マンチェスター・シティvsナポリ、欧州CLの新時代を告げる注目カード
2025年9月18日、エティハド・スタジアムで迎えたチャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ第1節。新生ナポリと欧州王者マンチェスター・シティが激突しました。特に話題を呼んだのは、長年シティの心臓部を支えたケビン・デ・ブライネがナポリの一員として古巣帰還を果たした点です。指揮官アントニオ・コンテの下、イタリア王者はヨーロッパの頂点を目指し、イングランド王者に挑みました。
デ・ブライネ、古巣対戦で見せる“王の帰還”
ケビン・デ・ブライネは今年夏、10年近く在籍したマンチェスター・シティを離れ、ナポリへ新天地を求めました。シティのグアルディオラ監督は「彼は唯一無二だ。彼がもたらす素晴らしい才能はナポリをさらなる高みへ導くだろう」とコメント。イギリス時代には数々のタイトルを手にし、ファンから絶対的信頼を得ていたレジェンドが、今回は敵将として古巣と対峙します。試合直前には、指揮官コンテがヨーロッパ制覇を経験したデ・ブライネに助言を求める場面も見られ、ピッチ外でも熱い視線が注がれました。
話題のゴールキーパー・ドンナルンマ、母とナポリ戦
今季よりマンチェスター・シティの守護神を務めるようになったジャンルイジ・ドンナルンマにも注目が集まりました。母親が大のナポリファンであることで有名なドンナルンマは、「CLナポリ戦のときは母を家に置いていく」と冗談を交えながら語り、メディアからは“マザコン”ぶりでも話題を呼びました。この一戦ではピッチ上で冷静なプレーを保ちつつ、ナポリの攻撃を相手に世界レベルのセーブを披露しました。
両チームの予想スタメンと戦術ポイント
事前の予想通り、両チームは力のあるメンバーを起用し、お互いの強みを出し合う展開となりました。今回発表されたスターティングメンバーは下記の通りです。
-
マンチェスター・シティ(ホーム)
- GK:ジャンルイジ・ドンナルンマ
- DF:ルベン・ディアス、ヨシュコ・グバルディオール、ニコ・オライリー、アブドゥコディル・フサノフ
- MF:ティジャーニ・ラインデルス、ジェレミ・ドク、ロドリ、ベルナルド・シウバ、フィル・フォーデン
- FW:アーリング・ハーランド
-
ナポリ(アウェイ)
- GK:バンヤ・ミリンコビッチ・サビッチ
- DF:アレッサンドロ・ボンジョルノ、ジョバンニ・ディ・ロレンツォ、サム・ベウケマ、レオナルド・スピナッツォーラ
- MF:スコット・マクトミネイ、ケビン・デ・ブライネ、マッテオ・ポリターノ、スタニスラフ・ロボツカ、アンドレ・フランク・ザンボ・アンギサ
- FW:ラスムス・ホイルンド
シティは守備にルベン・ディアスとグバルディオールという鉄壁コンビを配し、中盤ではロドリとフォーデン、攻撃の核にはハーランドを据えました。ナポリはデ・ブライネを中盤のエンジンに、前線には新戦力のホイルンドを起用。守備陣にはベウケマやベテランのスピナッツォーラを配置し、バランスの取れた布陣を選びました。
注目の個人、そしてチームの新たな船出
今季のナポリは、リーグ戦3連勝と上々のスタートを切っています。新加入のケビン・デ・ブライネは早くも「3試合2ゴール」と結果を残しており、セリエAでもピッチを支配しつつあります。戦力的には昨シーズン、ルカクの長期離脱という試練に見舞われたものの、ホイルンドやエルマスといった頼もしい新戦力の加入でチームの地力アップを果たしています。
対するマンチェスター・シティも、移籍や負傷の影響を見事にカバーしており、ペップ・グアルディオラの戦術が熟成しています。特に攻撃陣では、ヨーロッパ随一のストライカーであるハーランドに多くの期待が集まります。ベースとなる4-3-3に加え、ドクやフォーデンのようなドリブル突破型の選手が左右でアクセントをつけることで、長短のパス交換や攻撃のバリエーションを増強。また、ゴールキーパーの新顔・ドンナルンマも、移籍後すぐに守備のキーマンとなっています。
CLグループリーグ突破に向けて
CLリーグフェーズ第1節という大事な初戦を迎えた両チーム。ナポリは今季、「セリエA連覇」「CLベスト8進出」を掲げ、現実的な目標としてはCLグループリーグ突破を最低限のノルマとしています。加えて、
- 選手層の拡充
- 戦術理解度の深化
- ヨーロッパの大舞台での経験値アップ
がテーマとなっており、指揮官コンテの手腕にも大きな注目が集まります。マンチェスター・シティにとっても、ヨーロッパ連覇という至上命題があり、グアルディオラの戦術サッカーの深化はますます洗練された形に。
現地ファン・関係者の反応と新たな物語
この試合は、多くのファンにとって感慨深いものでした。デ・ブライネへの大声援、ナポリ新キャプテン・ディ・ロレンツォの闘志あふれるプレー、そしてゴールキーパー・ドンナルンマの母親エピソードまで、多くのストーリーが交錯します。
両クラブは新戦力と新戦術を手にし、いよいよ欧州で新たな物語を紡ぎ始めました。ナポリのイタリア流守備、シティの華麗なパスワーク、その融合が生む舞台には世界中のサッカーファンが熱い視線を送っています。
この先の展望
ナポリは序盤こそ連勝と好調を維持していますが、主力の離脱リスクや過密日程をどう乗り切るかが課題です。逆にマンチェスター・シティは、世界最高峰のタレント揃いながらもモチベーションの維持や新戦力との融合という側面で“円熟期”の難しさもあります。今季のCLグループリーグの最重要カードとして、両者から目が離せません。



