森保ジャパンがイングランド代表の“要注意チーム”に浮上 欧州遠征で見える日本代表の現在地
日本代表・森保ジャパンが、世界の強豪国から「避けたい相手」として認識され始めています。かつては挑戦者として強豪に挑む立場だった日本が、いまやワールドカップ優勝を狙う国々からも警戒される存在になりつつあるのです。本記事では、イングランド代表とのテストマッチ計画や、元代表監督サウスゲイト氏の評価、さらに他のアジア勢との状況の違いを踏まえながら、森保ジャパンの現在地と今後の注目ポイントをわかりやすく解説します。
サウスゲイト氏が語る「W杯で当たりたくない日本」
まず注目したいのが、イングランド代表を率いた実績を持つガレス・サウスゲイト元監督の発言です。彼は、ワールドカップで対戦を避けたい国の一つとして日本代表の名前を挙げ、「非常に厳しい試合になる」と評価したと伝えられています。この言葉は、単なるリップサービスではなく、近年の日本代表の戦いぶりが世界から高く評価されている証拠といえるでしょう。
日本はこれまで、ワールドカップ本大会や各種国際大会で、ドイツやスペインといった強豪国相手に堂々と渡り合ってきました。その中で示してきたのは、規律ある守備と素早いトランジション、そして個々の技術の高さです。欧州主要リーグでプレーする日本人選手が増えたことで、強豪国から見ても「やりにくい、侮れない相手」という印象が強まっていると考えられます。
来年3月の欧州遠征プランとイングランド戦
そうした評価の中で、日本代表は来年3月に欧州遠征を計画しており、その一環としてイングランド代表、さらにオーストリア(報道によってはオーストラリアと伝えられる場合もありますが、ここでは「欧州遠征の対戦候補」として整理します)とのテストマッチ案が浮上しています。欧州の地で欧州強豪と対戦できる機会は、ワールドカップ本大会を見据えたうえで非常に貴重です。
イングランドは、伝統ある強豪国でありながら、近年はタレント揃いの攻撃陣と安定した守備組織を武器に、常に優勝候補として名前が挙がる存在です。そんな相手と、聖地ウェンブリーを含む欧州の舞台でテストマッチを行うことになれば、日本代表にとっては、選手個々の力量だけでなく、チーム全体の完成度を図るうえで絶好の“物差し”となるでしょう。
テストマッチが持つ意味:日本代表にとってのメリット
イングランド代表とのテストマッチは、日本代表にさまざまなメリットをもたらします。わかりやすく整理すると、次のような点が挙げられます。
- 戦術面の確認:欧州トップレベルのハイテンポかつフィジカルなサッカー相手に、日本のポゼッション、プレス、ラインコントロールがどこまで通用するかを実戦で確認できる。
- 個のレベルの測定:欧州クラブ所属選手が多くいる日本代表にとって、自らが所属するリーグで活躍するスター選手たちと代表レベルで対峙することで、自身の現在地を肌で感じられる。
- メンタルの強化:歴史と伝統あるスタジアムやアウェーの雰囲気は、ワールドカップ本大会のプレッシャーを擬似体験できる場となり、若手選手にとって大きな財産になる。
また、イングランド側にとっても、日本代表は高い組織力とスピードを兼ね備えた「格好のテスト相手」です。欧州以外のスタイル、特にアジア的な緻密さと柔軟性を体現するチームと対戦することは、本大会で多様な相手と戦う準備として有意義と考えられています。
オーストリア(あるいはオーストラリア)との対戦プラン
欧州遠征では、イングランドだけでなくオーストリアとのテストマッチ案も報じられています。オーストリアは、欧州の中堅〜上位クラスとして評価されるチームであり、堅実な守備と組織的な攻撃を持ち味としています。ワールドカップ予選や欧州選手権でも、強豪を苦しめる試合を見せることが多い国です。
こうした「欧州中堅クラス」との試合は、強豪との一発勝負とは異なる意味を持ちます。日本がワールドカップ本大会でベスト8以上を現実的に狙うためには、グループステージや決勝トーナメント1回戦で当たる可能性が高い、いわゆる中堅国との試合を確実にものにする力が不可欠です。オーストリアとのテストマッチは、その精度を高めるうえで最適な機会といえるでしょう。
「W杯優勝国」との対戦報道が示す日本の評価
さらに、日本代表は3月に「ワールドカップ優勝国」と対戦するプランも報じられています。ここでいう優勝国が具体的にどのチームを指すのかは報道によって異なるものの、「優勝経験を持つ大国とテストマッチを組める」という事実自体が、日本の国際的な評価の高さを物語っています。
