セリエA第14節・ナポリ対ユヴェントス展望:スパレッティが語る「シーズンを左右しうる一戦」

イタリア・セリエA2025-26シーズンも中盤戦に差し掛かり、優勝争いとトップ4争いが一気に激しさを増す中、注目のビッグマッチがやってきました。SSCナポリとユヴェントスが顔を合わせる第14節の一戦は、順位争いだけでなく、両クラブの今シーズンの行方を占う重要なゲームとして大きな注目を集めています。

ユヴェントスを率いるルチアーノ・スパレッティ監督は、このナポリ戦を前に「シーズンを左右する可能性がある」とコメントし、選手たちにとってもクラブにとっても特別な意味を持つ試合であることを強調しました。古巣ナポリとの対戦、そして首位争いに踏みとどまるための大一番として、このゲームは多くの視線を集めています。

試合日程・キックオフ時間・会場

試合概要は以下の通りです。

  • 大会:2025-26 セリエA 第14節
  • 対戦カード:ナポリ vs ユヴェントス
  • 試合日:2025年12月8日(月)<日本時間>
  • キックオフ:午前4:45(予定)
  • 会場:スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ(ナポリのホームスタジアム)

ナポリのホーム「スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ」は、セリエA屈指の“難所”として知られるスタジアムです。熱狂的なティフォージ(サポーター)の後押しもあり、ナポリはこのスタジアムで圧倒的な強さを誇っています。アントニオ・コンテ監督のもとで、ナポリはホーム無敗記録の更新にも挑んでおり、今回のユヴェントス戦もその流れを維持できるかが一つの焦点となります。

テレビ放送・ネット配信情報

日本国内での視聴方法について、現時点で明らかになっている情報は次の通りです。

  • 配信サービス:DAZN(DMM×DAZNホーダイを含む)による独占ライブ配信
  • キックオフ:日本時間 12月8日(月)午前4:45
  • その他サービス:SPOTV NOW、U-NEXT、ABEMA、地上波など他サービスでの中継予定はなし

DAZNでは、試合のライブ配信に加え、見逃し配信やハイライト映像も視聴可能となる見込みで、早朝キックオフの試合でも後からゆっくり楽しみたいファンにはありがたい環境と言えます。

両チームの現状:王者ナポリと復調ユヴェントス

この試合は、2023年にスクデット(リーグ優勝)を獲得した王者ナポリと、伝統の名門ユヴェントスという構図で語られることが多くなっています。

王者ナポリ:ホーム無敗で2025年を締めくくれるか

ナポリはここ数試合、全大会を通じて4連勝と絶好調の状態にあります。アタランタやカラバフを撃破し、さらに「デルビー・デル・ソーレ」と呼ばれるローマとの大一番にも勝利。直近では、ダビド・ネレスの鮮やかなゴールでミランと勝ち点で並び、首位争いに踏みとどまっています。

さらに、コッパ・イタリアでもカリアリをPK戦の末に破り、準々決勝へ進出。今シーズンのナポリは、リーグ戦・カップ戦ともに好調を維持しており、チームとしての勢いは十分です。

注目すべきは、そのホームでの圧倒的な成績です。コンテ監督率いるナポリは、ディエゴ・マラドーナ・スタジアムで15勝5分けという素晴らしい成績を残しており、もしユヴェントス戦でも敗戦を避けることができれば、「ホームで一年間無敗」という快挙を1987年以来、初めて達成することになります。この記録がかかった一戦という意味でも、ナポリにとってユヴェントス戦は非常に重要です。

ユヴェントス:スパレッティのもとで波乱のシーズンから再浮上へ

一方でユヴェントスは、ルチアーノ・スパレッティ監督のもとで、難しい時期を乗り越えつつあります。ユーロ出場権争いから一時は後退したものの、ここにきてリーグ戦とカップ戦で安定した結果を出し始めています。

直近では、コッパ・イタリアでウディネーゼに2-0で勝利し準々決勝に進出。ヨーロッパリーグではボデ/グリムトに勝利し、セリエAでもカリアリ戦の勝利などを積み上げています。スパレッティ監督はこの流れを維持しながら、「タイトル争いに再び戻ること」を目標に掲げているとされ、このナポリ戦を重要なターニングポイントと捉えています。

スパレッティ監督にとっては、2023年のスクデット獲得後に離れた古巣ナポリとの初対戦でもあり、その意味でも特別なゲームです。ただのビッグマッチではなく、監督自身のキャリアの一つの節目とも言える一戦であることは間違いありません。

