松本マラソン、2025年大会中止へ 不正会計処理と収支悪化が理由
長野県松本市で毎年開催されていた「松本マラソン」が、2025年の大会を中止する方針が正式に決まりました。大会の運営を担う松本マラソン実行委員会は、2025年4月23日に開かれた総会で、今年の大会を中止することを決定しました。その背景には、大会の収支悪化や、2023年の大会で発覚した不正な会計処理の問題がありました。
不正会計処理が発覚
松本マラソンは2017年に始まり、松本城の下町を走る美しいコースで多くのランナーに親しまれてきました。しかし、2023年の大会では、大会の赤字を隠すために不正な会計処理が行われていたことが判明しました。実行委員会によると、2023年の大会は実際には3915万円もの赤字でしたが、担当の職員が「大会のイメージが悪くなる」と判断し、運営委託費の一部を翌年に繰り越すなどの処理をして、決算書上は75万円の黒字として報告していました。
この不正会計処理は、大会の信頼を大きく損なう結果となりました。松本市の市長は「決算書の数字を操作して実態と異なる内容を報告したことは極めて重い事態であり、不正な会計処理と認識している」と述べ、関係者やランナーの皆様に心からお詫びを申し上げました。
収支悪化と参加者減少
松本マラソンは、近年、参加者の減少や大会運営費の増加などにより、収支が苦しくなっていました。2024年の大会でも4380万円の赤字が発生し、大会の継続が困難な状況に陥っていました。新型コロナウイルスの影響や、台風、豪雨災害などによる中止も重なり、大会の開催回数も5回と限られていました。
実行委員会は、大会運営の検証が必要であるとして、2025年の大会を中止する方針で一致しました。今後は市議会の協議を経て、正式に決定される見通しです。
今後の開催について
松本マラソンの今後の開催については、市長が「関係する様々な皆さんと意見交換をさせていただき、真摯に耳を傾けて結論を出していきたい」と述べています。大会の終了は、市民ランナーやボランティアスタッフ、そして全国のランナーの皆様にとって大きなショックとなっています。
市長は「これまで大会に参加をし、2025年大会の開催を心待ちにしている全国のランナーの皆さま、松本市内のランナーの皆さまには期待と信頼を裏切る結果になったことに対しまして、心からお詫びを申し上げます」と述べ、説明責任を果たすとともに、今後の対応についても丁寧に説明していくことを約束しました。
大会の歴史と影響
松本マラソンは、2017年に始まり、松本城の下町を走る美しいコースで多くのランナーに親しまれてきました。大会は、松本市の観光や経済活性化にも貢献していました。しかし、近年の収支悪化や参加者減少、不正会計処理の発覚により、大会の継続が困難な状況に陥りました。
大会の終了は、松本市のスポーツイベントや観光業界にも大きな影響を与えることが予想されます。今後、松本市は新たなスポーツイベントの創設や、既存イベントの見直しを進めていくことでしょう。
まとめ
松本マラソンは、2025年の大会を中止し、今後の開催についても検討が進められています。不正会計処理や収支悪化が原因で、大会の信頼を大きく損なう結果となりました。市長は関係者やランナーの皆様に心からお詫びを申し上げ、今後の対応についても丁寧に説明していくことを約束しています。
松本マラソンの終了は、多くの市民やランナーにとって大きなショックですが、今後は新たなスポーツイベントの創設や、既存イベントの見直しを進めていくことが期待されます。



