ロッテ・髙部瑛斗、背番号「0」へ変更 憧れの先輩・荻野貴司の思いを胸に新たなスタート
千葉ロッテマリーンズは、外野手・髙部瑛斗選手の来季の背番号が、これまでの「38」から「0」へ変更となることを発表しました。
この「0」は、今季限りでロッテを退団した荻野貴司さんが長年背負ってきた番号であり、髙部選手が自ら希望して“継承”を申し出た番号でもあります。
ファンの間で長く愛されてきた「0」が、新たに俊足外野手・髙部瑛斗選手の背中で輝くことになり、球団内外で大きな注目を集めています。
背番号「38」から「0」へ 球団発表と髙部瑛斗のコメント
球団の公式発表によると、髙部選手の背番号は「38」から「0」へ正式に変更されました。
この変更は球団側からの打診ではなく、髙部選手が自らの意思で申し出たものです。
髙部選手は球団を通じて、背番号変更について次のようにコメントしています。
- 「自ら希望して背番号0に変更することになりました」
- 「荻野さんにも連絡をして、『高部に背負ってもらえるなら嬉しい』と言ってもらいました」
- 「ずっとあの人の背中を追いかけてきた。憧れです」
- 「この番号を背に来年は打・守・走の3つでタイトルを獲れるように頑張ります!」
自ら希望し、そのうえで荻野さん本人にも連絡を入れ、了承と激励の言葉をもらってから球団にお願いするという、丁寧で誠実な手順を踏んでいることが印象的です。
荻野貴司への強い憧れと「思いの継承」
髙部選手は、以前から公私ともに尊敬してやまない先輩として荻野貴司
- 「荻野さんへの憧れがすごくありますし、僕のプロ野球生活の中であの人の背中をずっと追いかけてやってきた部分もあります」
- 「本当に尊敬している先輩。どうしても荻野さんの思いを継ぎたいなという気持ちが、今回は自分からお願いさせてもらいました」
背番号「0」をつけるにあたり、髙部選手はまず荻野さん本人に連絡を入れたといいます。
- 「球団にお願いする前に荻野さんに『どうしても着けさせていただきたいんですけど、0番良いですか』と言ったら、『俺が決めることではないけど、背負ってくれたら嬉しい』と言ってもらえた」
このやりとりを経て、髙部選手は「これなら僕は球団に言わせていただけるなと思って、思い切ってお願いしました」と話しています。
単なる番号変更にとどまらず、先輩から後輩へと引き継がれる“思い”のバトンであることが、言葉の端々から伝わってきます。
「ライバル」であり「道を示してくれた先輩」
髙部選手は、荻野さんとの関係について、「ライバル」でありながら「道を示してくれた先輩」だと表現しています。
- 「やっぱりライバルというか、試合を出るために切磋琢磨しましたけど、常に目標というか道を示してくれる先輩だったので、本当に感謝しています」
- 「もっと一緒にやりたい気持ちもありましたけど、これから背番号0を背負って、自分なりにあの人を超えられるように頑張りたいと思います」
同じポジションを争う間柄でありながら、プレーや姿勢を通じて学ぶことの多い存在だったからこそ、背番号という目に見える形で思いを継ぎたいという決断に至ったのでしょう。
「自分らしく、自分のものに」 背番号0への決意
報道によれば、髙部選手は「背番号0」を背負うことについて、次のような前向きな思いも口にしています。
- 「重みもあると思うけど、自分らしく背番号0を自分のものにできたら」
また、球団発表のコメントでも、「自分らしく自分のものにしていきたい」という趣旨の言葉を述べていることが報じられています。
先輩への敬意と同時に、“受け継ぐ”だけでなく、自分なりの色を加えていく覚悟が感じられます。
今季の成績と抱く悔しさ それでも見据えるタイトル獲得
今季の髙部選手は、111試合に出場し、打率.286、102安打、34打点という成績を残しました。
数字だけ見れば安定した活躍と言えますが、本人はシーズンを振り返って、かなり厳しい自己評価をしています。
- 「個人的には何もかもうまくいかない年、守備、走塁、バッティング全ての面でいいパフォーマンスが出たとは言えないので、すごく悔しいシーズンだった」
そのうえで、髙部選手は背番号0で迎える来季に向け、明確な目標を口にしています。
- 「この背番号を背に、来年は走・攻・守のすべてでタイトルを獲れるように頑張ります」
- 「まずは打撃タイトル。とったことがないので、これを狙って取れるようにしていきたいという気持ち」
- 「守備走塁のタイトルも、走攻守が求められている選手だと思うので、そこを追い求めて1年間怪我なくプレーしていきたい」
- 「打つ方ではとにかく打って結果を出す。盗塁王も狙いたい。守りではゴールデングラブ賞を目指したい」
悔しさを素直に認めつつも、それをバネにタイトル獲得を公言する姿は、背番号変更をきっかけに、さらに一段上のステージを目指している証と言えるでしょう。
契約更改での評価と期待 年俸アップが示すもの
日刊スポーツの報道によると、髙部選手は今季の契約更改交渉で、1700万円増の推定5000万円でサインしています。
今季、自身は「悔しい」と振り返っているものの、球団はその働きと今後への期待をしっかりと評価した形です。
打撃・走塁・守備の三拍子がそろった外野手として、チームに欠かせない存在になりつつあること、そして背番号0を託すにふさわしい中心選手候補として見られていることがうかがえます。
「0」が持つ意味 ロッテに受け継がれるスピードスターの系譜
ロッテの背番号「0」といえば、長く荻野貴司髙部瑛斗選手が引き継ぐことになります。
数字としては「何もない」ことを意味する0ですが、ロッテにおいては、攻守に躍動する外野手の象徴とも言える番号です。
そこに自ら飛び込み、「自分のものにしていきたい」と宣言した髙部選手の決意は、単なる番号以上の重みを持っています。
今後への期待 「憧れ」を超えていけるか
「ずっとあの人の背中を追いかけてきた」「本当に尊敬している先輩」と、何度も口にしているように、髙部選手にとって荻野さんは特別な存在です。
一方で、「自分なりにあの人を超えられるように頑張りたい」とも語っており、憧れの背中を追う段階から、自らがチームを引っ張る段階へと踏み出そうとしていることがわかります。
背番号は変わっても、求められる役割は「走攻守すべてで躍動する外野手」。
今季見せた悔しさと、来季に向けての高い目標設定、そして「0」に込められた先輩からの思いが、どのようなプレーとなって表れるのか、注目が集まります。
ファンにとっても、背番号ユニフォームを新調したくなるような、期待に満ちた背番号変更と言えるのではないでしょうか。
荻野さんから受け継いだ「0」のユニフォームをまとい、髙部瑛斗選手がどこまで飛躍していくのか、来季のグラウンドでの姿が今から楽しみです。