両クラブの対戦成績とナポリの優位

かつてセリエAにおいて、ユヴェントスは長きにわたりナポリに対して「苦手意識とは無縁」の存在でした。特に2010年代前半には、北部の強豪として南イタリアのライバルを圧倒していた時期もあります。

しかし、ここ数年でその構図は大きく変わりました。2020年以降のセリエAにおけるナポリ対ユヴェントスの直近11試合で、ユヴェントスは7敗を喫しており、数字の上では明らかにナポリが優位に立っています。ナポリの攻撃的なスタイルとホームでの勢いが、伝統のユヴェントスを苦しめてきたと言えるでしょう。

直近の直接対決においても、ナポリはユヴェントスに対して勝ち越しています。最近の公式戦5試合の対戦成績では、ナポリの勝利が多く、ユヴェントスはなかなか勝ち切れていません。こうした過去のデータも、今回のカードに対する“ナポリ優位”という見方を後押ししています。

ナポリのチーム状況と予想スタメン

ナポリはチームとして好調を維持する一方で、負傷者も抱えています。中盤の要であるスタニスラフ・ロボトカは、ケビン・デ・ブライネ、フランク・アンギサ、ビリー・ギルモアとともに欠場する見込みで、中盤の構成には苦心がうかがえます。

また、GKのアレックス・メレット、FWのロメル・ルカク、DFのミゲル・グティエレスも出場できないと伝えられており、選手層という点で万全とは言えない状況です。

それでも、ナポリには攻撃的なタレントが揃っています。予想されるスターティングメンバーは以下の通りです。

  • GK:ミリンコビッチ=サビッチ
  • DF:ブウケマ、ラフマニ、ボンジョルノ
  • MF:ディ・ロレンツォ、エルマス、マクトミネイ、オリベラ
  • FW:ネレス、ラング、ホイルンド

キャプテンのジョバンニ・ディ・ロレンツォは、右サイドから豊富な運動量と精度の高いクロスで攻撃を支え、ネレスやラングといったサイドアタッカーはカットインからのシュートやドリブルで相手守備陣を翻弄します。最前線には、ポテンシャル十分のラスムス・ホイルンドが入り、フィジカルとスピードを生かしてユヴェントスの最終ラインに挑みます。

ユヴェントスのチーム状況と予想スタメン

ユヴェントス側も負傷者に悩まされています。エースストライカーのドゥシャン・ヴラホヴィッチが負傷中で、ナポリ戦の起用が難しいとされています。その代役としては、ロイス・オペンダジョナサン・ダヴィドが前線を牽引する役割を担うと見られています。

さらに、守備の要であるセンターバック陣にも故障者が多く、フェデリコ・ガッティブレーメルダニエレ・ルガーニがいずれも負傷のためメンバー入りが難しい状況です。守備面でのやりくりはスパレッティ監督にとって大きな課題となります。

それでも、ユヴェントスにはバランスの取れたメンバーが揃っています。予想スタメンは以下の通りです。

  • GK:ディ・グレゴリオ
  • DF:カルル、ケリー、コープマイナーズ
  • MF:カンビアソ、ロカテッリ、テュラム、コスティッチ
  • FW:コンセイソン、ユルディズ、デビッド

中盤では、ゲームメイクを担うマヌエル・ロカテッリと、ダイナミックなプレーが持ち味のテュラムが鍵を握ります。サイドには、左利きのクロッサーフィリップ・コスティッチ、そして上下動の激しいカンビアソが入り、両翼からの攻撃と守備のサポートを両立させることが求められます。

前線では、若きタレントケナン・ユルディズや、スピードと得点力を兼ね備えたジョナサン・デビッドが、ナポリ守備陣にどこまで迫れるかがポイントになるでしょう。スパレッティ監督としては、欠場者の多い状況のなかでも、コンパクトな守備と素早いカウンターでナポリに対抗したいところです。

戦術的な見どころ:ホームで押し込むナポリ vs 組織的なユヴェントス

この一戦で予想される構図は、ホームのナポリがボールを保持して攻める展開、アウェーのユヴェントスが守備ブロックを築いてカウンターを狙う展開です。

ナポリは、コンテ監督のもとで3バックとサイドアタックを生かしたスタイルを採用しており、ウイングバックとインサイドハーフの連動でサイドを制圧しながら、中央に厚みを持たせる攻撃を得意としています。ネレスやラング、ホイルンドといった前線の選手が、ユヴェントスのセンターバックの裏を突く形が多く見られるでしょう。

