マリノス始動と宮市亮の訴え──2026年、トリコロールの新たな船出

横浜F・マリノスが、2026年シーズンに向けて本格始動しました。昨季の悔しさを胸に、「本来いるべき場所」を取り戻すための挑戦が、トリコロールの新たな船出として静かに、しかし力強く動き出しています。

その一方で、クラブを支える重要なテーマとして改めて浮かび上がっているのが、選手の「安全」と「健康」、とくに脳振とうの問題です。宮市亮選手が自らの経験をもとに、その危険性を強く訴えたことは、マリノスだけでなく、日本サッカー全体にとっても大きな意味を持つ出来事と言えるでしょう。

宮市亮が語った「視野が暗くなる」脳振とうの恐怖

ニュースによると、横浜F・マリノスの宮市亮選手は、取材の中で脳振とうの危険性について率直に語りました。

症状として口にしたのは、

  • 「視野が暗くなってボヤっとする」
  • 「意識が飛びそうになる感覚」

といった、非常に生々しい体験です。こうした症状は、一見すると「少しフラついた」「ちょっと頭を打っただけ」と軽く見られがちですが、実際には選手生命、さらには人生そのものに関わる重大なサインとなりえます。

サッカーでは、ヘディングや空中戦、相手との接触プレーなどで頭部に衝撃が加わる場面が多くあります。そのため、脳振とうのリスクは常につきまとっていますが、これまでは「根性論」や「本人の自己申告」に頼る部分も少なくありませんでした。

宮市選手が自らの感覚として「視界が暗くなる」「意識が遠のく」といった状態を言葉にして伝えたことは、サポーターや指導者、若い選手たちが脳振とうを「他人事」ではなく、「身近な危険」として受け止めるきっかけになるはずです。

また、彼は度重なるケガと向き合いながら、何度もピッチに戻ってきた選手です。その宮市選手が、ただ「痛み」ではなく「脳」へのダメージの怖さを強調したことは、非常に重いメッセージだと言えるでしょう。

なぜ脳振とうがこれほど問題視されるのか

ここで、あらためて脳振とうの危険性について、わかりやすく整理しておきます。

脳振とうは、頭部や体に強い衝撃が加わったときに起こる、脳の機能障害です。以下のような症状が見られることがあります。

  • 一時的な意識消失、または意識がもうろうとする
  • めまい、ふらつき、吐き気
  • 視界がぼやける、暗くなる
  • 頭痛や違和感
  • プレー中の記憶があいまいになる

問題は、「試合中はアドレナリンで気づきにくい」「本人が『大丈夫』と言ってしまいやすい」という点にあります。そのため、選手本人だけでなく、周囲が異変に気づき、適切にプレーを止めることが重要になります。

海外サッカーでは近年、脳振とうが疑われる場面では、すぐにピッチ外に出して専門家がチェックする仕組みが強化されつつあります。日本国内でも、Jリーグや各クラブがガイドラインの整備や啓発を進めていますが、現場レベルでの「意識改革」はまだ途上と言われています。

そうした中での宮市選手の発信は、選手自身が自分の体と真剣に向き合い、また周囲もそれを受け止める空気づくりに一石を投じるものです。マリノスというビッグクラブからこの問題提起がなされたことは、象徴的でもあります。

「マリノスの2026年が始動」──昨季の屈辱から、あるべき場所へ

一方、チームとしての横浜F・マリノスは、2026年に向けての始動日練習を迎え、新シーズンへの一歩を踏み出しました。

クラブ関係者やメディアの表現にある「昨季の屈辱」という言葉には、マリノスが自らに課している高い基準がそのまま表れています。タイトル争いから遠ざかった時間、勝ち切れなかった試合、サポーターに悔しい思いをさせてしまったシーズン──そうした記憶を原動力に、2026年は「本来いるべき場所」、つまり優勝争いの中心へと返り咲くことが目標になります。

始動日の練習では、選手たちの表情にも「やり直し」ではなく「挑戦」の色が滲んでいたと伝えられています。厳しいトレーニングの中にも、ボールを追う喜びや、新しいシーズンへの期待感があふれていたことでしょう。

この「新たな船出」という表現は、マリノスのクラブカラーであるトリコロールそのものを象徴しています。赤・白・青の旗を掲げ、再び高みを目指す航海に、サポーターも心を躍らせているはずです。

喜田拓也「マリノスのために戦うと決めたこのメンバーで」

今季初の全体練習では、キャプテンとしてチームを引っ張る喜田拓也選手が、あらためてチームの結束を語りました。

「マリノスのために戦うと決めたこのメンバーで」

この言葉には、いくつかの意味が込められているように感じられます。

  • クラブに残ること、新たに加わることを決断した選手たちへの敬意
  • それぞれが覚悟を持って「ここで戦う」と決めたことへの誇り
  • 内外の評価ではなく、ピッチ上の結果で示していくという決意

マリノスは毎シーズン、多くのタレントを擁しながらも、システムやスタイルへの適応、コンディションの維持、過密日程への対応など、さまざまな課題と向き合ってきました。その中で、中心にいるのが喜田選手のような「クラブの心臓」とも言うべき存在です。

