【阪神JF】アルテミスS2着馬ミツカネベネラ、落ち着いた様子で阪神競馬場に到着 「思った通りにこられている」
2歳牝馬の頂点を決めるGI・阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600メートル)に出走するミツカネベネラが、前走アルテミスステークス2着の実績を引っさげて阪神競馬場に到着しました。
輸送後も落ち着いた様子を見せており、陣営からは「ここまで思い通りに来られている」と手応え十分のコメントが聞かれます。
アルテミスSで見せた素質 “ブービー人気”からの2着好走
ミツカネベネラは、前走のアルテミスステークス(G3)で9番人気という低評価ながら2着に好走し、一躍注目を集めました。
勝ち馬にはやや離されたものの、最後は際どい2着争いを制しており、「地力を示した一戦」と評価されています。
JRAが発表した阪神ジュベナイルフィリーズのプレレーティングでも、ミツカネベネラには105ポンドが与えられており、アルテミスS2着の内容が高く評価されていることが分かります。
同レース出走予定馬の中でも上位の評価を受けている1頭で、データ面からも“侮れない存在”として名前が挙がっています。
阪神JFに向けたデータ面の追い風
過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズのデータを振り返ると、前走アルテミスSで連対(2着以内)した馬は【5.2.2.7】と好成績を残しており、重要なステップレースとなっていることが分かります。
さらに、アルテミスS2着から参戦し、キャリア2戦という馬に限定すると【1.0.1.0】と、少数ながら馬券圏内率は非常に高い数字です。
こうした傾向を踏まえ、過去10年の傾向を分析したデータ記事では、出走各馬の条件を照らし合わせたうえで、ミツカネベネラを「1番手」に推す声も上がっています。
前走実績とレース間隔、キャリア、前走のレース格など、いくつかの重要ポイントをすべてクリアしている数少ない馬の一頭として、データ面からも注目度の高い存在となっています。
阪神競馬場へ無事到着 「輸送は強い子」陣営も手応え
本番を控えたミツカネベネラは、関東馬としては最後に阪神競馬場へ到着しましたが、その様子はとても落ち着いていたと伝えられています。
馬房に入ってからもイレ込みなどは見られず、普段通りに過ごせていることがうかがえます。
担当の川崎助手は、「輸送は強い子でカイ食いもいつも通り。ここまで思い通りに来られている」とコメント。
長距離輸送を苦にせず、食欲も落ちていないことは、レース当日に向けて大きな安心材料と言えるでしょう。
折り合い面に不安なし 「優等生」タイプの2歳牝馬
前走後、陣営からは気性面についても高い評価が語られています。アルテミスS後の談話では、「折り合い面は心配ないし、馬群も気にしない。優等生だね」と、そのレースぶりを振り返っています。
まだ2歳ながら、レース中に無駄な力みがなく、周りの馬を過度に気にしない点は、直線の長い阪神外回りコースでも大きな武器になりそうです。
また、「道悪も苦にしないと思う」というコメントも出ており、馬場状態が悪化した場合でも対応できる柔軟さを持っていることがうかがえます。
レースを重ねるごとに「一戦一戦、力をつけている」と評価されており、成長途上にありながらも着実に地力を高めている点が頼もしいところです。
三嶋まりえ記者が伝える「馬具の工夫」と陣営の期待
東スポ競馬の三嶋まりえ記者は、美浦トレセンからのレポートで、ミツカネベネラ陣営の様子や調整過程を詳しく伝えています。
アルテミスSで見せた末脚と粘りを評価しつつ、阪神JFという大舞台に向けて、「馬具の工夫」が行われている点にも触れています。(記事ではアルバンヌとともにミツカネベネラ陣営のコメントが報じられており、その中で前走内容と今後への期待が語られています)
ミツカネベネラは、アルテミスSでは9番人気からの激走と、いわば“伏兵”的な立場でしたが、その走りを機に一気に評価が上昇しました。
三嶋記者のレポートでも、前走の2着は決してフロックではなく、「勝ち馬から離されながらも、最後は接戦の2着争いを制した」点を高く評価しており、地力強化と精神面の成長が強調されています。
また、同レポートではアルテミスS組のレベルの高さにも触れられ、その中で結果を残したミツカネベネラが、GIの舞台でも上位争いに加わるだけのポテンシャルを秘めていると見られていることがうかがえます。
枠順と立ち回りのポイント
ミツカネベネラは、阪神ジュベナイルフィリーズで3番枠に入りました。
内目の枠を引いたことで、序盤のポジション取りと折り合いが一層重要になりますが、前走で見せた「折り合い面の良さ」や「馬群を気にしない性格」は、内枠からでもスムーズな競馬をするうえでプラス材料になりそうです。
スタート直後に無理なく好位、もしくは中団あたりにつけることができれば、直線で進路を探しつつ脚を使えるタイプだけに、展開次第では再び上位進出も十分に視野に入るでしょう。
データ面でも、アルテミスS2着馬という戦績やプレレーティング105という評価は、GIの舞台でも決して見劣りしない存在であることを示しています。
ミツカネベネラをめぐる評価とファンの注目
予想段階では、無敗の重賞勝ち馬や派手な勝ち方をしてきた馬たちに人気が集まる一方で、ミツカネベネラのように「前走で一気に台頭してきたタイプ」は、オッズ以上に“中身の濃い実績”を持つ存在として、穴党を中心に注目されています。
特に、過去10年の傾向を踏まえたデータ派の中には、「アルテミスS連対馬」という条件だけで高く評価する声も多く、専門家の予想記事でもミツカネベネラを本命視する見解が紹介されています。
また、レース前日の報道では、陣営からの前向きなコメントが相次いでおり、「精神的な落ち着き」「輸送への強さ」「折り合いの良さ」といった、2歳牝馬にとって不安になりがちなポイントをクリアしている点が好材料として挙げられています。
今後の飛躍へつながる大一番
ミツカネベネラにとって、今回の阪神ジュベナイルフィリーズは、2歳牝馬の頂点を争うだけでなく、今後のクラシック路線に向けた重要な一戦でもあります。
アルテミスSで見せた末脚と勝負根性、そして今回のGIでどのような走りを見せるかによって、来年以降のローテーションや評価も大きく変わってくることでしょう。
陣営は、「ここまで思い通りに来られている」と語る一方で、「一戦一戦、力をつけている」という言葉どおり、無理をせず着実にステップを踏ませてきました。
その積み重ねの集大成として迎えるのが、この阪神JFです。レース結果がどうであれ、GIの舞台で一線級のメンバーと対戦する経験は、ミツカネベネラにとって大きな財産となるはずです。
アルテミスS2着からさらに成長した姿を見せられるか——。ミツカネベネラの走りに、多くのファンが注目しています。


