リバプールのモハメド・サラーとチームの現在:不振と信頼、揺れる冬の移籍市場
衰えの兆し?サラーの最近のパフォーマンス低下
リバプールが公式戦4連敗という厳しい状況にある中、エジプト代表FWモハメド・サラーの不振が大きな話題となっています。2025年10月20日にマンチェスター・ユナイテッドとの試合で無得点に終わり、かつての圧倒的な決定力が薄れていることが浮き彫りとなりました。元マンチェスター・ユナイテッドDFのガリー・ネビル氏は「サラーには肉体的な衰えは見られないが、技術面の低下が目立つ」と指摘しています。
- 今季は公式戦12試合でわずか3ゴール3アシストにとどまる。
- フランクフルトとのチャンピオンズリーグではベンチスタートとなり、出場時間も限られました。
- チーム内では、サラーの動きがかつての爆発力からは遠ざかっているとの見方が強まっています。
サラー自身の変化とファンの反応
今季の不振が明白になる中、サラーのSNSでの動きもファンやメディアの注目を集めています。10月23日朝、インスタグラムのプロフィール写真が突然白黒に変更され、「いつも信じている」と記されましたがリバプールに関する言及が消えました。旧Twitter(X)でもプロフィールを変更し、リバプール関連を削除するなど、これまで見られなかった行動が波紋を呼んでいます。
- サラーは33歳で、今年初めにリバプールと2年間の契約延長を結んでいます。
- 「本当に驚いている」「文句を言う立場にない」といったファンや関係者からの声が上がっています。
監督アルネ・スロットの対応と発言
新監督アルネ・スロットは、サラーの先発落ちについて「戦術的な理由」と説明していますが、実際にはパフォーマンスの低下が背景にあると公には語られています。しかし、スロット監督は「困難な状況でも、私はサラーにゴールを決めて欲しい時は彼を信じるだろう」と発言し、「自分の命を救う場面でもサラーに賭ける」と強い信頼を見せています。
- 試合によっては先発から外れることもあるが、チームと監督はサラーの復活を信じている。
- サラーは過去に4度のプレミアリーグ得点王(ゴールデンブーツ)を獲得した経験を持ち、歴代でも突出した記録を誇る。
クラブの移籍方針と「ポスト・サラー」構想
メディア報道では、今冬の移籍市場でサラーに対して海外クラブからオファーがあるとの憶測も流れています。しかし、リバプールは公式に「サラーを冬の移籍市場で放出する意思はない」と明言しており、クラブとして引き続き復活を期待している状況です。
- 海外メディアによれば、リバプールは少なくとも冬の市場ではサラーを手放さない方針。
- クラブはアントワーヌ・セメニョ、マイケル・オリーセ、マリック・フォファナらを「ポスト・サラー」の候補としてリストアップしていますが、現時点では二重の信頼体制を維持しています。
リバプールは今年夏にフロリアン・ヴィルツやアレクサンダー・イサクを新戦力として獲得し、チームの刷新に取り組んでいます。だが、両選手とも完全にフィットしておらず、首位争いから後退しているのが現状です。攻撃陣の安定感を再構築する上でも、サラーの復調が不可欠だという声が多く聞かれます。
サラーの歴代功績とクラブ全体への影響
サラーは2017年リバプール加入以来、248得点という圧倒的な実績を残してきました。また、プレミアリーグにおける外国人最多得点記録保持者であり、UEFAチャンピオンズリーグにおけるアフリカ人最多得点記録保持者という名誉も持っています。さらに、PFA年間最優秀選手を3度受賞した唯一の選手でもあり、クラブの歴史に大きく刻まれています。
- 昨季は公式戦34得点を記録し、チームのタイトル獲得に大きく貢献しました。
- 今季は公式戦12試合で3得点と不調ですが、これまで築いた信頼と実績は揺るぎません。
OBや識者の意見:不調と年齢の影響
かつてリバプールを率いたOBやサッカー解説者からは「不調のサラーに常時スタメンを保証するのは疑問」との声も聞かれます。「ある程度の年齢になれば、競争が必要」と厳しい指摘もありますが、一方で「世界中を探してもサラーのような選手は思いつかない」と、その価値を評価する意見も共存しています。
リバプールファンの現状と今後への期待
ファンの気持ちは複雑ですが、今でもサラーへの期待と信頼は強く、「復活への希望」が支えとなっています。SNS上では「サラーは必ず戻ってくるはず」「苦しい時こそ支えたい」といった温かい声も多数見られます。リバプールも、短期的な結果だけではなく、長期的なチーム構築を視野に入れながら「サラーとともに」未来を模索しているのが現在です。
まとめ:信頼と不安―分岐点に立つサラーとリバプール
今季のリバプールは、攻撃陣の刷新とサラーの不調が交錯する「転換期」に直面しています。サラーの輝かしい歴代実績、クラブと監督の揺るぎない信頼がある一方で、年齢やパフォーマンス低下という現実が容赦なく突きつけられているのも事実です。冬の移籍市場での動向や、復調をめざすサラーの取り組み、そしてクラブとファンの絆が注目される数ヶ月となるでしょう。
- サラーの復活を信じて、リバプールは「象徴」の価値を尊重し続けています。
- 新戦力との融合、ポスト・サラーへの備え、変化の中でクラブは進み続けます。


