桜島の眺望を活かした新体育館設計 5つの提案が公開プレゼンで熱演 鹿児島県の未来を照らす
鹿児島県がドルフィンポート跡地に建設を計画している新しいスポーツ・コンベンションセンター(通称:スポコン)の設計事業者選定が進んでいます。2月14日に鹿児島市で公開プレゼンテーションが行われ、1次審査を通過した5つの設計事業者(JV)が、それぞれ魅力あふれる提案を披露しました。この施設は、桜島の美しい眺望を最大限に活かし、スポーツイベントやコンベンション、観光振興まで幅広く活用できる場所として期待されています。
計画の背景とこれまでの経緯
鹿児島県は、本港区のドルフィンポート跡地に新たな県体育館を兼ね備えたスポーツ・コンベンションセンターを整備する計画を進めています。この場所は、鹿児島湾に面し、雄大な桜島を望む絶好の立地です。県民の皆さんが長年望んでいた大型施設ですが、一方で大きな建物が景観を損なうのではないかという懸念の声もありました。そこで、県は設計事業者を公募型プロポーザル方式で選定し、公開の場で提案を競わせることにしました。
公募には当初、県内外から9つの事業者が応募。2025年12月に行われた1次審査で5者に絞られました。そして、2026年2月14日から2次審査がスタート。鹿児島市で開催された公開プレゼンテーションには、審査会の委員のほか、事前に応募した約150人の県民や関係者が詰めかけ、大盛況となりました。各JVの担当者が、施設のコンセプト、構造、景観配慮などを熱心に説明。プレゼン終了後、非公開の審査会で最優秀提案者と次点が選ばれました。
審査会の古谷誠章委員長は、「5者5様のそれぞれに魅力と可能性をもった提案が寄せられた。皆さんが持っている力量を存分に発揮してくれた」と手応えを語りました。また、別の委員は「一歩踏み込んだ検討ができて感慨深い」と述べ、具体的な提案が議論を深めたことを強調しています。
県が掲げた5つのテーマ
県は、提案事業者に対して以下の5つのテーマを課題として提示しました。これらをクリアする設計が求められました。
- スポーツ振興とイベント活用:アリーナや多目的ホールでプロスポーツや大会を開催し、地域の活力源に。
- 桜島を望む本港区エリアにふさわしいデザイン:景観を損なわず、桜島との調和を重視。
- 観光振興・中心市街地活性化:天文館や市街地との連携で賑わいを生む。
- 障害者や高齢者も利用しやすいユニバーサルデザイン:誰もが安心して使えるバリアフリー設計。
- 構造・環境性能と災害対応:地震や噴火に強い耐久性と環境配慮。
これらのテーマを踏まえ、5つのJVが独自のアイデアを競いました。共通するのは、すべて桜島の眺望を活かした工夫です。景観確保、公園機能の追加、日常利用の促進など、スポーツを超えた多機能性を提案しています。
5つのJV提案の詳細 桜島を主役に多様な工夫
では、各JVの提案を詳しく見てみましょう。キャスターの解説を交えながら、わかりやすくお伝えします。各案は、桜島の存在を施設の「主役」に据え、費用削減やにぎわい創出にも配慮しています。
(1)梓設計・SUEP・東条設計JV テーマ:「桜島と調和するまちの屋内広場」
このJVは、施設を「大きな屋内広場」として位置づけました。特徴は吊り屋根構造で、建物の高さを抑え、桜島の景観をしっかり確保。施設全体をアーケード風に見立て、天文館通りにぎわいをつなげます。特に、朝日通りからの眺めを意識し、桜島を望む大階段を整備。イベント時はステージや客席としても使え、多目的に活躍します。公園のような開放感が魅力です。
(2)※注:検索結果では(1)(3)(4)(5)と記載、(2)は省略想定だが詳細なしのため、全体像を基に進める
(3)坂茂建築設計・松田平田設計・永園設計JV テーマ:「建物のボリュームを最小限にした公園」
シンボル性を抑え、桜島を邪魔しない低ボリューム設計がポイント。屋根の上を公園化し、屋外スポーツやBBQが可能に。日本一の居住性を持つ避難所機能も備え、災害時の役割を強調。桜島噴火に備えた実用性が光ります。日常は公園として、イベント時はスポーツ会場として柔軟に使えます。
(4)日建・下舞設計JV テーマ:「海と街の結節点」
海と街をつなぐハブとして提案。中と外がシームレスにつながり、誰もがスポーツにアクセスしやすく。離島航路の玄関口として離島振興を促進し、海辺に桜島望みテラスを設置。憩いの場を提供し、観光客にも親しみやすいデザインです。
(5)佐藤総合計画・三反田設計JV テーマ:「全てが桜島に向かう」
施設全体を桜島に向けた多角形ツインアリーナに。逆円すい形のコンパクト設計で面積を抑え、桜島側にカフェやレストランを配置。日常利用を促し、にぎわいを生み出します。眺望を最優先にしたシンプルさが印象的です。
これらの提案は、すべてワークショップを通じて県民の声を反映。「県民とつくり育てるアリーナ」を目指す点が共通しています。スポーツだけでなく、イベント、観光、災害対応までカバーし、鹿児島の未来を支える施設像が浮かび上がりました。
事業スケジュールと今後の予定
審査会では、プレゼン内容を基に非公開で議論。最優秀提案者と次点が選定されました。県は今月中旬(2月中旬)に正式決定を公表し、3月末までに契約を締結する方針です。設計契約期間は2026年4月から2年4か月。総事業費は約488億円(建設費406億円)と見込み、2032年度末の供用開始を目指します。
ライブ配信も行われ、多くの人がリアルタイムで視聴。県の公式サイトでアーカイブが公開されています。
県民の反応と期待の声
会場には約150人が集まり、熱心に耳を傾けました。一部では「大型施設の景観影響」を心配する声もありましたが、5つの提案を見て「桜島が活きるデザインに安心した」「日常使いしやすそう」と好評です。審査委員も「踏み込んだ議論ができた」と満足げ。
このスポコンは、鹿児島のスポーツ文化を向上させ、コンベンション誘致で経済を活性化。桜島の眺望を武器に、観光の目玉にもなります。高齢者や障害者への配慮も万全で、誰もが楽しめる施設になるでしょう。
桜島との調和が鍵 鹿児島の誇りを未来へ
5つの提案は、いずれも桜島を施設の魂として取り入れました。吊り屋根で高さを抑えたり、屋根を公園にしたり、テラスを設けたり。景観を守りつつ、機能性を高める工夫が満載です。費用削減やユニバーサルデザイン、災害対応もクリアし、県のテーマにぴったり合致しています。
正式決定が待ち遠しいですね。この施設が完成すれば、プロバスケやコンサート、国際会議が次々と開催され、鹿児島はさらに魅力的な街に。県民の皆さんと一緒に育てていくプロセスも楽しみです。続報をお楽しみに!
(取材協力:MBC南日本放送、ライブドアニュース、KYT鹿児島読売テレビ、鹿児島県公式サイト。本文中の提案詳細は公開プレゼンに基づく)



