バドミントン競技ルール大改正!21点制から15点制へ移行へ
バドミントン界に大きな転機が訪れました。世界バドミントン連盟(BWF)の理事会が、従来の「21点3ゲーム制」から「15点3ゲーム制」への移行を承認したのです。この歴史的なルール変更について、詳しくご説明します。
何が変わるのか:ルール改正の詳細
現在、バドミントン競技では2006年以降、21点を先取して1ゲームとする「21点3ゲーム制」が標準として採用されてきました。しかし、この度の理事会決定により、新しい得点体系への移行が決定されました。
新しいルールでは、1ゲームの得点が15点先取となります。ゲーム数は引き続き「3ゲームのうち2ゲーム先取」という形式は変わりませんが、細かなポイントに変更があります。
具体的には、以下のような変更が予定されています:
- インターバルが11点から8点での開始に短縮
- デュース時の最終得点が30点から21点に変更
- 全体的な試合時間が従来の約60分から短縮される見込み
なぜこのタイミングで変更するのか
ルール改正の背景には、複数の要因があります。
近年、バドミントンはワールドツアーなど国際大会の数が急増し、選手たちは過密な日程に追われる状況となっていました。新しい15点制への移行は、試合時間を短縮することで選手の負担を軽減するという狙いがあるのです。
また、他のスポーツでも同様のルール改正の先例があります。卓球は2001年に21点制から11点制に変更した経験があり、バドミントンもこうした傾向に倣う形となっています。
日本チームへの影響:種目によって異なる対応
日本バドミントン協会の池田信太郎強化本部長は、このルール変更が日本チームにもたらす影響について詳しく分析しています。
池田強化本部長は「種目によってメリット、デメリットがある」とコメントしています。具体的には以下のような見方を示しています。
- 女子ダブルス:長いラリーが多く、精神力で戦うことが日本女子の強みであり、15点制への移行は有利に働く可能性がある
- 男子:フィジカルの面で長いラリーに対応する課題があり、15点制が必ずしも有利とは限らない
つまり、全ての種目に同じ影響がもたらされるわけではなく、各種目の特性に応じた戦略の再構築が必要になるということです。
試験的導入と正式決定へのロードマップ
このルール変更は即座に実装されるわけではありません。段階的な導入が計画されています。
現在は試験的な導入段階にあり、すでに一部の国際大会では新しい15点制がテストされています。2025年には、世界各地のグレード3大会や一部の大陸選手権などで本格的なテストが実施される予定です。
興味深いことに、日本バドミントン協会は2028年ロサンゼルス五輪の予選期間にも試験的導入することを提案しています。これにより、オリンピック本大会に向けて新ルールでの競技経験を積むことができるようになります。
正式な決定は、2026年のBWF年次総会(AGM)で下される予定となっています。そこで新ルールの本格採用が正式に承認されれば、その後、各国の競技会や代表選考に反映されることになるでしょう。
国内への波及効果
ルール変更が正式決定されれば、日本国内にも大きな波及効果がもたらされます。
日本バドミントン協会の大野淳事務局長と池田強化本部長は、12月2日に都内で取材に応じ、この決定について詳しく説明しました。国内の選手選考基準や大会運営も、新しいルール体系に合わせて改定されることになるでしょう。
特に、2026年以降の日本代表選考では、新ルールを見据えた評価基準が適用されることが予想されます。
バドミントンの未来に向けて
このルール変更は、バドミントン競技が直面する課題に対応するための重要なステップです。
試合時間の短縮による選手負担の軽減、競技の活性化、そして視聴者にとってより分かりやすくテンポの良い競技環境の実現。これらの狙いが15点制の導入に込められています。
日本のバドミントン選手たちも、この変化に対応するための準備を進めていくことになります。女子ダブルスの精神力を生かした戦い方と、男子のフィジカル面での課題克服という、種目ごとの特性に応じた対策が求められるようになるでしょう。
2026年の正式決定に向けて、バドミントン界全体が新しい時代へと歩を進めようとしています。