親善試合とはいえ、ワールドカップ優勝経験国はブランド価値も高く、対戦相手を選ぶ立場にあります。その中で日本代表がマッチメイクの候補として挙がるのは、アジアの中でも突出した存在と見なされつつあることの証明です。これまでの大会での戦績、FIFAランキング、選手層の厚さなど、総合的な評価が反映された結果と考えられます。
韓国代表との対戦相手の違いと「格差」
一方で、同じアジアの強豪として比較されることの多い韓国代表については、同時期に「欧州中堅クラス」との対戦が予定されていると報じられています。韓国も長年にわたりワールドカップ常連国として実績を重ねてきたチームですが、今回のマッチメイクでは、日本と対戦相手の“格”の違いが取り上げられました。
韓国が欧州中堅国との試合を組み、日本がワールドカップ優勝国やイングランドといった強豪とのテストマッチを計画している流れから、一部では「W杯前から日韓の格差が鮮明になっているのではないか」という論調も見られます。単純な優劣を決めることはできませんが、現時点で日本代表が国際的な注目と信頼をより多く集めているのは事実といえるでしょう。
森保ジャパン強化計画の一貫としての欧州遠征
今回の欧州遠征プランは、森保一監督のもとで進められてきた「段階的な強化計画」の延長線上にあります。森保監督はこれまでも、アジア予選での安定した戦いに加え、欧州や南米の強豪との親善試合を積極的に組むことで、チームの経験値を高めてきました。
特に重要なのは、単に強い相手と対戦するだけでなく、「そこで得た課題を次の試合や公式戦にどう落とし込むか」というプロセスです。欧州遠征での結果がたとえ勝ち負けに偏ったとしても、その内容や修正点を本大会までにどれだけ反映できるかによって、最終的な成果は大きく変わってきます。
イングランド代表が日本を選ぶ理由
イングランド代表側の視点から見ても、日本代表との対戦には明確な狙いがあります。ワールドカップ本大会では、アジア勢との対戦機会も十分に想定されるため、日本のような高度な組織力と技術を持つチームと事前に戦っておくことは、戦術面の準備として欠かせません。
また、日本は激しいコンタクトと速い攻守の切り替えを両立させたスタイルを持っており、欧州内のチームだけと対戦していては体験しにくいタイプの相手です。こうした理由から、イングランドが「アジア勢と戦うなら日本を選ぶ」という判断を下したとみられ、同時に他のアジア勢ではなく日本が選ばれた事実は、日本代表への評価の高さをはっきりと示しています。
サポーターが注目すべきポイント
今後、イングランド戦やワールドカップ優勝国との一戦が正式に決まれば、多くのファンがテレビや現地で観戦することになるでしょう。その際、注目したいポイントをいくつか挙げておきます。
- ビルドアップの安定感:強烈なプレッシングを仕掛けてくる相手に対し、日本がどこまで落ち着いて後方からボールをつなげるか。
- 守備ブロックの統一感:相手のスター選手に個で対応するのではなく、チームとしていかにスペースを消し、危険なエリアへの侵入を防ぐか。
- 決定力:強豪相手ではチャンスの数が限られる中、その少ない好機を確実にものにできるかどうかが勝敗を分ける。
- 交代選手のインパクト:ベンチから出てくる選手が流れを変えられるかどうかは、選手層の厚みを測る重要なポイントとなる。
これらの要素を意識しながら試合を見ることで、単なる勝ち負けだけでなく、日本代表が世界の中でどの位置にいるのか、そしてどこを伸ばすべきなのかが、より立体的に見えてくるはずです。
強豪国との対戦が示す日本代表の「新しい立場」
かつて日本代表は、「強豪国に挑む側」としての立場が強く、親善試合でも欧州や南米の名だたるチームから“招かれる”こと自体がニュースになっていました。しかし今では、ワールドカップ優勝国やイングランド代表のような強豪が、日本を本気のテストマッチ相手として選んでいます。
これは、日本代表が単なるアジアの有力国にとどまらず、「ワールドカップで結果を残しうるカテゴリー」に足を踏み入れつつあることを意味します。強豪との試合はリスクも伴いますが、それを恐れずに経験を積み重ねていくことこそが、真の強国への道のりといえるでしょう。森保ジャパンがこの貴重な機会をどう生かすのか、今後の動向から目が離せません。