一方、ユヴェントスは3バック気味の守備から中盤の距離感をコンパクトに保ち、ロカテッリを起点としたショートカウンター、あるいはコスティッチやカンビアソのサイドから素早く前線へボールを供給する形が鍵になると考えられます。スパレッティ監督のチームは、ボールを持たない時間帯でも組織的な守備で我慢強く戦えるのが特徴であり、ナポリの攻撃をどこまで無効化できるかがポイントです。

スパレッティ監督の言葉:「シーズンを左右する可能性がある」

ユヴェントスのルチアーノ・スパレッティ監督は、試合前のインタビューでナポリ戦について「この試合は、我々のシーズンを左右する可能性がある」と語っています。ここまで波乱を含んだシーズンを過ごしてきたユヴェントスにとって、王者ナポリのホームに乗り込み勝点を持ち帰ることは、チームとして大きな自信につながるからです。

また、スパレッティ監督にとっては、自身がスクデットをもたらしたクラブ・ナポリとの対戦という特別な舞台です。古巣と対峙する彼の采配、そして試合後にどのようなコメントを残すのかにも、注目が集まっています。

移動計画にも表れる「大一番」へのこだわり

イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、ユヴェントスはこのナポリ戦に向けて、試合当日の現地12月7日(日)にナポリへ移動するスケジュールを組んでいると報じられています。これは、前日から現地入りして睡眠やコンディションに影響が出ることを避ける意図があるとされており、クラブ側の「準備へのこだわり」が表れた判断と言えます。

ナポリのスタジアムは独特の雰囲気を持つため、アウェーチームにとっては精神的にもタフな環境になります。試合当日移動という選択は、いつも通りのリズムを保ちながら試合に臨むための工夫とも考えられます。

勝敗のカギを握るポイント

この試合の行方を左右しそうなポイントを、わかりやすく整理しておきましょう。

  • 1. ナポリのホーム無敗記録の維持なるか
    コンテ監督のもと、ホームで15勝5分けと圧倒的な戦績を残すナポリ。この勢いをユヴェントス相手にも発揮できるかが、第14節の最大の焦点です。
  • 2. ユヴェントスの守備陣のやりくり
    センターバックに故障者が相次ぐ中で、スパレッティ監督がどのようなメンバーと布陣でナポリ攻撃陣に対抗するのかが大きな課題です。
  • 3. 前線の決定力
    ホイルンド、ネレス、ラングを擁するナポリと、ヴラホヴィッチ不在の中でデビッドやユルディズに頼るユヴェントス。限られたチャンスをどちらがものにできるかが勝負の分かれ目となるでしょう。
  • 4. 監督のマネジメントと試合中の修正力
    コンテとスパレッティという戦術家同士の対決は、先発の組み合わせだけでなく、試合中の選手交代やフォーメーション変更も大きな見どころです。

スコア予想と専門家の見立て

海外メディアによる試合分析では、ナポリ優位の見立てが多く、具体的には「ナポリ 1-0 ユヴェントス」というスコア予想も出ています。ホームでの強さ、対ユヴェントスでの最近の好成績、そして現時点でのチーム状態を考えると、ナポリがやや有利という見方は自然なものと言えるでしょう。

一方で、ユヴェントスもスパレッティ監督のもとで安定感を取り戻しつつあり、守備を固めながら一瞬のチャンスを逃さない老獪さは健在です。紙の上での戦力や成績だけでは測れないのが、ビッグクラブ同士の対戦の難しさでもあります。

ファンにとっての楽しみ方:早朝キックオフでも見逃せない一戦

日本時間で午前4時45分という、やや観戦が難しい時間帯でのキックオフとなるナポリ対ユヴェントスですが、サッカーファンにとっては「早起きしてでも見る価値のあるカード」と言えるでしょう。

DAZNの見逃し配信を活用すれば、出勤前や帰宅後など、自分の生活リズムに合わせて視聴することも可能です。夜中にリアルタイムで手に汗握る攻防を味わうのもよし、翌日にじっくり試合を振り返りながら戦術的な駆け引きを楽しむのもおすすめです。

王者ナポリのホーム無敗記録が続くのか、それともスパレッティ率いるユヴェントスが大金星を挙げ、タイトルレースに再び名乗りを上げるのか。セリエA第14節のこの一戦は、今シーズンを語るうえで外せない試合になることは間違いありません。

参考元