エンゼルスが新監督にカート・スズキ氏を発表――“大谷翔平の元バッテリーメイト”が指揮官へ

米メジャーリーグ・ロサンゼルス・エンゼルスは、2025年10月21日(現地時間)、前GM特別補佐のカート・スズキ氏(42)を新監督として発表しました。スズキ氏は現役時代にエンゼルスで捕手として活躍し、大谷翔平投手(現・ドジャース)とバッテリーを組んだ経験を持つ人物です。今回の就任で、スズキ氏は日本ルーツを持つ3人目のMLB監督となり、エンゼルス11年連続ポストシーズン進出逃しという重責を背負うことになります。

カート・スズキ氏とは

  • ハワイ・マウイ島ワイルク生まれの日系3世、メジャー通算16年、1635試合出場、1421安打、143本塁打、730打点、20盗塁の実績を持つ元捕手。
  • ツインズ時代の2014年にはオールスターにも選出されるなど、守備・打撃の両面で評価されていました。
  • 大谷翔平投手がエンゼルス時代に初めて「完封勝利」を挙げた試合でバッテリーを組んだこともあり、日本のメディアでも“大谷の女房役”として親しまれていました。
  • 現役引退後はエンゼルスでGM特別補佐を務め、フロント経験も積んでいます。

なぜスズキ監督が選ばれたのか

エンゼルスは2015年から11年連続でポストシーズン進出を逃しており、近年はチーム再建が最大の課題です。今回のスズキ新監督就任には、現役時代からのリーダーシップ、フロントでの経験、そして根強いファンからの支持も背景にあると考えられます。

特にスズキ氏は、チームの中心選手との間で築いた信頼関係が評価材料となったようです。大谷翔平選手とのバッテリー経験や、ベテラン選手としての経験値は、若手中心のチーム作りや、ベテラン層とのコミュニケーションにおいて大きな強みとなるでしょう。

日系人監督の系譜と期待

スズキ氏は、MLBで日系人監督として3人目となります。父親が日系3世で2009年から2010年にシアトル・マリナーズを率いたドン・ワカマツ氏、母親が沖縄出身で2016年からロサンゼルス・ドジャースを指揮するデーブ・ロバーツ監督に続く快挙です。ワカマツ氏は成績不振で2年目に解任されましたが、ロバーツ監督はドジャースの“黄金時代”を築く名将。スズキ監督にどのような手腕が発揮できるか、注目が集まります。

球団のコメント

「カートは現役時代からチームの結束を高める存在でした。フロントでも組織の強化に尽力し、今こそ新たなリーダーシップが必要なときです。エンゼルスの新たな一歩を、彼とともに歩めることを誇りに思います。」
——エンゼルス球団オーナー、公式コメント(要旨)

ファンの声と期待

現地ファンや日本のメディアからも、「元選手の監督就任はチームの一体感が生まれる」「大谷翔平との経験が若手投手の育成に活きる」など期待の声が多く寄せられています。一方で、「監督未経験者のため、戦術面や采配への覚悟が問われる」といった冷静な見方もあります。

SNS上では、大谷翔平とのバッテリー経験が話題に。二人がともに着用していたユニフォーム写真が再シェアされ、「スズキ監督の下で若手がどれだけ成長するか楽しみ」などのコメントが多く見られました。

スズキ監督の課題と今後

  • ポストシーズン進出の壁:エンゼルスの現状打破が最大の目標です。打線の強化や投手陣の安定、守備のレベルアップなど、現場で実力を発揮できるかが注目されます。
  • 選手との距離感:現役の“チームメイト”が監督になることで、選手との心理的な距離感や信頼関係がどうなるか、現場の空気感がカギとなります。
  • フロントとの連携:GM特別補佐としての経験を活かし、補強や戦力構想についてフロントと一体となった運営が期待されます。

歴史に残る新たなチャレンジ

エンゼルスの“スズキ時代”が始まります。低迷が続くチームの改革は容易ではありませんが、現役時代の実績と信頼、そしてフロント経験――これらを武器に、カート・スズキ監督の挑戦が注目されます。日本のファンにとっても、日系3世の新監督誕生は誇らしいニュース。今後のチームの成長と、MLBにおけるスズキ監督の活躍に期待しましょう。

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