彼が口にした「このメンバーで」という言葉は、単なる励ましではなく、「誰一人欠けても成り立たないチーム」であるという認識の表れでもあります。新加入選手、若手、ベテラン、外国籍選手──立場は違っても、全員が同じエンブレムのために走る。その象徴として、キャプテンのメッセージはサポーターの胸にも響くものとなっています。

特別大会「明治安田J1百年構想リーグ」へ向けた準備

2026年前半には、Jリーグシーズン移行に向けた特別大会として、「明治安田J1百年構想リーグ」が開催されます。この大会は2月から6月にかけて行われ、各クラブにとっては新たなチャレンジの場となります。

横浜F・マリノスも、この「特別なシーズン」を重要なステップと位置づけており、2026年のクラブスケジュールには、百年構想リーグの開幕や関連イベントが組み込まれています。

クラブの公式発表によると、2月6日(金)には、日産スタジアムでのFC町田ゼルビア戦が、百年構想リーグの第1節として開催されます。

  • 大会名:明治安田J1百年構想リーグ
  • 開催期間:2026年2月〜6月
  • 横浜F・マリノス開幕戦:2月6日(金) vs FC町田ゼルビア(日産スタジアム)

このリーグは、シーズン移行に向けた「橋渡し」として位置づけられており、優勝クラブにはAFCチャンピオンズリーグ・エリート出場枠が与えられるなど、非常に大きな意味を持つ大会となっています。

また、「引き分けなし」「PK戦による完全決着方式」という特徴もあり、マリノスのような攻撃的なスタイルを持つクラブにとっては、より一層「勝ち切る力」が試される舞台となります。

トリコロール新体制発表会と新ユニフォーム

マリノスは、2026年1月10日に新体制発表会を開催すると発表しています。

  • イベント名:2026 横浜F・マリノス新体制発表会
  • 日時:2026年1月10日(土)15:00〜
  • 会場:日産グローバル本社 日産ホール(横浜市西区高島)
  • 内容:新加入選手紹介、新ユニフォーム発表など

この発表会では、新たにチームに加わる選手たちのお披露目とともに、百年構想リーグで着用される新ユニフォームも公開予定です。

ユニフォームは、クラブのアイデンティティを象徴する大切な要素です。サポーターにとっても、「新しいシーズンが始まる」という実感を与えてくれる存在であり、そのデザイン発表は毎年大きな注目を集めます。

さらに、百年構想リーグのユニフォームは、TRICOLORE ONE OFFICIAL WEB SHOPで販売受付が始まる予定とされており、スタジアムだけでなく、日常生活でもトリコロールを身にまとう楽しみが広がります。

サポーターとともに進む「新しいマリノス」

2026年のマリノスには、ピッチ内外でいくつものテーマが重なっています。

  • 昨季の悔しさを糧に、タイトル争いへ戻るという競技面の挑戦
  • 宮市亮選手の訴えに象徴される、選手の安全と健康への意識向上
  • 百年構想リーグという新たな舞台における、クラブの存在感の発揮
  • 新体制、新ユニフォーム、新加入選手による、チームの再構築

そして何より重要なのは、このすべての取り組みが、「サポーターとともに」進んでいくという点です。

クラブは、百年構想リーグに向けて、日産スタジアムでのホームゲームや練習見学イベント、シーズンチケットなど、さまざまな形でファン・サポーターとの接点を用意しています。

2月6日の開幕戦では、先着3万人に「熱狂開幕ブランケット」が配布される予定で、トリコロールに染まったスタジアムが、特別大会の幕開けを華やかに彩ることになります。

ピッチでは選手が全力で戦い、スタンドではサポーターが声と拍手で後押しする。その一体感こそが、マリノスの強さであり、クラブの魅力です。

宮市亮の言葉が示す「守るべきもの」と「戦うべきもの」

最後に、宮市亮選手の脳振とうに関するメッセージと、チームとしての「戦い」をあらためて結びつけてみたいと思います。

サッカーは、激しく、熱く、感情が揺さぶられるスポーツです。しかし、その熱さの裏には、「選手の体を守る」という冷静さも必要です。どれだけ重要な試合であっても、どれだけチームのために戦いたくても、「戻ってはいけないとき」は必ず存在します。

宮市選手が語った「視野が暗くなる」「意識が飛びそうになる」といった感覚は、まさにその「境界線」を教えてくれるものです。この境界を正しく理解し、守ることができるかどうかは、選手本人だけでなく、チーム、クラブ、リーグ、そして私たちファンの意識にもかかっています。

2026年、マリノスは「本来いるべき場所」を目指して戦います。同時に、「守るべきもの」を見失わないクラブであってほしいと、多くの人が願っているはずです。

トリコロールの新たな航海は、すでに始まっています。その船に乗るのは、選手、スタッフ、そしてサポーター一人ひとりです。宮市亮選手の勇気ある発信、喜田拓也選手の力強い言葉、そして百年構想リーグという新しい挑戦を通じて、2026年のマリノスがどのような物語を紡いでいくのか、これからの歩みを見守っていきましょう。

参考元