBのデマリオ・デイビス選手がふくらはぎ負傷など、多方面で選手層の薄さが顕在化しています。
2025年シーズンはヘッドコーチ:ケレン・ムーア体制1年目という節目で迎えた年。これら複数の負傷離脱は、単なる選手交代以上の「チームカルチャーや戦術の再構築」という大きな課題を残します。
今後のセインツの展望と克服策
この大打撃にセインツがどう立て直すかは、
- ベテラン選手や若手の成長
- 各ポジションでのモチベーション維持
- 補強策の迅速な実施
これらのポイントにかかっています。ラッシングゲームの再構築に向け、プレーコールや選手起用の再検討も必至です。カマラ選手やニール選手らへの期待値が急騰する一方、オフェンシブラインの連携向上や守備改革も避けて通れません。
まとめ
2025年10月、ニューオーリンズ・セインツはシーズン折り返しで2人の主力を同時に欠くという非常に厳しい状況に追い込まれました。ケンドレ・ミラー選手のACL断裂とエリック・マッコイ選手の上腕二頭筋断裂は、単なる数字以上に「士気の低下」や「戦術の限界」をもたらす可能性があります。
それでも、NFLは過密な日程と厳しい競争環境。こうした逆境で新たなヒーローが誕生する舞台でもあります。若手のデビン・ニールやベテランアルビン・カマラが次世代セインツの希望となれるか、ファンや関係者にとって目が離せない展開が続いていきます。